高校野球・夏の独自大会26番勝負
夏の地方大会がなくなり、都道府県ごとに独自大会を開催。
バーチャル高校野球でネット配信されてたこともあり、
在宅ワークのかたわら観ていました。

いくつか、印象的な試合を取り上げます。
自分が観た試合はほんの一部です。
また、記録も間違っている可能性あり。
その点はご了承ください。

本文の前に。

選手の皆さん、
チーム関係者の皆さん、
各都道府県高野連の皆さん、
ネット配信に尽力された皆さん、
お疲れ様でした。
そして、ありがとう。

夏はやっぱり高校野球です。

(1)7/20 大分大会2回戦
日本文理大付3-0大分商


大 000 000 000=0
日 010 200 00x=3

大:渡辺、川瀬-末田
日:木下-藤本
本塁打:比嘉(日)

春のセンバツ代表・甲子園交流試合出場予定の大分商が敗退。
甲子園クラスの強豪でも、夏の初戦は難しい。
エース川瀬の無失点リリーフも及ばず。

文理大付の岩田くん、バットを傾けて揺らす独特の構え。
解説の方が「日本刀のようだ」と言ってて、確かに眠狂四郎の円月殺法のようでした。


(2)7/21 奈良大会2回戦
智弁学園11-4橿原


橿 100 020 10 =4
智 401 003 21x=11
8回コールド

橿:榊、杉浦-清村
智:小西、北、岡田、國松-田上、佐藤
本塁打:三田、大橋(智)

6回に橿原が満塁のチャンスを作りましたが、無得点。
直後に失点し、押し切られました。

結果はコールドでしたが、中盤まではわからなかった。
センバツ代表校相手に番狂わせがあったかも。


(3)7/28 大分大会準々決勝
津久見8-6日本文理大附


日 210 010 110 = 6
津 601 001 00x = 8

日:木下-藤本
津:林田、安部-薬師寺、柳生

津久見が初回に6点とるが、文理大附のサウスポー木下が持ち直す。
乱打戦ではなく締まった戦い。
9回、津久見はランナーを許し、捕手・薬師寺が足をつる? アクシデント。
サード柳生が急遽マスクをかぶって逃げ切り。

実況によると、津久見のエース安部と柳生は特別なチームメートとの事。
そんな2人が土壇場でバッテリーを組むのにドラマを感じる。

控えの選手がスタンドで大声出してて、
でもちゃんとマスクをし、選手の間隔を数メートル空けてました。
蒸し暑い中でしんどいと思いますが、
配慮が行き届いてて素晴らしいですね。
数イニングおきの給水タイムもナイス。


(4)7/28 長崎大会準々決勝
波佐見4-3長崎西


長 100 100 001 = 3
波 000 100 012x = 4

長:山下堅-村川
波:赤木、牟田口、平石、赤木-渕

終盤、波佐見が打ちあぐねていた長崎西の長身サウスポー山下をとらえる。
9回表に満塁のピンチも1失点で切り抜け、その裏逆転サヨナラ。
リリーフが押し出しから崩れなかったのがすごい。

センバツ代表校・創成館を下した長崎西、進撃もここまで。


(5)7/30 岐阜大会準々決勝
岐阜第一10-9帝京大可児


岐 230 201 101 = 10
帝 000 070 002 = 9

岐:柴崎、阪口-田村、楠
帝:足立、平良、加藤翼-森
本塁打:阪口2、島辺

激しい点の取り合い、最後の決め手は守備力。
9回裏1点差で1死一三塁。
左飛から無駄のない中継プレーで三走が本塁憤死。

7点差を一時追いついた可児も見事。
第一の4番阪口が、可児のエース加藤から打った本塁打も素晴らしかった。

最近の高校野球は、150キロ前後のボールを投げても、
牛耳るどころかホームラン打たれてしまう。
甲子園じゃなく、地方大会での話です。


(6)7/31 京都大会ブロック決勝
龍谷大平安7-0京都成章


龍 202 000 3 = 7
京 000 000 0 = 0
7イニング制

龍:西本、坂尾、松本-田島
京:小宮山-中井

京都は8ブロックに分けて実施。
よって、両チームの3年はこれが最後の試合。

最後の7回は、緊迫感より名残惜しむような雰囲気でした。
平安は、継投のノーヒットノーランで有終の美。


(7)7/31 鳥取大会決勝
倉吉東7-5鳥取城北


倉 000 204 100 = 7
鳥 003 001 010 = 5

倉:桑本-金居
鳥:松村、寺坂、中川-安保

無失点で勝ち上がってきた鳥取城北、
決勝は打たれてしまいました。

実況で気になったのが、「○○選手は県外出身、××選手は県内……」という表現。
地方の私立あるある。


(8)7/31 奈良大会準々決勝
高田商13-6橿原学院


高 920 010 1 = 13
橿 020 013 0 = 6
7回コールド

高:岩井-高岡
橿:豊田、戸田、海出-大石
本塁打:植村(高)、龍田(橿)

