河原和音「青空エール」60話感想(別冊マーガレット2014年4月号)
毎月恒例、「青空エール」の感想です。



<嘘あらすじ(ジョジョ5部風)>
小野「こいつにトランペットを吹かしてやりたいんですが かまいませんね!!」
※こいつ=葛西さん

水島は何も質問するわけでもなく
かといって嫌悪の表情もなく、楽器倉庫に置かれた予備のトランペットを
うすぎたない小娘の前にさし出した。

そして1週間後……、葛西は
吹奏楽部の顧問『杉村』に会いに行き……、オーディションに『合格』したのだった。

※別に葛西さんはうすぎたなくはありません

まともなあらすじはカテゴリを読んでください。

<ネタバレ全開あらすじ>

吹奏楽部は春合宿開始。
つばさたち3年にとっては最後となります。

行きのバスにて、それぞれ意気込みを語る3年生。
チューバの三石さんが久々に出ている。名前は出てないけど、多分そう。

つばさも「去年はメンバー落ちだったり全国で銅だったのが悔しかったので 合宿で必ず何かつかんで帰ります」と宣言。
なんか、顔というかタッチが微妙に違うような。
もともと作風なんて描きながら変わるもんですけど(ジョジョの荒木先生とか顕著だ)、意識して大人びた感じにしてるような気もする。

合宿初日、まず今年の課題曲が杉村先生から発表。

「自由曲とのバランスを考えて Ⅱ番のマーチ『ブルースカイ』に決めました」

バランス、というのは難易度と時間、でしょうか。

まず自由曲がハイレベルなら、課題曲は比較的仕上げやすいものをチョイスすると思います。
そして課題曲と自由曲は合計12分以内に演奏しないといけないので、自由曲が長めなら課題曲は短め、となります。

しかしブルースカイというのは、現実では2007年の課題曲。
去年、作中で課題曲だった「さくらのうた」が2012年のものだったことを考えると、明らかに時間軸ねじれてますね。
まあ、本筋には関係ないってことで。

それに作品のタイトル「青空」入ってるし、最後はこの曲、と連載前に決めてたのかも。

そして、過酷な合宿の開始。

トランペットは、伝統のダッシュしてからのロングトーン。
慣れない1年は小刻みにインターバルとります。
冬の野外練習もそうだけど、これもなんか精神を鍛えるのがメインじゃなかろうか。

吹奏楽は腹筋を鍛えるとか、肺活量が大事とはいいますが、過剰にトレーニングする必要はありません。
普通に生活できる筋力があれば、あとは地道に練習すれば力はつきます。

吹奏楽部が腹筋やランニング、というのは部活独特の文化じゃないだろうか。
音大出の人から、そんな練習したって話は聞かないし。
演奏がうまくなるには、楽器を触った時間が長いほうがいいだろうし。
昔の野球部の水飲まない、と同種のような気もする。

でも、伝統にツッコミを入れるのは野暮というものです。

つばさの課題は音を飛ばすこと。
すでにピッチの安定はクリアしているだろうから、響かせる段階なのでしょう。

1,2年が有望なこともあり、つばさのメンバー入りは確定ではありません。
かなり危機感をもって取り組んでいるようです。

夜も1年生がもめるのを仲裁したり、つばさも最上級生らしくなってます。
1年生の揉め事の理由は「水島の誕生日が春か冬か」。

妄想でケンカて。思春期の女子らしいけど。直接聞けよ、本人に。
正解は10月26日。
俺と近いな。どうでもいいことですが。

同じく合宿中の山田も、メール打つ途中で寝るほど疲れているようです。

この漫画、カップルがじかに会うよりメールしてる場面の方が多い気がする。
中高生向け少女漫画にしては、硬派です。
そこが俺は好きですけど。

で、メールしてるところをパーカスの栗井とサックスの谷にいじられる。
この二人、珍しく登場人物紹介に出てきたと思ったら、久々にフォーカスされました。

谷「前から思ってたけど つばさってTpぽくないよね」
栗「旋律楽器って激しい子多くない?」

個人的な意見ですが、多いです。

フルートなどもそうだけど、曲で主役になりやすい、目立ちやすい楽器をやる人は、自己主張が強い人が多い。
一見おとなしそうな女子でも、上級生に堂々と意見を言ったりとか。
根拠なく自信があったりとか。

