三田紀房「砂の栄冠」144話感想（週刊ヤングマガジン連載）

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今週の砂の栄冠　第144話「空っぽ」

（週刊ヤングマガジン2013年6月24日／30号）

＊

春季県大会１回戦、花坂徳丸戦。
８回裏、樫野はノーアウト満塁の大チャンス。
しかし、１番グマは初球を叩いてショートゴロ、本塁フォースアウト。
続く２番はリリーフ登板したピッチャー・ケンケン。
スクイズを小フライ、これでツーアウト。
七嶋は頼みのグンに声をかけますが、「わかってるって　チームを背負ってるのは俺なんだから」と勘違いしまくりの返事。
案の定、初球を打ってセンターフライ。
なんと３人連続初球でアウトという、淡白すぎる攻撃。

＊

七嶋、「あまりにも軽い」と嘆息。
熱気も粘りも、何もかもチームはなくしてしまった。
９回表、ケンケンはソロホームランを被弾。1対2。
後続は抑えたものの……。

＊

９回裏、先頭の七嶋はツーベースで出塁。
が、後続があっさり倒れてゲームセット。
樫野、１回戦敗退。同時に夏はノーシードでの出場が決定。

＊

	１	２	３	４	５	６	７	８	９	計
花坂徳丸	０	１	０	０	０	０	０	０	１	２
樫野	０	１	０	０	０	０	０	０	０	１

＊

試合終了後、応援団に挨拶する樫野ナイン。
その姿はまるで……

ガビーン！　老いてるッ！

＊

みんな絵的にはトクさんみたいなヨボヨボに！
「みんな甲子園で一生分の野球をしてしまったんだな」
「あの甲子園で　心と体すべてを使い果たして戦った！　彼らのリミットを完全に越えてしまったんだ」
戦ったのはほとんど七嶋だけどな。
「みんなの野球人生はこれで終わった……」
七嶋は悟ります。

＊

「このチームは　死んだ……」
ラスト１ページまるまる使って、お葬式の坊主の後ろ姿。
チーン、と効果音までついてる。
七嶋君、最近まで断罪とか贖罪とか言ってなかったか？　宗旨替え早すぎィ！
チームが死んだところで以下次号。

＊

クロカンで言うところの「満足度の大きさが耳かき一杯分」しかない樫野ナイン。
ここまで成長の描写を色々書いといて、七嶋が彼らを見限る、というのも考えにくい。
どうにか火をつけるんでしょう。
樫野はセンバツベスト４で、春の関東大会の推薦出場が決まっています。
この試合の描写に注目ですね。まあ、ばっさりカットも考えられますが。
個人的には、センバツを制した東横浜との再戦が見たいところ。