最終的にはコールドなんですが、
橿原は何度も走者を溜めており、
ヒット1本でひっくり返りそうな緊張感がありました。

高田商も手を緩めず、岩井投手の粘りの投球が見事。


(9)8/1 大分大会決勝
津久見2-1大分舞鶴


舞 100 000 000=1
津 100 000 01x=2

舞:新名、木村-山路
津:林田、安部-薬師寺

津久見、8回裏に木村からスクイズで勝ち越し、
9回は守護神の安部で逃げ切り。
1イニングのストッパーはプロなら当たり前ですが、
高校だと立ち上がりを打たれる心配がつきまとう。
安部への信頼感がうかがえます。

舞鶴は左右のダブルエースが好投。
新名の本塁へのグラブトスが素晴らしかった。

大分は17時から試合開始。
熱中症を避けての事だそうです。
健康に配慮しての運営が本当に素晴らしいと思う。


(10)8/2 岐阜大会決勝
大垣日大6-5中京


大 100 100 012 01 = 6
中 011 120 000 00 = 5
延長11回

大:柄澤、山本、権田-清水
中:元、小田-渡邉
本塁打:清水、角田(大)

今夏の私的ベストゲーム。

大垣日大、11回表に二塁内野安打から1点。
その裏、リリーフ権田が渾身の速球で三振、ゲームセット。
中京、エンドランを仕掛けるも及ばず。

名将・阪口慶三監督、御年76歳。
ベンチのたたずまいに気迫を感じました。
猛暑とコロナが心配される中での指揮をとる精神力、
すごいとしか言いようがありません。

大垣日大、8/17に三重優勝のいなべ総合と対戦。
満塁ホームランで逆転勝利。


(11)8/2 高知大会決勝
高知3-2明徳義塾


高 011 000 001 = 3
明 000 010 010 = 2

高:安岡-島崎
明:新地-鈴木

高知県を代表する好カード。
高知は中学時代から有名な2年の森木をベンチ入りさせず、
3年だけで挑み、ライバルに昨年のリベンジ。

決勝タイムリーの津野選手、
涙をこらえてのインタビューが印象的。
この1年、色々あったことでしょう。

2005年の高知大会決勝といい、
この2校のカードはドラマになりますね。

※延長戦で明徳義塾が勝利するも、
 その後部内暴力が発覚し甲子園を辞退
 高知が代わって出場


(12)8/4 佐賀大会決勝
龍谷8-7敬徳


敬徳 021 010 300 000 0_ = 7
龍谷 201 000 310 000 1x = 8
延長13回サヨナラ、13回からタイブレーク

敬:井上、太田、永尾勇、太田-中野
龍:佐竹、白水、田中遼、川崎-今村

いわゆるルーズベルトゲーム。
龍谷がバント安打・レフト前ヒットの代打攻勢で決着。
継投でしのいで勝利。

ロングリリーフの敬徳・太田、サヨナラの瞬間崩れ落ちました。
まだ2年、来年があります。


(13)8/4 島根大会決勝
益田東10-5立正大淞南


立 200 210 000 = 5
益 020 400 04x = 10

立:三宅、谷川唯、三宅-谷川唯、倉光、谷川唯
益:久留野、森田-橋本
本塁打:佐藤(立)

立正大淞南、捕手の谷川唯が後半から登板。
チェンジアップを交えた投球は野手っぽさがなく、
兼任とは思えぬマウンドさばき。

しかし8回裏、ダメ押しの追加点を奪われ再び捕手に。
1番も打ち、ここまで忙しい選手は中々いません。
お疲れ様でした

大会後、立正大淞南に新型コロナウィルスのクラスター(集団感染)発生。
部活・寮内でのクラスター発生ということで、
SNSで心無い発言が目立ちました。

感染者を責めるのは、ダメ、絶対。
彼らはすでに自分自身で責めているはず。

秋季大会、無事出場できるといいのですが。


(14)8/5 茨城大会準々決勝
土浦湖北2-0土浦日大


湖 000 010 001 = 2
日 000 000 000 = 0

湖:大坪-佐藤
日:中川-菅野

土浦勢対決、2点はいずれもボークや暴投によるもの。
1試合2度のボークは珍しい。
ボーク宣言の後、ピッチャー中川に指導(たぶん)してる球審の方に親心を感じました。

