吾峠呼世晴「鬼滅の刃」傑作だと思う理由
本誌の最終回まで読んだ者の雑感。
鬼滅の刃はいかに傑作か、を語ります。

ネタバレ要素含みますので、ご注意。

まず言いたいのは、吾峠先生、編集さん、お疲れ様でした。
最後まで描き切ってくださり、ありがとうございました。


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◎ヒーローとは何か、という強いメッセージ
「鬼滅の刃」におけるヒーローとは

・弱い人、傷ついた人を助ける
・自分の力、才能を他人のために使う
・圧倒的に強い敵にも立ち向かい、逃げない
・最後まで全力を尽くし、知恵を絞り、あきらめない

才能ある者・肉体が強い者がヒーローじゃないんだと、
ヒーローは心のありようで決まるんだと、
繰り返し描いている。

昔の作品になりますが、
バトル系のジャンプ漫画では、結局血筋がモノを言う。

DBの孫悟空
⇒実は、戦闘民族サイヤ人。その中でも飛びぬけて強い超サイヤ人

幽遊白書の幽介
⇒実は、とてつもなく強い妖怪の隔世遺伝

封神演義の太公望
⇒実は、世界を最初に作った神様の生まれ変わり(みたいなもん)

炭治郎は違う。

ヒノカミ神楽と言われる父から教わった技はあるけど、
教えは断片的であり、それだけは鬼を倒せない。

縁壱のようにずば抜けた才能はなく、
肉体的にも特別恵まれていない。
彼の強さは、あくまでもたゆまぬ鍛錬・強い意志によるもの。

上記の3作品をけなしたいわけじゃないです。
むしろ、ジャンプ掲載時にリアルタイムで読んでたから、
今でも好きなんです。
長期連載による後付けで、やむを得ない面もあるし。

「鬼滅の刃」のヒーロー像がよく練られている、
という事を言いたい。

子どもたちは、炭治郎にあこがれるだけじゃなく、
彼のようなふるまおうと思えば、やれるのです。
ヒーローになれるのです。


◎悪=鬼とは
鬼滅は、「悪」=鬼たちの定義もわかりやすい。

・自分より弱い者には何をしてもいいと思っている
・自分が傷ついた分、誰かを傷つけていいと思っている
・自分の力は私利私欲のために使う
・自分のやったことをかえりみない、反省しない
・自分を正当化する

ほとんどの鬼は人間のときに可哀想な目に遭ってますが、
鬼になってからはひどい事しかしてないので、
読者は炭治郎たちを気兼ねなく応援できる。


◎様々な「愛」のかたち
鬼滅は様々な「愛」を描いている。
兄弟姉妹、親子、師弟、家族、夫婦、他にも珠世と愈史郎。
少年漫画でこういうクサいの苦手なんですけど、だんだん慣れてきましたね。

特にきょうだいは沢山出てきます。

竈門炭治郎と禰豆子はじめ、
胡蝶姉妹、不死川兄弟、時透兄弟、冨岡姉弟、継国兄弟、上弦の陸兄妹。
累の偽りの家族も入るかもしれない。

中には死ぬまですれ違ったままの兄弟もおります。
けれども、因縁を断ち切ることはできない。
良くも悪くも。

ここまで多様な「愛」を描く少年漫画も珍しい、と思う。


◎ストーリーテラー・吾峠先生
最初から読み返すと、
「始まりの剣士と竈門家」にまつわる話は、
初期から伏線を張っているのがわかる。

デビュー作「過狩り狩り」から、
ここまで膨らませてさらに描き切った。
初の連載で過不足ない回収、すさまじい才能。

人物描写でいえば、継国兄弟の
「あまりにも優れた才能には影がある」
「才能があるからといって幸福とは限らない」
この辺は、深いと思う。


◎魅力的な剣術&血鬼術バトル
小難しいことはわかんなくても、
個性的なキャラクターや剣術のバトルシーンで楽しめるのも、鬼滅の魅力。

ただ凄惨なシーンや流血のオンパレードなので、
小さい子が読んでも大丈夫なのかな、とは思う。
ドラゴンボールみたいに生き返る世界観でもないし、
子どもも無差別に死ぬし。

素晴らしいけれども、対象年齢は高めの作品であり、
万人向けするとは思っていません。
なので最近の多すぎるコラボは、ちょっとどうかなと思います。

でも、新型コロナウィルスで沈滞気味の経済を活性化できたのなら、
それはそれでいいのかな?


◎引っかかる点もありますが
すごくささいな点です。

玄弥はどうやって自分の能力に気づき、成長させたのか。

上弦の陸と肆の能力が少し似ていて、
続けて読むと「またか」って思っちゃうところ。

でもささいな点でして、鬼滅が傑作なことに変わりはないです。
家族や友達で語り合える、素晴らしい作品ではないでしょうか。

吾峠先生、次回作はいつかわかりませんが、いつまでもお待ちしています。
| 漫画・本 | 21:09 | comments (0) | trackback (0) |
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