三田紀房「砂の栄冠」73話感想（週刊ヤングマガジン連載）

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砂の栄冠　第73話「大阪の野球」

（週刊ヤングマガジン2011年12月26日／4・5号）

七嶋、流れを引き寄せるべくダブルスチール！
今頃2chの野球版では「樫野大胆すぎだろwww」「（重盗したら）いかんのか？」などと書かれているであろう。
結果は三盗したグンがタッチアウト。
大阪杏蔭のキャッチャー竹中は全く慌てていませんでした。
ワンバンの変化球だったにも関わらず正確な送球。彼もまたドラフト候補のようです。
だが、思い切り走ったおかげでグンは何かをつかんだ表情。

＊

七嶋は二回表を三者凡退で切り抜ける。
東横戦同様、インコース攻めが効いています。

＊

その後、樫野の攻撃前にガーソのお説教。
「ダブルスチールのサインなんて出してないぞ」と怒るガーソに、「あれ、出てませんでしたっけ」と白を切る七嶋。
小泉とのキャッチボールにかこつけて、「すんませんした」と強引に話を打ち切ります。

「七嶋……お前、俺をナメてんのか」。ガーソは本気で怒りかけているぞ。
一方の七嶋は、「ガーソは大阪のチームとの戦いがわかってない」。

＊

またまた滝本さんとの回想。
大阪のチームはどうして強いのか。
それは、大人から子供まで「大阪は勝負で一番」と頭に刷り込まれているから。
「阪神ファンは一番ヤー」 by オマリー

＊

野球でも、勝つためにはルール違反でなければ何でもやる。
相手の長所を打ち消し、徹底して弱点をつく「エゲつない野球」を得意とする。
大阪以外の、のほほんとしたチームはそれに対抗できない。

近年、大阪代表が１回戦で負けることもありますが、それは無関係。
「大阪の子供はちゃんと結果を出しとる」
そう、全国に散らばった大阪出身の球児が甲子園で活躍しています。
有名どころだとダルビッシュ（大阪・全羽曳野ボーイズ→東北高）とか、今年の光星学院（レギュラー全員が大阪出身者）ですね。
これは、毎年大阪のチームが優勝しているようなもの、と滝本は断言。

＊

個人的には、素人目ですけど「パワフルだが時に大雑把」という感じはするかな。高い能力で圧倒するというか。
ま、あくまでも観戦オタクの意見なんで流してください。

＊

七嶋は、三回表も無失点で抑えます。
三回裏の攻撃前、ガーソはプイとそっぽを向いてアドバイスなし。
全国中継してるのに、いいのかそれで。
打線もあっさりとスリーアウト。

ダブルスチールをかましたものの、チームはいまだ大阪杏蔭の激流にのまれたまま。
初回の１点、思った以上に重いものになりました。
どうする七嶋。以下次号。