三田紀房「砂の栄冠」74話感想（週刊ヤングマガジン連載）

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砂の栄冠　第74話「４回裏樫野の攻撃」

（週刊ヤングマガジン2012年1月7日／6号）

新年あけましておめでとうございます。
今年もヤンマガ毎号発売日レビューを目標にがんばります。
と言いながらこれは８日に書いてますが。

＊

大阪杏蔭、４回表の攻撃が終了。
七嶋は4イニングで投球数34。
理想的な球数ですが、相手の早打ちに助けられているので素直に喜べません。
杏蔭は七嶋を粘って打ち崩す気がなく、さっさと終わらせる予定なのです。

＊

その裏、樫野の攻撃。
ワンナウトから３番のグンがライト前ヒットで出塁。
初回に続き２打席連続！　いきなり確変しすぎ。
中身は小泉じゃないだろうな。

＊

ワンナウトで一塁が埋まっていることもあり、大阪杏蔭は勝負を選択します。
しかし、ガーソがここで妙なサイン。
グン、七嶋ともに「本気か？」という顔つき。

杏蔭の寺門監督は盗塁を警戒しますが、ガーソの選択はその斜め上をいきました。
なんと七嶋に送りバント、２死二塁。
チャンスは残りましたが、完全に愚策。チーム最強のバッターでアウトを献上したのです。
寺門監督は「このオッサン、アホとちゃうか」。
ごもっともです。
５番のズッキはあっさり打ち取られスリーアウト。

＊

素直にバントはしたものの、七嶋は怒りMAX。
「もう、死ね！」と最大級の呪詛をぶつけます。
このバント指示は、初回に勝手にダブルスチールしたことの腹いせ。
最高の舞台で子供じみた仕返しをする監督に、完全に愛想がつきたようです。

ガーソ、本当なら東横戦のゴンのように降板させたかったところでしょうが、控え投手ではサンドバックになるだけなのは明白。
そこでバントを命じたのでしょう。
無駄なところで頭を使うなよ……。

＊

小沢部長が七嶋をなだめます。
「七嶋、今は……な」
そう、今は試合中です。しかも全国生中継の。
辛うじてエースは怒りをこらえるのでした。
なんか、久々に空気じゃない部長を見た気がする。

＊

ネット裏のマニアたちも、ガーソ采配に対し非難囂々。
せっかく４番打者の一発を見たかったのに、バントで終わってしまいました。
このままでは七嶋のスタンド能力（違います）「宇宙空間」が発動できません。
こうなれば、観客を引きつける左投げにスイッチするのか？
そして、全国ネットで無能ぶりをさらしたガーソはどうなるのか？　以下次号。