三田紀房「砂の栄冠」76話感想（週刊ヤングマガジン連載）

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砂の栄冠　第76話「６回表・大阪杏蔭の攻撃」

（週刊ヤングマガジン2012年1月23日／8号）

前々回のサブタイトルは「４回裏樫野の攻撃」でした。
あまり人が見ないところとはいえ、もうちょっと捻ってもいい気がする。

＊

６回表から本気出す。
軽快に守備位置に走った樫野ナインを見て、大阪杏蔭のテラモンこと寺門監督は作戦変更を決意。
今までは淡白な攻めでしたが、積極的に塁に出て点を取る方針に切り替えます。
それを伝えるべくナインを集めようとしますが……。

＜●＞＜●＞

七嶋様が見てる。

＊

動き始めた杏蔭を、ぬかりなく警戒する七嶋。
「高校生のくせに敵のベンチにまで注意を払うとは」
「技術だけじゃなく頭も切れる超一流の選手や」
と、テラモン最大級の評価。
まあ、七嶋がここまでするのは、ベンチの監督が石地蔵だからなのですが。

＊

ともかく攻撃開始。
８番ピッチャー山田はあっさり倒れますが、これは休ませるため。
９番がインコースを強引に叩いてサード内野安打。
１番がエンドランをかけて１死一、三塁。
あっという間に初回以来のチャンスを作ります。

＊

ここでガーソは伝令。アストロン状態ではないらしい。
伝令はスクイズ警戒を伝えますが、内野陣はスクイズはないと読みました。
相手は２、３点一気に奪う気ですからね。
選んだのはヒッティングにも対応できる中間守備。
サードのグンは「俺だけ前に守る」と、ガーソがヘソを曲げないよう気を使います。
ここに来てナインが各自の頭で考えるようになりました。
成長したなあ。

＊

樫野の守備を見たテラモン監督、
「スクイズはないと読んだか。さすがベテラン監督やな」
違う、ガーソは伝令を出したところでMPが尽きている。
顔が（ﾟ ρ ﾟ )　こんなだし。
２番バッターは内野フライに打ち取り、ツーアウト。

＊

３番バッターにはボール先行し、結局フォアボール。
が、これは作戦のうち。
七嶋は今日初めて変化球を使っているからだ。
全ては４番を確実に打ち取るため。
樫野は最大のピンチ、しかし試合の流れは完全に止まった。どちらに動くかわからなくなった。

＊

球場のボルテージが高まったところで、４番サード権上が登場。
おかわり君体型、モデルは中村剛也と見て間違いない。
権上が一発イワせるか、七嶋が抑えるか、以下次号。