大河ドラマ「平清盛」49話「双六が終わるとき」感想
いつもは書かないのですが、今週の大河ドラマ「平清盛」の感想をば。
なんでかというと、釈然としないものが多すぎたから。

視聴率がどうれあれ、毎週楽しんで見ていた「平清盛」。
しかし、今週の49回「双六が終わるとき」は……なんだろう、ダメでした。
「それでいいのか」と思うシーンが多々あった。

ちょっと書き出さないと気が済まないので、書きます。
嫌な気分になりそうな人は続きを読まないでください。

(1)昔を思い出す人多数
時子は清盛との出会い(ノグ○)を回想。
後白河院と清盛は、双六勝負をしながら、これまでの二人を回想。

激動の時期、描くことはいくらでもあったはず。
そりゃ劇中で流れた時間は、大河ドラマの1話ぶんにしては短い(1181/治承5年の1月〜清盛が熱病で倒れる2月26日)。
源氏の快進撃を描こうにも、義経、義仲の有名な合戦は清盛死後だから難しいのはわかる。

でも、締めくくりの50話に向けてそれぞれの人物の行く末を描けたでしょう。
一門から離れる頼盛とか。
知盛も見せ場作ってあげないと、「碇知盛」だけになる。
主役以外にも魅力ある脇役多数の「平清盛」だからこそ、勿体ない。

なんか、閉店1時間前なのに店じまいの支度を始める「やる気のない田舎のレストラン」みたいで、
そりゃねえだろ、と思った。

(2)全然枯れてない西行と堀川局
西行が統子内親王の歌会に呼ばれたのをきっかけに、すっかり白髪の堀川局と再開。
60は過ぎているであろうお二人が、若い頃の逢瀬を思い出して「夜通し歌合わせ」します。
絶対それだけじゃないでしょ。西行の堀川局の手を取る仕草がなまめかし過ぎ。
なぜ、こんな黄昏流星群を入れる必要があった。

西行自身が言ってるように、「人間性根は変わりません」ということか。
これじゃあ清盛の欲を批判できる立場じゃない気がする。

ところで西行と堀川局の「一夜」のシーンの直後が平家の半裸武士の相撲だったのは……、
その、「中和」したかったんでしょうか。

(3)「天下を取る器だと思った」
梶原景時が、石橋山の合戦で敗走する源頼朝を見逃した理由らしい。
そんなもん、見てわかるもんかなあ。
この時点の頼朝、取り柄は血統だけなのに。

人間、もうちょっと実利で動くと思うんですよ。
まして一族を預かる武将、世の中が大きく動いている時です。
なんで「恩を売っておこうと思った」とふてぶてしく言わせなかったんだろう。

(4)頼朝のエア矢
鎌倉から、はるか京の都に向けて「エア矢」を放つ頼朝。
政子、義経、弁慶、その場にいた誰もがわけわからんかったに違いない。
前回のいきなり腹を抑える仕草と合わせると、「武将を束ねるストレスか……」「ニート生活から急に張り切るから……」と思われても仕方ない。

清盛が鳥羽院を「エア矢」で射たシーンは、確かにシュールで鳥羽院@三上さんの演技とあいまって面白かった。
でも、それを繰り返すと芸人の一発芸と同じで飽きます。

(5)嬉しそうな清盛
頼朝が鎌倉に拠点を築いていると聞くと、すごく嬉しそうな清盛。
宿敵の一族の棟梁、というより親友の息子、という視点らしい。

頼朝は頼朝で「清盛のおじさん、ボクもおじさんに負けない国作りをしてみせるよ」てな感じで、
シンパシーありあり。
遠く離れているけどお互いを思っている恋人みたい。

でも清盛の最期のシーンで「頼朝の首を捧げよ」と有名なセリフは言わせるらしい。
矛盾してないか。

(6)伊勢の西行の庵に現れる清盛
本人は京で熱病に倒れており、西行と会っているのは生き霊らしい。
霊が出てくるのは大河ドラマのお約束だけど(毛利元就のラストなんか霊のオンパレードだったし)、
本人が生きてて幽体離脱するのは初、なのだろうか。
それにしても堂々とした生き霊? でしたねえ。

まあ、これ自体はいいか。(1)〜(5)に比べれば。
これを最終回でどう料理するかによるけど。

<まとめ>
1話から欠かさず見ていた「平清盛」。
視聴率がふるわなくても気にしなかったし、あまり取り上げない時代なので時に調べものをしたりしながら見てきました。
そうさせるだけの魅力はあったと思う。
脇役まで大事にしてたし、後々意味を持つセリフも多かった。

ただ、時々腑に落ちないシーンがあったのも事実。
やたらと「面白き事」と具体性のないワードを連発する清盛とか。
あまり大和田泊や福原京の建設シーンが出てこないところとか(海賊船や保元・平治の乱でお金使っちゃったのか……)。

それがあまりにも積もったので、列挙しないと気持ちが抑えられませんでした。
今回も楽しんで見た方はすみません。
色々書きましたが来週の最終回も見届けます。
| ドラマ | 23:00 | comments (0) | trackback (0) |
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