漫画「砂の栄冠」単行本4巻感想

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砂の栄冠　4巻感想

（週刊ヤングマガジン2011年9号〜2011年18号）

6月6日に発売された4巻の内容を紹介。
この巻で浦和秀学戦に決着。そして伝説のノックマンが登場。黒い遠藤マネも初登場。

＊

第29話「いい子ちゃん」
審判に気に入られるため、徹底的にいい子ちゃんを演じる七嶋。

第30話「モリチュウ」
６回表ノーアウト一塁三塁、七嶋は宇宙空間の後押しを受けて犠牲フライを放つ。

第31話「緊迫のラストイニング」
９回裏、２死までこぎつけるがエラー連発で１点を返される。

第32話「9回裏大ピンチ」
一打逆転のピンチで、七嶋はクレバーな配球で最後の打者を見逃し三振に打ち取る。

第33話「センバツ確定」
準決勝から２日後、ゲリラ豪雨でグラウンドの１千万を埋めた部分が盛り上がる。

第34話「グラウンドの金」
夜中に１千万を掘り出そうとする七嶋だが、マネージャー遠藤にばれてしまう。

第35話「札束露見」
遠藤は自分が１千万円を管理すると宣言。

第36話「伝説のノックマン」
アメリカでは伝説の日本人ノックマン。彼は今、日本に帰っているらしい。

第37話「神業ノック」
七嶋の連絡でやってきたノックマンは、１ヶ月百万円で彼と契約する。

第38話「利き腕とは逆特訓」
ノックマンは部員全員に利き腕とは逆のクラブを使うよう命じる。

＊

というわけで、なんと4巻にして早くも宿敵に勝ってしまいました。
しかも26話から32話だから、わずか7話しか使っていません。
テンポがいいだけじゃなく、必要な要素も笑いどころもきっちり詰め込んでみせる。
ストーリーテラー三田の真骨頂と言えましょう。
今やってる東横戦も、長くても15話ってところでしょうね。

ダウトが１点。第36話の「秋の大会6試合」が直ってなかったです（正しくは7試合）。
編集さん、細かいことだけど頼んますよ。

＊

巻末企画「甲子園研究所」第4回
スポーツライターの田尻賢誉氏によるコラム。
テーマは「極細眉毛の実態」。
劇中でも「頭悪そう」と七嶋の言う細マユ。
なんで球児は細眉にするのか？　そして、なぜ細眉はダメなのか？

＊

帯：岩崎夏海「この作品はコミック界の『刑事コロンボ』ですね」
「マンガ家のみならず全てのクリエイターは、
なぜ三田紀房がここまで高いレベルの作品を
安定して作り続けられるか一度考えてみた方がいい。
その答えは、実はこの第４巻にある」

＊

帯の文章は、3月にヤンマガ誌上で対談した岩崎夏海さんでした。
ただ刑事コロンボってのは微妙だなあ……「犯人が最初からわかってる＝ゴールが最初から用意されている」って言いたいんだろうけど。
褒め言葉も今ひとつわからない。「高いレベルの作品を安定して作り続けられるか」ってどの辺なんだろう。
というか、読者には１巻でトクさんが札束バラまいた時点でハイレベルの漫画だってわかると思う。