ブラッド・ピット「マネーボール」
1週間も前ですが、六本木のTOHOシネマズにて「マネーボール」を鑑賞。
東京映画祭というイベントで先行公開されるというので、行ってきました。
MLBで快進撃を起こしたチームの実話。主演はブラッド・ピット。

<あらすじ>
2001年のシーズンオフ。オークランド・アスレチックスは弱体化の危機にさらされていた。
ジアンビなど主力メンバーが高額で金持ち球団に引き抜かれ、補充をしようにもアスレチックスには資金がない。
選手上がりのGM、ビリー・ビーンは、主力の穴を出塁率の高いメンバーで補おうとする。
チーム内からは反発、マスコミからは酷評される「マネーボール理論」は果たして通用するのか……。

感想は以下で。

冒頭、いきなり「アスレチックスはヤンキースに心臓を、レッドソックスに肝臓を提供している」という過激発言。
FA選手を高額で獲得することを言ってるのでしょうが、映画とはいえよくこんなセリフが言えたもんです。
日本では絶対できないでしょう。
だって、長嶋一茂が阪神のストッパーを演じた「ミスター・ルーキー」ではジャイアンツのチーム名が使えずガリバーズだったし。

「マネーボール理論」は、映画では大体以下のように説明されてました。
(1)守備や打力より出塁率の高い(よく四球を選ぶ)選手を重視
(2)盗塁はしない、バントはしない(アウトになるか、可能性が高いから)

監督はこの理論を無視し、従来と同じオーダー・戦法で戦おうとしますが、ビーンは選手を無理矢理放出。
(1)の条件を満たすスコット・ハッテバーグデービッド・ジャスティスなどの選手が起用され始めると、アスレチックスは勝ち始めます。

最終的にはシーズン中に19連勝も記録。
が、ビーンはアスレチックスの試合はなぜか見ようとせず、試合中は移動したりジムでトレーニングしたりします。
どうも自分が行くと負けるためらしい。

20連勝のかかった試合は、気を変えて観に行きますが、なんと11点差を追いつかれてしまう。
しかし9回裏にハッテバーグのサヨナラホーマーが飛び出す劇的勝利。
「ほんとか〜?」と思いましたが、実話なんだから本当なのでしょう。

最終的にはアスレチックスはプレーオフで敗退し、「やっぱり理屈では勝てなかった」とマスコミはビーンを酷評。
ですが、その2年後、「マネーボール理論」を取り入れたレッドソックスがワールドシリーズを制覇。
(地区優勝シリーズでヤンキースに3連敗の後4連勝して話題になりましたね)
ビーンの正しさを証明します。

映画はそこで幕。

見て思ったのは、野球には「リクツ」と「ドラマ」両面があるということ。
出塁率の高さを買われたハッテバーグがまさかのホームランを打ったように、何が起こるかわからないドラマ性。
一方で、勝つ確率を上げるために数字を重視するのも間違ってはいません。

数字とドラマ、両方から楽しめる野球は素晴らしい、ってところでしょうか。

<余談1>
観客の笑い声が非常にうるさかった。
海外ドラマで笑うシーンに「わざとらしい笑い」が入るみたいに、笑いどころであからさまに笑い声がするんです。
もうちょっと、静かに見たい人の事も考えていただきたい。
六本木のTOHOシネマズだから外国人が多かったのか?
とすると、海外の映画ではギャグシーンにいちいち声で反応しないといけないの?

<余談2>
ピット演じるビーンが紙コップにしょっちゅうツバを吐いていた。
それとも、あれは噛んでいたガムだったのか。
何にしても汚いな〜、と思いながら観てました。

ちなみに、2001年、02年のアスレチックスについてはトータルベースボール研究所内の下記ページが詳しいです。
2002年メジャーリーグ分析
2001年メジャー・ストーブリーグ
| 映画 | 23:44 | comments (0) | trackback (0) |
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