茨城は都合により準々決勝まで、3年は最後の試合。


(15)8/5 西東京大会準決勝
東海大菅生12-5創価


創:000 022 10_ = 5
東:301 012 05x = 12

創:石坂、森畑-藤原、小松
東:本田、新倉、広瀬、藤井-福原、臼井
本塁打:石田(創)

2時間20分を超える場合は次のイニングへ進まない、
特別ルールを気にしながらの8回裏の創価の守備。

先頭のショートフライ落球から一挙に失点、
最後は捕手の悪送球でサヨナラコールド。
ワンプレーで流れが変わる恐ろしさ


(16)8/6 愛媛大会準々決勝
済美4-3新居浜西


新 300 000 000_ = 3
済 100 000 021x = 4

新:登尾-髙橋大
済:合田、菊池、有請-矢野
本塁打:神山(新)、山本(済)

「やればできる」でおなじみ済美、
1番山本のサヨナラホームランで劇的決着。

新居浜西の登尾、インコースをつく強気の投球で8回途中までは完璧でした。
背番号9ですから本来は1番への継投だったのかも。
好投してると、中々替えられませんよね。

済美の選手が、坊主頭じゃなくスポーツ刈りでした。
高校野球は何度か長髪の流れが来てはボーズに戻ってますが、
いよいよ見直される時期なのかも。


(16)8/6 北北海道大会1回戦
クラーク国際8-6白樺学園


ク 320 021 000 = 8
白 000 003 201 = 6

ク:辰巳、浦崎、佐藤、浦崎-小濱
白:片山、坂本、葛西-業天
本塁打:菊地(ク)、金原(ク) 片山(白)