ちなみに谷はイケメン率の高さからサックスを選んだらしい。

サックスは、ジャズの印象で洒落た人がいるって印象ですね。
ただ低音のテナーサックスやバリトンサックスになると、音楽的には支え役なので地味な人もいる。

栗井「私はさー パーカス好きだし 誇りを持ってるよ」
パーカス(打楽器)は、これはもうわが道を行くタイプしかいません。

ティンパニ、グロッケン、シロフォン、マリンバ、バスドラム、スネアドラム、シンバル、銅鑼、木魚、トライアングル、マラカス、カウベル、エトセトラ、エトセトラ……。

打楽器は無数の楽器をとっかえひっかえして演奏する、器用さというかめまぐるしいパートです。
もうひとつきついのは、個人で楽器を持つのが難しいこと(金額もそうだが、置き場所に困る!)。

そんな茨の道のパートをあえて選ぶだけに、気骨のある人が多いです。
ジョジョ5部風にいうと覚悟してきてる人です。

ともかく、トランペットにしては、つばさは異質ってことですね。

そんな女子トークをしつつ、つばさは2年前、合宿で皆の輪に入れなかったことを思い出していました。
あのころとは違い、気心の知れた仲間です。

今年こそ、仲間といっしょにメンバーとして吹きたい、と気持ちを新たにするのでした。

ということは、栗井も谷もあとマルコ(この場面にいながらセリフなし)も、2年からコンクールメンバーなんですね。

再び練習シーン。

つばさは音だしで苦戦中。
音量をあげようとすると、ピッチが狂う。
チューナーを見ながらピッチを合わせようとすると、音が小さくなる。
プレーヤーなら誰でも直面する矛盾です。

ピッチャーが制球とスピードの両立に苦しむようなもんですね。乱暴なたとえですが。

隣で聞いていた葛西さん、
「今の音違うと思います」

度胸あるねこの子。3年生に対して。

つばさだからいいようなものの、相手によっては怒るか気を悪くしますよ。
彼女と香織先輩が世代的にかぶらなくて、よかったと思う。
いや、そもそも香織先輩には何も言えないか。

葛西さんの耳が高性能とはいえ、すぐに音量とピッチの両立が出来るわけもなく。
それでもメンバー入りのため、チャレンジするつばさ。

栗「めずらしく 音外してたじゃん 気合い入りすぎ?」
つ「改革中なの 今年はコンクールのメンバーになるから」
谷「ああ 全員のなごませ要員ね」
つ「ちがくてー」

それを聞いていたペットの1年(男子と葛西さん以外の3人)、何か思うところがある様子。

休憩中、つばさ達がトイレに行くと、先に1年生たちが会話してました。
中に入らず聞いていると……、

「水島先輩やっぱすごいねー」
「バンダ(離れた場所で演奏する小規模のアンサンブル)とか超かっこよかった~」
「私も水島先輩とコンクール出たい~」
「でも3年だし 今年しかチャンスなくない?」
「じゃあ今年メンバーになんないとダメってこと?」
「それはムリくさくない?」
「でもぶっちゃけ1stは瀬名先輩だろうけど 3rdはつばさ先輩に勝てばいいんでしょ?
「先輩はやさしいけど 楽器は大したことないよね」

女子こえー。いや、男子でもこういう会話するけど。
ポジション争いは悪いことじゃないんだから、思うだけにしとけばいいのに。
聞かれるかもしれない場所で、口に出しちゃうのがなあ。

もうひとつ怖いのは、腕組みしてる谷さんがサドっぽくて怖かったです。

つばさに気づいた瞬間、
「申し訳ありませんでした!!」と逃げ去る3人。
当然、その後の練習がなごやかなはずもなく……。

練習後の花火タイムで、水島
「1年となにかあったの?」
リーダーやるだけあって勘が鋭いです。

鈍い男子だと、女子のいさかいなんか気づかなかったりするからな。
瀬名は気づいてないだろうな。

経緯を話すつばさ。

「そーゆーのはオレも言ったし えらそうなことは言えないけど」
言うどころか、山田のおまもり投げ捨てましたよね、2年前。
「集団で何か言うのがやだけどね オレは」
ごもっともです。

