2015,05,31, Sunday
2009年12月、小学館発行。安部結貴・作、大葉リビ・まんが。
わたしは働くうつウーマン
うつのエッセイ漫画といえば、細川貂々さんの「ツレがうつになりまして。」が有名ですが、
こちらも読みやすい「うつ」患者の漫画です。
筆者の安部さんはうつ歴15年のエキスパート(執筆時)。
その体験は壮絶なのですが、大葉リビさんのユーモラスな画風で暗さを打ち消しています。
安部結貴さんの作品の感想は、カテゴリからご覧ください。
◎作者さんの歩み
まずは、漫画から安倍さんの歩みを箇条書きで。
1963年生まれ
↓
20~30代 バブル時代に広告制作ディレクターとしてバリバリ働く。帰宅は毎日午前様
↓
「自律神経失調症」にかかり、会社を退職
↓
ハワイで静養
↓
帰国後、彼氏と同棲開始
結婚話はあったがうやむやになり、10年間同棲
↓
フリーライターとして活動開始
↓
頭痛と肩こり、孤独感に襲われる
「うつ病」発症
↓
オーバードースや包丁で自殺未遂
↓
「子宮筋腫」手術のため入院
病院ではうつ傾向が一時的になくなる
↓
退院後、再びうつ状態に。それでも生活のためライター業を再開
↓
彼氏の浮気が原因で別れる
1人で生活開始
↓
仕事中に発作に襲われる
「パニック障害」発症
↓
「うつ」は自分のキャラクターだと開き直る
寝たい時は寝る、休みたい時は休むように
↓
社交ダンスを開始、交流の輪が広がる
↓
低空飛行ですが、なんとか、たまには楽しく生きています(125p)
◎感想
一言、「壮絶だ」と思いました。
「自律神経失調症」
「うつ」
「子宮筋腫」
「パニック障害」
さらに、一人暮らし、不況の出版業界で明日なきフリーランス。
現在も抗うつ薬が手放せない状態。
よく生きていると思う(121p)
そんな自分をネタに一冊書くくらいでないと、
フリーランスはやっていけないの、かも。
大葉リビさんがコミカルなタッチで描いているので、
読みやすくなってますが、同じ病気持ちとしては笑えない。
どこかのタイミングで死を選び、年間約3万と言われる自殺者の1人になってもおかしくない。
安部さんがどう乗り切っているかというと「受け入れること」でした。
これはわたしのキャラなんだと思うことにしたのです。
面倒なキャラだけどしようがない。
持病なのだから、無駄な抵抗はやめよう。そういう自分を受け入れよう。
(中略)
その結果、徐々にだけれど、わたしは強くなってきた。
それでいいと思うのです。(120p)
老子76章の「強大處下 柔弱處上」に近いかもしれません。
意味:堅く強い木は、脆く折れやすい。柔らかく細い草は、受け流して生き延びる……かなり意訳。
「うつになるなんて、自分はダメな奴なんだ、治さなきゃ」と思って抵抗するより、
「うつなんだから仕方ないじゃん。たまに落ち込む日もある。寝込む日もある」と思う。
うつなら、うつなりに気楽に生きた方がいい。
そんなことが書いてあります。
人生、時には逃げたっていいんだよ。
それが数年かかっても、もしかして一生ものになったとしても、
上手くつき合っていけたら、それでいいじゃないか。(7p)
◎余談:彼氏について
文中では一貫して「ヤツ」と書かれている、元彼氏。
「キミの面倒を見るのに疲れて」浮気したわけですが、
浮気は許せることではないが、疲れたのはわかる。
うつの人は面倒くさいから。
落ち込んで愚痴をこぼし、寝込んで家のことは何もできない。
健康な人から見ればお荷物でしかない。
身の回りのことをしてあげても、まず感謝の言葉はない。
時には自殺未遂もする。止めると逆に恨まれる。
突然、かんしゃくを起こすこともある。
自分のことしか考えられない、わがままな状態が「うつ」です。
「うつ」は家族でも抱えきれない事がある。
赤の他人が面倒見切れなくなっても、それは仕方のないこと、と思います。
この点は同情する。
◎余談:自立支援医療費(精神通院)支給認定について
別の記事で書きましたが、医療負担が3割から1割になる制度です。
扱いは自治体によって異なるので注意。
精神科、心療内科なら、大抵の病院で教えてくれます。
もし、教えてくれなかったら、その病院はやめた方がいいですね。(67p)
この制度を利用するには、かかりつけ医の診断書が必要。
診断書は何十項目もある、非常に面倒なものです(診断書代は実費で高いけど)。
2,3回病院に通って「自立支援医療費」の話が出なければ、
その先生は面倒くさがりか不勉強です。
安部さんの書かれている通り、やめた方がよいでしょう。