センバツ代表校の白樺敗退。
中盤まで大量失点、ノーヒットから猛追したものの及ばず。

9回に4番片山の一発が出ましたが、そこまで。
クラークの浦崎が踏ん張った。
ホームランは走者が残らないのが痛い。


(17)8/8 石川大会準決勝
星稜7-0津幡


津 000 000 0 = 0
星 002 005 x = 7
7回コールド

津:森林、生田、森林-堂端
星:マーガード、安土-内山

津幡、ピッチャー右の森林から左の生田にスイッチ。
打者1人に投げたところで再び森林。
高校野球でこういう小刻みな継投は珍しい。

星稜、先発はマーガード真偉輝キアン。
日系の選手でしょうか。
1年ながら立派な体格、打っても凄そうですが代打で交代。
今後が楽しみです。


(18)8/10 東京大会 東西決戦
東海大菅生3-2帝京


帝 010 010 000_ = 2
東 000 000 003x = 3

帝:田代、柳沼-新垣
東:本田、広瀬、藤井-福原、臼井

東西の優勝校同士が対戦する、
独自大会ならではの一戦。

9回裏、それまで完璧だった帝京・田代投手が崩れる。
同点の3塁打、満塁策でエース柳沼に替えるもセンター前のポテンヒットでサヨナラ。
わずか5分の逆転劇でした。

菅生の藤井、140キロ後半の唸る速球で勝利を呼びこむ。


(19)8/10 岡山大会決勝
倉敷商11-1創志学園


倉 000 006 131 = 11
創 001 000 000 = 1

倉:福家、永野-田村
創:原、宮脇、野田、森重、川端、河野-前田、池田、濱中

創志は6回2死満塁、しかも2ボールから野田にリリーフさせましたが、
プロでもまずないし、高校野球ではあまりにも大胆。
一挙6失点、うち押し出し四死球で3失点。

長澤監督の細かい継投策で勝ち上がってきた創志でしたが、
今日は崩れてしまいました。

プロ注目といわれる三方、今夏はほぼ登板なく、
この試合も代打のみ。

創志はベンチ入りメンバー25人が全員出場。
昨年はエースで4番の西純矢が軸でしたが、
この大会は全員野球。

倉敷商、甲子園交流試合でも仙台育英を破り、
夏は無敗で終えました。


(20)8/10 大阪大会準決勝
履正社9-3大阪桐蔭


大 010 002 000 = 3
履 040 320 00x = 9

大:藤江、岩本、松浦-吉安
履:岩崎、髙橋-関本

大阪のライバル対決。
2019年、履正社は全国制覇しましたが、
大阪桐蔭と直接対決していない。

この夏、大阪桐蔭からの勝利を、
見事もぎとりました。

桐蔭の先発・藤江をとらえてコールド寸前まで持ち込む。
そこからギリギリで粘った桐蔭も見事。
最後まで緊迫感ありました。

好リリーフした2年サウスポー松浦、
かつての辻内を思わせる好投手。


(21)8/12 富山大会決勝
高岡第一1-0石動


高 000 001 000 = 1
石 000 000 000 = 0

高:田中-長井
石:柴田-今井

第一の田中、石動の柴田の見事な投手戦。
第一は佐伯というプロ注目の投手もいるそうですが、
長身の田中もいいピッチング。


(22)8/13 山梨大会決勝
東海大甲府5-4山梨学院大付


東 200 011 000 = 4
山 000 400 10x = 5

山:吉川、宮下、川口-栗田
東:亀井、赤井、若山-三浦
本塁打:渡部(東)

東海大甲府、山梨学院大付の県大会5連覇を阻止。

4番・渡部の場外ホームランで勝ち越して逃げ切り。
ライナーでカッ飛ぶすさまじい弾道。
秋の大会も場外弾を打ってる渡部選手、末恐ろしい。

今年はマウスピースつけてる選手が多いですね。


(23)8/16 千葉大会準決勝
木更津総合6-5八千代松陰


八 100 300 001 00_ = 5
木 100 201 001 01x = 6
延長11回サヨナラ、10回からタイブレーク

八:樋熊、本田、樋熊-阿部
木:吉鶴、川端、熊谷、篠木-佐々木

11回裏、満塁から押し出し死球。
松陰ピッチャー樋熊くんの痛恨の表情(´;ω;`)

松陰、2試合連続逆転サヨナラの勢いもここまで。

木更津総合に属増(さかんぞう)って選手がいました。
由来が気になる。


(24)8/18 千葉大会決勝
木更津総合2-1専大松戸


専 000 010 000 = 1
木 000 110 00x = 2

専:西村-鈴木
木:篠木-佐々木
本塁打:松濤(専)

8回表、木更津総合の守備が光りました。
無死一二塁で送りバント、ピッチャー篠木が処理して三塁封殺。
次打者が二塁ゴロゲッツー。

決勝点は、専大松戸ピッチャー西村の牽制悪送球によるもの。
でも、打たれてはいないという事です。
見事な投手戦でした。


(25)8/22 埼玉大会準決勝
昌平5-3浦和学院


昌 020 000 003 = 5
浦 000 000 201 = 3
延長9回、8回からタイブレーク

昌:宮坂、森田-沼生
浦:美又、小倉、廣咲、美又-石崎
本塁打:吉野哲(昌)

8回表裏、どっちも送りバントが三塁封殺、
次打者が三ゴロゲッツーで終了という珍事。
一、二塁でのバントは難しい。

9回表、昌平は併殺崩れと本塁打で一挙3点。
浦学も食い下がりましたが及ばず。
ホームランの吉野哲平選手、いかめしい顔つきのいかにもな強打者。

埼玉の高校野球準決勝と決勝、
西武ライオンズがメットライフドームを無償提供してるそうです
(テレビ埼玉の実況より)。
うーん、太っ腹。

ただ、ドームとはいえ暑いよね、メラドは。


(26)8/23 神奈川大会決勝
東海大相模9-5相洋


東 000 200 043 = 9
相 020 010 200 = 5

東:諸隈、金城、柴田、石田-神里
相:吉川、石井、本田-加藤
本塁打:神里(東)、加藤(相)

全国の独自大会ラストゲーム。
それを締めくくるにふさわしい名勝負。

相模が大逆転で県4連覇(2019年春夏秋・2020年夏)。

大会途中で甲子園交流試合で大阪桐蔭と戦うという変則日程ですが、
選手・スタッフの皆さんがこなしました。

7回までは相洋ペース。
相模は守備のミスも出て、悪い流れ
(打者じゃなく走者をアウトにしようとした結果のセーフが多く、
レベルが高いゆえのミスにも見えました)。

が、8回からの猛攻。
相洋のエース本田を打ち崩し、
最後は2年サウスポー石田が完璧なリリーフ。

神奈川の王者の意地を見せてもらいました。

相洋、8回に満塁で本田をリリーフに。
結果は打たれましたが、
決勝まで戦った、それがチームとしての戦い方。

変則サウスポー吉川、リリーフ石井も、
強打の相模相手に見事でした。
| 野球 | 12:00 | comments (0) | trackback (0) |
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