鳴門工業vs関西(選抜高校野球大会準決勝)
Author: 惣一郎
☆甲子園 2002年4月4日
鳴 0001000002=3
関 0000010000=1
=延長10回=
▽二塁打 梅原健(4回)佐伯(9回)
▽失策 鎌口(4回)谷(6回)松崎(10回)万浪(10回)
▽ボーク 丸山(4回)
◇鳴門工
(中)佐坂
(二)泉
(遊)谷
(左)梅原健
(捕)浜永
(一)山北
(三)新原
(投)丸山
(右)中西
◇関西
(中)多胡
(二)水北
(投)宮本
(捕)万浪
(三)田井
(左)佐伯
(右)鎌口
(一)森本
(遊)松崎
正直、この試合は最後は見ていたくなかった。
優勝すると思っていた関西が負けるところは……。
準々決勝は大勝し、残る強敵は神宮大会でぶつかった報徳学園のみ。
その手前で関西は負けました。
鳴門工は失礼ながら伏兵。
ですが、今日の試合運びでは関西の方が弱かった。
まずは左腕エース宮本の不調。
1、2回戦完投、準々決勝もほとんどを投げた疲労。
そして、主将で3番とチームの軸だったこと、選手宣誓をつとめた精神的消耗。
それがピッチングに現れていました。
普段とは違って制球に苦しみ、毎回のように走者を背負います。
三者凡退は初回のみ。
鳴門工はスラッガーはいませんが(強いて言えば山北)、単打で出塁し、宮本にプレッシャーをかけます。
宮本の不調は打線にも伝染。
加えて、この日は鳴門工エース丸山の制球が抜群でした。
関西の角田監督いわく「ウチは四球が絡まないと得点できないチーム」。
ストライクの先行する丸山の前に、なかなか塁に出られません。
宮本は主将だけに気負っていたようです。
それが現れたのが6回裏の攻め。
無死二塁で自ら同点タイムリーを放った後、盗塁を仕掛け、失敗。
鳴門工バッテリーは隙を見せません。
9回裏、佐伯が二塁打を放って初めて丸山をとらえかけますが、すでに2死なのが痛かった。
続く鎌口が凡退し、延長戦に入ります。
直後の10回表、鳴門工は1死から失策、ヒット、四球で満塁。
ここで新原がスクイズを敢行。
宮本が機敏に反応し、捕手の万浪にグラブトス!
この身のこなしは今でも覚えています。
万浪がミットに当ててこぼしてしまったことも。
勝ち越した鳴門工は、さらに丸山が連続スクイズ。
消耗した関西バッテリーはこれを防げない。
今日の丸山では2点差は絶望的。この時点で勝負ありでした。
宮本はピッチャーとして完成度が高く、うまさのある打撃も素晴らしい選手です。
でも、彼がらしさを失った時、チームでカバーすることはできませんでした。