漫画「砂の栄冠」単行本7巻感想

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砂の栄冠　7巻感想

（週刊ヤングマガジン2011年41号〜2011年50号）

3月6日に発売された単行本7巻の内容を紹介します。
どや顔を決めるガーソに、呆れてモノも言えない七嶋。
ある意味、この作品を象徴する表紙です。

ストーリーは東横戦決着から秋〜冬のオフシーズン、センバツ開幕直前まで。

今回のエピソードをざっと紹介。

＊

第59話「15回裏最後の攻撃」
15回裏、樫野は下位打線からの攻撃。
ナインは必死に声援を送るが、三者凡退でゲームセット。

第60話「埼玉の名伯楽」
東横との試合後、ガーソはインタビューに嘘八百を並べ立てる。
その夜、七嶋は遠藤を樫野グラウンドに呼び出し、トクさんの残金を再び埋めるように指示。

第61話「200万の使い途」
七嶋は、部員全員にスタミナをつけさせるため、練習前に米を食べる事にする。
さらに、吹奏楽部部長の唐木にオリジナル応援テーマの作曲を依頼。

第62話「応援勝ち」
唐木は新品のトランペットに食い付き、応援テーマ作曲を引き受ける。
一方、ガーソは転任を取りやめ樫野の監督を続行する事に。

第63話「ガーソの野心」
ガーソは監督引退後、講演や印税で一儲けしようとたくらんでいた。
それに気づいた七嶋は、自分も大きな野心「全国制覇」を目指すことを決意。

第64話「左投げ」
右手用グラブを使ううちに、左でもストライクが入るようになった七嶋。
ノックマンはスイッチピッチャーへの挑戦を焚き付ける。

第65話「ノックマンの指導」
七嶋はスイッチピッチャーへの挑戦を決断。
１月後半、契約期間の終了したノックマンは静かに樫野を去る。

第66話「センバツへ向けて」
センバツ出場が決定し、ガーソは満面の笑みで胴上げされる。
甲子園出発２日前の朝、トクさんの愛犬タローが学校に駆け込んできた。

第67話「恩人」
路上で接触事故に遭い倒れたトクさん。
遠藤は看病で埼玉に残ることに。

第68話「センバツ開幕」
晴れのセンバツ開会式。七嶋はこれまでお世話になった人たちを思い浮かべながら行進する。
１回戦の相手は近畿地区の大阪杏蔭に決定。

＊

４巻から長いこと続いていた東横戦がようやく決着。
樫野野球部はオフシーズンに入りますが、主人公は休まず動きます。
60話で「これからは一日一日が貴重で大切だ　負けたその日から次への準備に入らなくちゃいけないんだ」と語る七嶋。高校生なのに見上げた意識の高さです。
大きい事を成す人は、こういう意識なんでしょうね。

でも、普通に立派になっちゃうと「黒い」時期を知ってる読者としては物足りないなあ。
先生、たまには黒い七嶋君もお願いします。
と思ったけど、唐木に「トランペット買ってやる」て言ってる場面は充分黒かったわ。

＊

7巻には楽譜という珍しいおまけつき。
七嶋が吹奏楽部の唐木に作曲させた（という設定の）オリジナル応援曲です。
7巻に指揮者用のスコア譜、８巻に各楽器用のパート譜がつくそうで。
さらに講談社の公式サイトでは音源を視聴可能！　なんという講談社のサービスっぷり。
正直、この音源だといまいちなのですが、実際に大応援団でやると違うかも。

＊

巻末企画「甲子園研究所」第7回
スポーツライターの田尻賢誉氏によるコラム。
今回のテーマは「応援で勝つ」。
なぜ、応援でスタンドを盛り上げる必要があるのか。盛り上げるために強豪がどんな工夫をしているのか。
しかし「東北がいまだに優勝できないのは応援に原因があるといっても過言ではない」ってのは言い過ぎなのでは……東北のドラクエ３とか好きですけど。

＊

帯：「本当に作っちゃいました！　樫野高校オリジナル応援曲『砂の栄冠』楽譜付き!!」
内容は上に書いた通り。

＊

帯の裏面は「甲子園初戦は名将・テラモン率いる　優勝候補筆頭ナニワの俺様集団だ！」
こう書くと、なんかヤンキー軍団みたいですが、ちゃんと高校球児です。
発売は４月６日。来月も楽しめますよ。