岩崎夏海×三田紀房　スペシャル対談

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岩崎夏海×三田紀房　スペシャル対談　まとめ

（週刊ヤングマガジン2011年3月28日／17号掲載）

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ヤンマガ紙上で行われた、岩崎さんと三田先生の対談を短くまとめました。
ページ数は３ページでした。

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岩崎「実は子供の頃から徳島・池田高校のファンだった。地元の茨城から池田高校に入学する方法を考えていたほど。
　印象に残っているのは1979年春の東洋大姫路との試合。２対８から最終回に５点取って、胸にくるものがあった」→参考
（以下、82年夏や83年春の優勝について熱く語る）

岩崎「83年夏、準決勝はエースと４番が１年のPL学園。負けるはずがないと思っていたが、まさかの敗戦。レフトスタンドで見ていた僕の前に桑田真澄のホームランが飛んで来た」

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岩崎「翌年夏、地元の取手二が夏優勝。しかも、相手はにっくきPL学園。忘れられない試合」
三田「取手二といえば木内幸男監督。『エースの系譜』では実名で出てきてびっくりした」
岩崎「昔、『侍ジャイアンツ』という漫画に王や長嶋が実名で出てきていた。あの感覚でやりたかった。本人には許可をいただいた」

三田「木内監督といえば、試合後のインタビューで大きな声で話してくれる。ボソボソしゃべる強豪校の監督もいる中で、サービス精神があるなと思う」
岩崎「木内監督は頭が良すぎて独自のことを考えている。だからインタビュアーと話が噛み合ないこともあるが、それがまた面白い」

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岩崎「三田先生の作品は、『ドラゴン桜』にしても『砂の栄冠』にしても、先に目標を決めて、そこに到達するにはどうしたらいいのか？　という観点があるように感じる」
三田「僕の中で『バスの行き先理論』というのがある。バスには行き先がはっきり書いてある。逆に書いてなければ乗客は不安になる。『砂の栄冠』も目的地を甲子園としているから、読者も乗りやすい」

岩崎「三田先生はキャラクターや会話にテクニックがある。キャラがはっきりしていて、会話がテンポよく弾む」
三田「まずつくるものを頭に描いて、そこにダメ監督だったり、父母会のゴタゴタだったりというアイテムをはめ込んでいく。そうやってストーリーを作るからそう見えるのかもしれない」

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三田「岩崎さんがドラッカーと会うきっかけは？」
岩崎「５年ぐらい前にFF11というオンラインゲームを夢中になってやっていた。パーティーのリーダーになってモンスターを倒していくが、なかなかうまくいかない」
岩崎「そんな時、同じリーダーとして遊んでいる人のブログを見たら、『ドラッカーを参考にしている』と書いてあった。これはと思って、次の日『マネジメント』を買ったのがきっかけ」

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三田「それがどうやって『もしドラ』に？」
岩崎「その頃『ダヴィンチ・コード』が流行っていたが、ダヴィンチと殺人事件を組み合わせるだけであれだけ興味を引く。異色のものを組み合わせるやり方がヒットすると思った。それでドラッカーと女子高生に結びついた」

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三田「岩崎さんの中で、女子マネはどんな位置づけ？」
岩崎「女子マネに役割を与えてあげれば、もっとやると思う。例えば相手のクセを見抜くとか。プレー経験がなくても重要な役割ができるはず。作品を通じて、女子マネの地位向上という思いも込めている」

というわけで、岩崎さんの高校野球への思いや、三田先生のストーリー作りについてわかる対談でした。
意外と言ったら失礼ですが、岩崎さんは昔からの濃い高校野球ファンでした。三田先生とそのへん盛り上がった感じですね。

三田先生の発言の中で重要なのが『バスの行き先理論』。確かに、たいていの三田作品は終着点が決まっています。で、そこに向けてエピソードを要所要所に盛り込んでいくと。
クロカンもそうですが、かなり後の伏線もきっちり書いてあるんですよね。

そこからあえて脱線させるのを得意とする作家さんもいますが、三田先生には似合わない。

「砂の栄冠」もおそらくラストはしっかりと決まっているはず。そこに到着するまでにどんな風景が見えるか、一乗客として楽しみにしてます。

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