つばさ自身は、時間が解決する、と事を荒立てる気はなかったのですが。

マルコが駆け寄って
「みんなが1年のTpの女子を呼び出してる」
女子こえー(2回目)。

で、行ってみると谷と栗井が問い詰めてる最中でした。
みんなっていうから、3年女子がずらずらいるのかと思った。

つばさは割ってはいると、自分に実力がないから言われた、自分が言わせてしまった、と1年をかばいます。

なんてできた性格の女子高生なんでしょうか。
逆に言うと、競争が常の部活動向きじゃない気もするけど。

「私 それでいいとは思ってないよ 全国で吹いても恥ずかしくない実力つけるから 信じて」
言いながら泣いてます。

で、その後はいつもの雨降って地固まる展開なのでカット。
というか湿っぽい場面を細かく描写するのもアレなので、実際に読んでください。

つばさのモノローグ。

私のもうひとつの夢
2年間一緒に泣いてわらって
練習してきたみんなと
つかみたい


部活って、いいなあ。

そして、帰り道のバス。
山田からのメールには
「6月から予選 そこからはもう1回も負けれない」

野球部はいよいよ3年最後の大会が始まろうとしていました。
北海道は、他県より予選開始が早いんですね。
参加校数が多いのと、地域が広いから。

最近 学校で見かける大介くんは
いつも試合中みたいな顔をしてた


ラストイヤーにかける山田。
つばさはどう見届けるのか。以下次号。

<感想>
今までも上級生と下級生の衝突は書かれてましたが、
今回は主人公が最上級生の立場になったときの話です。

正直、つばさのような対応は、なかなかできないと思う。理想ではあるけど。
下級生のときにひどい扱いをされたとしても、いざ上級生になると同じような事をしてしまうものです。
今月の谷、栗井の対応というのは、よくある話です。

みんな未熟な十代ですしね。
そのへんのリアルさがこの漫画のいいところだと思うし、
そこにちょっとさわやかさを加えて後味の悪さを残さない作風は、さすがベテランだと思う。

長くてよくわからなくなったけど、キャラクターの成長がよくわかるエピソードでした。

あと帰りのバスで、つばさにもたれかかるマルコがかわいい。そこは強引に水島の隣に座ってもいいのよ

<今月の河原先生>
ソチでカーリングのルールが少しわかるようになりました。

<俺物語18話2行感想>
猛雄の母ちゃん、無事女の子を出産。
この漫画、基本的に人間ができた人しか出てこないんだけど(猛雄は言動が規格外なだけで基本的に善人)、それでいて笑えてしんみりできるのがすごいと思う。

<宣伝>
単行本15巻は4月25日発売予定です。
| 漫画・本::河原和音「青空エール」 | 14:00 | comments (2) | trackback (0) |
コメント
ときぞうさん、こんばんは、惣一郎です。
毎月ありがとうございます。

1年生3人は、ずいぶん気安いですね。
それだけ3年生が親しまれているというか、舐められているというか。
しっかり反省してもらいましょう。

葛西さんがあのグループ入ってないのが、
若干ハブられているようで気になるところ。
そのへんが書かれるかは微妙ですけど。

昭和といえば、いま所属している楽団に大学4年の子と生まれた年の話になって、
「昭和5x年」って答えたら「昭和わからないです。西暦だと何年ですか?」と言われて
ショーック! でした。

彼らの記憶に「昭和」ってないんですよね。当たり前ですけど。

そんなジェネレーションギャップがあっても、
吹奏楽では気の合う仲間です。
音楽って、いいですね(強引な締め)。

そういえば春季大会はまだなんですね。
これでベスト8くらいには入らないと、現実的な甲子園は厳しいぞ。
城戸くん、ピッチングのシーンあるといいですね(多分ない……)。

それでは。
| 惣一郎 | EMAIL | URL | 14/03/16 22:12 | Hwu0GG0Q |
惣一郎さんこんばんは、ときぞうです。世間ではホワイトデーですが、作中ではすっ飛ばして新学期。てか春合宿。早ぇよ。

つばさも1年生のときは合宿用の服を買いに行く友達もいなけりゃ、居場所も無い。トイレで泣きながら大介にメールとか電話とかしてたのに。成長したなー。

今年の1年生はずいぶんはっきりとモノを言う子が揃いましたね。合宿中に先輩の誕生日云々で喧嘩してるのがありえない。瀬名くん達の代は無かったよなー。1つ年上と2つ年上ってやっぱり違うのかな。すっごい大人に見えるとか。にしても、アレ(トイレでの陰口)は無いわー。思ってても絶対言ったらだめ。そりゃ谷さんも怒るよ。もう怒ってもいいんだもん。なぜって3年生だから。

ザ・理不尽 それが部活。

私「おばさんが1年生の時なんて、3年生は雲の上の存在だったよ!気軽に話しかけるなんて絶対無理だったよ!」
1年「あー昭和はそうだったんですね(どうでもよさげに)」
私「高校生のころは平成になってたよ!!」

妄想劇場 終

大介ぜんぜん出てこなかったなー(笑)。あ!付き合ってない(両思いだけどな)から、出てこなくても大丈夫なのか!

まずは春季大会からですな。さらっと終わるだろうけど。がんばれ城戸くん!君のピッチングに懸かってる!

ではまた来月やってきます。
| ときぞう@道央 | EMAIL | URL | 14/03/16 21:17 | CKswhZig |
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