新見vs富山商(全国高校軟式野球選手権大会決勝)
Author: 惣一郎
☆明石公園 2007年8月29日
富山商 000000000=0
新見_ 00200010×=3
▽三塁打 赤木(3回)
▽二塁打 丸山(3回)
◇富山商
(中)丸山
(遊)寺島
(三)土田
(捕)安土
(一)中道
(左)中川
(投)東海
(右)佐伯
(二)浜谷
◇新見
(中)渡辺
(右)田辺
(左)森口
(二)谷
(遊)赤木
(捕)岡崎
(三)千原
(投)元家
(一)槙原
2007年8月29日。
この日のことを、私は一生忘れないでしょう。
新見高校野球部、全国大会初出場初優勝。
岡山のチームスポーツが全国制覇するところを生で見ることができて、非常に幸運でした。
新見の戦いぶりはこれまでと同じ。
よく言えば普段通り、悪く言えば淡々と、気がつけば富山商業を完封していました。
勝利の原動力となったのは、背番号14ながら実質エースの元家。
あまり大きく踏み込まないキャッチボールのような投法ですが、緩急をつけて打者を打ち取ります。
ひたすら淡々と投げ続け、ゲームを作ります。
3回裏。2死一、二塁から5番・赤木がレフトの頭上を越える三塁打を放ち2点を先制。
あとは鉄壁の守備でひたすら守ります。
4回表、富山商は安土が三盗を仕掛けますが、岡崎捕手の正確なスローイングに刺され失敗。
6回表、1死一、三塁のチャンスを作りますが、3番・土田が1-6-3の併殺打。
7回表、新見の千原が2つのサードゴロを捌きます。軟式らしく前に出るアグレッシブディフェンスが持ち味。
7回裏、新見がだめ押しの1点を奪います。
8番・元家がセンター前ヒットを放つと、打席には9番・槙原。
隻腕ながら1番・渡辺以上の俊足の持ち主。
新見がとった作戦はバント。槙原は左手一本だけで転がすと、これが内野安打。
続く渡辺が進塁打。田辺がライトへ犠牲フライを放ちます。
点の取りにくい軟式では3点はセーフティリード。
が、新見は最後まで気を緩めません。
9回表、富山商は先頭の寺島が内野安打。
続く土田はファーストゴロ。
ここで魅せたのが槙原一塁手。
片腕というハンデを俊敏なグラブトスで補ってきた彼ですが、ここでも練習の成果を発揮。
ゴロを拾い上げると、
ボールを空中へ投げ上げグラブを捨て、
ボールをつかんでショートへ送球、まず1死。
そして打者走者も一塁でアウト!
このダブルプレーで富山商は万事休す。
最後の打球はサードへのゴロ、千原が捌き、一塁へ送球。
槙原がつかんで試合終了。
派手さはありませんが、それは彼らが強かったことの裏返し。
新見の優勝は、硬式の佐賀北のようにビッグニュースにはならないかもしれません。
でも、この日球場に集まった人々、岡山でテレビで見ていた人々の心に残ったことでしょう。
おめでとう、新見。
福島監督、武下先生、お疲れ様でした。
そして、部員14人ながら準優勝した富山商も見事でした。
エース東海は4試合37回全てを投げ抜きましたが、あと一歩及ばず。
ブラスバンドの応援も素晴らしかった。さすがは伝統校です。
両チームどちらにも、ありがとうと言いたいです。
☆新見高校優勝の軌跡
岡山県大会
7-0 吉備北陵
5-3 関西
5-3 岡山理大付
東中国大会
7-0 八頭
2-0 矢掛
4-0 倉敷工
全国大会
5-4 本荘(秋田)
2-1 日大三(東京)※延長12回
2-1 羽黒(山形)
3-0 冨山商