海星中vs常葉学園橘中(全国中学軟式野球大会決勝)
Author: 惣一郎
☆倉敷マスカット 2010年8月22日
海 0010000=1
常 000200×=2
▽二塁打 海1、常2
※中学野球なので、選手名の一部は伏せます。
◇海星中(三重)
(右)*本
(三)*本
(投)*中
(左)*井
(捕)*田
(遊)**川
打 *本
(二)*田
打 *島
(一)*田
(中)*南
◇常葉橘中(静岡)
(遊)*場
(二)*坂
(投)*島
(捕)*部
(左)*代
(三)*村
(右)*橋
(中)*中
(一)*合
マスカットにて中学野球の決勝を観戦。
甲子園で固定されている高校野球と違い、中学野球は各地の回り持ちで開催する形式をとっています。
決勝に勝ち上がったのはどちらも東海勢。
東海といえば、昨年、一昨年と静岡の東海大翔洋中が準優勝しています。
高校野球でも近年レベルが高い東海地区ですが、中学も例外ではないようです。
ちなみに東海地区予選では、常葉橘が7−0と大差で海星を下しています。
海星のリベンジなるか、橘が返り討ちにするか。
ファイナルの一戦、先発はどちらもエースナンバー。
橘のエースは右の本格派。足を大きく踏み出し、帽子がずれるほど体をダイナミックに使って投げ込みます。
持ち玉はまっすぐとカーブでしょうか。
海星のエースはサウスポー。
足を踏み出す間は非常にゆっくり、しかし腕の振りは早いという独特のテンポで投げます。
こちらも変化球はブレーキのかかったカーブ。
オーソドックスな左投手です。
二人の共通点はトータルで優れていること。
投手といえば球速や制球以外にも牽制やフィルディングといった要素が重要ですが、
両者ともそつなくこなします。
海星のエースは2度も牽制で走者を殺しました。
橘のエースは3回、スクイズを素早く処理して突っ込んできた三塁走者をアウトにしています。
さすが、トーナメントを勝ち上がるだけに総合力があります。
アウトコースや変化球の制球はかなり荒れていましたが、そこは中学生に要求するのは酷なのかな?
審判も左右のジャッジは投手に甘めだった気がします。
試合が動いたのは3回表。
海星は下位打線で1死一、三塁のチャンスをつかむと、打者は1番に。
ここでセンターを越える二塁打が飛び出し、1点を先制します。
なおも1死二、三塁でしたが、2番のスクイズが上手く処理され得点ならず。
橘が最少失点で切り抜けます。
4回裏、橘は先頭の1番がレフトライン際に落ちる二塁打。
犠打、四球で1死一、三塁とします。
4番はあっさり三振しますが、5番が右中間に二塁打。
一気に二人が生還!
軟式野球にしては豪快な返し方で逆転します。
橘は打力に自信があるのか、2回も無死一塁で強攻という場面がありました。
このへん、フルスイング野球の常葉菊川高校の影響を受けているのでしょうか。
そこからは橘のエースがふんばります。
疲労からか下半身が使えなくなっていたのですが、守備が助けます。
5回2死、センターへ抜けようかというゴロをセカンドが好補すると、膝立ちでファーストへ。
ファーストも股割りでしっかり捕球。
6回は先頭の2番に粘られますが最後はインコースで三振。
そして最終回となる7回表。
先頭の5番が右へ強烈なライナーを放ちますが、またしてもセカンドがジャンプキャッチ。
これで勝負ありと思えるようなファインプレー。
海星は代打攻勢をかけますが、内野安打で走者と出したのみ。
最後は8番がショートゴロに倒れ、見事に橘が逃げ切りました。
チャンスに強い打線と、崩れないピッチャー、穴のないディフェンス。
橘、まさしく強いチームの見本といえるでしょう。
彼らの3年後も楽しみです。
硬式出身の選手も加わるから、単純にはいかないでしょうが。