三田紀房「砂の栄冠」102話感想（週刊ヤングマガジン連載）

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今週の砂の栄冠　第102話「準々決勝開始」

（週刊ヤングマガジン2012年7月30日／35号）

単行本９巻は、８月６日発売！
甲子園は晴れ時々宇宙空間。
さらに三田紀房・田尻賢誉共著の「野球バカは野球でしかビジネスを考えられない」も発売中！
聖光学院の斎藤監督ほか、2012年夏の甲子園に出場する監督さんも登場しますよ。

＊

１回表、兼六学館の攻撃はあっさりと終了。
兼六打線は何も考えず打っているらしく、あっけなく三者凡退に倒れます。
大阪杏蔭や帝城戦のようにインコース攻めする必要すらないらしい。

＊

樫野は攻守交代でも全力疾走。観客には大ウケ。
名付けて「猫まっしぐら」作戦！
封を切ったモンプチを発見した猫でもこうは走るまい……と思いつきで書きましたが、猫も犬みたいにエサを出したら全速力でやってくるんでしょうか。
犬は飼ってたからわかりますが、猫のことはさっぱり。

＊

対照的に、兼六はゆっくり守備につきます。
甲子園マニアからは「もうプロ気取りかいな」とすこぶる不評。
でも、こんなの気にするのは一部のマニアだけだと思う。
フツーのお客さんや、興味ないのに応援にかり出されてる高校生なんかは、そこまでじっくり見ないし。
トイレ休憩とか、飲み物の補充とかしてて気にしてないよ。

＊

実は、兼六を率いる釘谷監督もマスコミからは人気がない。
大阪出身の36歳。現役時代は３年時に春のセンバツ出場。
非常に偉そうであり記者に対しては「所属を教えろ」と言い放つとか。
兼六学館、一人一人の選手はそこまで悪くはないが、監督の態度が浸透しているために良いイメージがない……とはライター茅刈の分析。
ともかく、球場はすでに樫野に勝って欲しいというムード。

＊

兼六学館の先発は左サイドの峰。
どんな状況でも動じず淡々と投げる、ピッチャー向けの性格。
樫野はグマの９球はじめ粘りますが、三者凡退。
しかし打ち取られてもベンチまで全力疾走、抜かりはありません。

＊

２回表。七嶋は兼六の４番を迎えます。
２試合で１ホーマーの実力者ですが、初球を簡単に打ち上げ外野フライ。
七嶋は、嬉しがるよりも疑念を隠せません。
「ただ打つだけ　ただ走るだけの何の面白みもないチーム
なんでこんなチームがベスト８まで勝てるんだ
これでいいのか高校野球！」
そこまで言う？

個人的には、打つだけ走るだけの野球が悪いとは思いません。
シンプルな野球で勝てるのは力のあるチームの特権。
小細工せずに勝てるなら、それに越したことはない。
全力疾走しないのも、スタミナ消耗を抑えるためと解釈できるし（特に夏は）。

＊

七嶋は「まあいい　今日は勝つ　勝てる相手だ」と後続に集中します。
以下次号。

＊

どうも、七嶋が勝てると決めてかかっているのが、逆に負けフラグに感じますね。
何も考えない野球と見せかけて、兼六学館にはウラがありそう。
ちょっと楽しみな一戦になってきました。

＊