漫画「砂の栄冠」56話感想（週刊ヤングマガジン連載）

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砂の栄冠　第56話「13回裏1点ビハインド」

（週刊ヤングマガジン2011年8月22日／38号）

13回裏、先頭の小泉が頭部死球！
10回から蝶野にパーフェクトに抑えられていましたが、はじめてランナーを出します。
小泉は一旦ベンチへ下がり、５番の鈴木が臨時代走に。
無駄知識ですが、この臨時代走ルールは高校だけじゃなく大学野球でも使われます。

＊

七嶋はベンチで完全にリラックスモード。
６番から始まるこの回、４番の自分に打席が回る見込みはほぼないからです。
しかし、47話に出てきた台本暗示方法で「東横に逆転する筋書きだ」と味方にすべてを託します。

バッターは７番の黄川田。
無死のランナーは大事にしたいところですが……、ガーソは目が泳いでサインが出せません。
東横の監督・部長は「落ち着いている。腹の据わった監督さんだ」と誤解。
あんたら、選手を見る目があるのになんでガーソの無能ぶりに気づかないんだよ。
黄川田は動かないガーソを見て待球と判断。

観自在菩薩行深般若波羅蜜多時　照見五蘊皆空　度一切苦厄舎利子　色不異空　空不異色　色即是空　空即是色

「般若心経」を唱えてフォアボール！（※黄川田は寺の息子）
これで無死一、二塁。

＊

ここまで150キロ台で飛ばしてきた蝶野ですが、一巡して制球が乱れてきました。
現実でもそうですが、剛速球投手はコントロールが大雑把なもの。
さらに勝ちのプレッシャーか、スーパー１年生も動揺を隠せません。

「こんなところでつまづいてたまるか。俺は羽ばたく男なんだ」と暗示をかける蝶野。
ここでアゲハ蝶のイメージが背中に。
でも、蝶って寿命短いし、あんまり縁起が良くないような。

＊

暗示の効果なく、８番の稲山も粘ってフォアボール。なんと無死満塁。
そして、蝶野には「アゲハ蝶にまとわりつくアリの大群」の幻覚が！
ほら、やっぱり蝶は縁起が悪い。

＊

このピンチを救ったのは東横ベンチ。
伝令を走らせ、蝶野を落ち着かせます。
「一人で野球やってるんじゃないんだ」と先輩に諭された蝶野くん、「そうだ。俺には日本一のバックがついてる」と平常心を取り戻します。
９番・清水への初球は久々のストライク。
が、清水も冷静。２球目、甘いコースにきたボールを右へ打ち返します。
打球の行方は？　以下次号。