わたしは働くうつウーマン
うつのエッセイ漫画といえば、細川貂々さんの「ツレがうつになりまして。」が有名ですが、
こちらも読みやすい「うつ」患者の漫画です。
筆者の安部さんはうつ歴15年のエキスパート(執筆時)。
その体験は壮絶なのですが、大葉リビさんのユーモラスな画風で暗さを打ち消しています。
安部結貴さんの作品の感想は、カテゴリからご覧ください。
◎作者さんの歩み
まずは、漫画から安倍さんの歩みを箇条書きで。
1963年生まれ
↓
20~30代 バブル時代に広告制作ディレクターとしてバリバリ働く。帰宅は毎日午前様
↓
「自律神経失調症」にかかり、会社を退職
↓
ハワイで静養
↓
帰国後、彼氏と同棲開始
結婚話はあったがうやむやになり、10年間同棲
↓
フリーライターとして活動開始
↓
頭痛と肩こり、孤独感に襲われる
「うつ病」発症
↓
オーバードースや包丁で自殺未遂
↓
「子宮筋腫」手術のため入院
病院ではうつ傾向が一時的になくなる
↓
退院後、再びうつ状態に。それでも生活のためライター業を再開
↓
彼氏の浮気が原因で別れる
1人で生活開始
↓
仕事中に発作に襲われる
「パニック障害」発症
↓
「うつ」は自分のキャラクターだと開き直る
寝たい時は寝る、休みたい時は休むように
↓
社交ダンスを開始、交流の輪が広がる
↓
低空飛行ですが、なんとか、たまには楽しく生きています(125p)
◎感想
一言、「壮絶だ」と思いました。
「自律神経失調症」
「うつ」
「子宮筋腫」
「パニック障害」
さらに、一人暮らし、不況の出版業界で明日なきフリーランス。
現在も抗うつ薬が手放せない状態。
よく生きていると思う(121p)
そんな自分をネタに一冊書くくらいでないと、
フリーランスはやっていけないの、かも。
大葉リビさんがコミカルなタッチで描いているので、
読みやすくなってますが、同じ病気持ちとしては笑えない。
どこかのタイミングで死を選び、年間約3万と言われる自殺者の1人になってもおかしくない。
安部さんがどう乗り切っているかというと「受け入れること」でした。
これはわたしのキャラなんだと思うことにしたのです。
面倒なキャラだけどしようがない。
持病なのだから、無駄な抵抗はやめよう。そういう自分を受け入れよう。
(中略)
その結果、徐々にだけれど、わたしは強くなってきた。
それでいいと思うのです。(120p)
老子76章の「強大處下 柔弱處上」に近いかもしれません。
意味:堅く強い木は、脆く折れやすい。柔らかく細い草は、受け流して生き延びる……かなり意訳。
「うつになるなんて、自分はダメな奴なんだ、治さなきゃ」と思って抵抗するより、
「うつなんだから仕方ないじゃん。たまに落ち込む日もある。寝込む日もある」と思う。
うつなら、うつなりに気楽に生きた方がいい。
そんなことが書いてあります。
人生、時には逃げたっていいんだよ。
それが数年かかっても、もしかして一生ものになったとしても、
上手くつき合っていけたら、それでいいじゃないか。(7p)
◎余談:彼氏について
文中では一貫して「ヤツ」と書かれている、元彼氏。
「キミの面倒を見るのに疲れて」浮気したわけですが、
浮気は許せることではないが、疲れたのはわかる。
うつの人は面倒くさいから。
落ち込んで愚痴をこぼし、寝込んで家のことは何もできない。
健康な人から見ればお荷物でしかない。
身の回りのことをしてあげても、まず感謝の言葉はない。
時には自殺未遂もする。止めると逆に恨まれる。
突然、かんしゃくを起こすこともある。
自分のことしか考えられない、わがままな状態が「うつ」です。
「うつ」は家族でも抱えきれない事がある。
赤の他人が面倒見切れなくなっても、それは仕方のないこと、と思います。
この点は同情する。
◎余談:自立支援医療費(精神通院)支給認定について
別の記事で書きましたが、医療負担が3割から1割になる制度です。
扱いは自治体によって異なるので注意。
精神科、心療内科なら、大抵の病院で教えてくれます。
もし、教えてくれなかったら、その病院はやめた方がいいですね。(67p)
この制度を利用するには、かかりつけ医の診断書が必要。
診断書は何十項目もある、非常に面倒なものです(診断書代は実費で高いけど)。
2,3回病院に通って「自立支援医療費」の話が出なければ、
その先生は面倒くさがりか不勉強です。
安部さんの書かれている通り、やめた方がよいでしょう。
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