漫画「砂の栄冠」44話感想

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今週の砂の栄冠　第44話「七嶋の実力」

（週刊ヤングマガジン2011年5月23日／25号）

単行本４巻は６月６日発売予定です。表紙は黄色、つまり金の色。
この漫画に一番ふさわしいと言えます。
それにしても、相変わらず主人公以外を表紙に出す気がないんだな……。
昔の漫画ですけど、ジャンプの封神演義で14巻と16巻じゃ売上が違ったというし（簡単に言うと14巻の表紙が美女キャラで16巻がバケモン）、
たまには遠藤マネかノックマンかガーソでも描いて欲しいものです。

＊

２回裏、七嶋が相手の配球を読み切って先制のホームラン！
大歓声のなかホームインします。
今週のガーソのどや顔はお休み。また忘れた頃に出てくるでしょう。

スリーアウト後、東横ベンチでは早速米倉部長のバッテリーへのお説教が。
「七嶋の初打席の打率は７割」
「変化球は完全に読まれていた」
「ぶっちゃけお前らより上だ」
大渡監督の参謀として、東横の技術面を指導している米倉部長。
モデルは当然、横浜高校野球部部長の小倉清一郎氏でしょう。松坂をはじめ多くのプロ選手に技術を叩き込んでいます。

＊

余談。
プロも一目置くという小倉部長の足跡については、降旗学氏の小説「敵手」が詳しいです。
小説の形式をとっていますが、ほぼノンフィクションです。
その他「横浜vsPL学園」なども小倉部長について触れていますので、興味があればどうぞ。

＊

気をよくした七嶋はピッチングもエンジン全開。
３回は１、２、３番を三者凡退！

ここでノックマン解説。
東横がなぜここまでインコース攻めに弱いのか。
それは、高校野球では大半のピッチャーが外角中心に組み立てるためです。
また、パワーがない高校生が長打を放つには「外角を踏み込んで強く叩く」しかない。
外を想定したバッティングを、内を攻めることで崩すわけです。
そういえば、日ハムの中田も高校時代は内角攻められると結構弱かった記憶が。
常葉菊川の田中（現横浜）と対戦した時とか。

＊

当然、東横も後半はインコースに対応してくるはず。
ファールで粘られることを想定し、この試合はおよそ180球かかると七嶋は読みました。
（通常、理想的な球数は１イニング15球、9回135球）
球数計算したのはスタミナ配分のためでしょうな。
これも通常なら監督が指示するところですが、ガーソには期待できない。

「ピッチャーの仕事は勝つための投球をすること」
「そのためのピッチングの図面を描く」
「外はさわやか、内は腹黒く！」
あんたは楽太郎（現・円楽）かい。
というか内蔵が黒いと病気に見えるぞ。

＊

４回表、東横の４番・瀬良と２度目の対決。
キャッチャーのゴンは早くも迷い始めたので、自らサインを出す七嶋。
今度はスライダーも混ぜていきます。
外・内・外・内・外で追い込み、勝負の６球目。
インコースと読んだ瀬良ですが、ストライクではなく胸元への釣り球。あえなく三振。

ついに大渡監督も、七嶋のクレバーさを認めます。
そこへ米倉部長が「次の回からは打ちますよ」と宣言。
「配球がわかっちゃいましたから」
早くも七嶋のサインが解析されてしまったのか？　以下次号。

＊

七嶋の評価がうなぎのぼりですね。甲子園はともかく、契約金でトクさんの１千万円は返せそうだな。
さておき、米倉部長の揺さぶりをどう切り抜けるのでしょうか。
キャッチャーのゴンには期待できなさそうなんで、これまでと同じく七嶋が機転を利かせるのか、あるいは屈するのか。