いくえみ綾「バラ色の明日(あした)」感想
完全版全6巻。2009年7月~9月、集英社発行。

バラ色の明日完全版 1 (愛蔵版コミックス)

単行本(全6巻)や文庫版(1~4巻、以下続刊)もありますが、
裏話や最終話&番外編が載ってる完全版を読むのがお得と思われます。
雑誌掲載時のカラー表紙も再現されてますし。

いくえみ綾さんの他の作品の感想は、下記からどうぞ。
漫画・本 いくえみ綾

◎初出
1~11話 別冊マーガレット1997年1月号~1999年12月号
最終話 別冊マーガレット2009年1月号
番外編「頼ちゃんは叶わぬ恋をしている」 デラックスマーガレット2002年3月号


◎概要
恋愛や家族愛をテーマにした、読み切り形式の連作。
でも、途中で数話続きものになったりする。
11話と最終話に10年もの開きがあったりする。

「かの人や月」もそうなんですが、かなり自由な作風なんだなと、
今更ながらわかりました。
いくえみ綾「かの人や月」感想


◎右脳で読もう
完全版は、各巻末に『「バラ色の明日」について語る』という、
連載時の裏話が載ってます。
これが結構面白い(本編も面白いけど)。

右脳人間なので「なぜここでこうなるのか?」とか訊かれても わからない時があって
後になって冷静に読み返すと 自分でやっと仕組みがわかってくる
(完全版2巻)

そうなのだ。
作者が右脳で書いてるのだから、読者も右脳で読んだ方がいいのだ。多分。
考えるな、感じろ。

私は、つじつまや整合性を気にする左脳人間ですが、
いくえみ綾さんの漫画は、細部よりも勢いとか台詞回しの妙を味わうものなんだな、と。
理屈は後からついてくる。
で、なんとなく面白かったと。

甘いもの食べる時、成分とか作り方いちいち気にしないし、
知らんでも甘いものは甘い。そういうことだ。

その他、色々な裏話が書いてあります。

連載始めるのに「読み切り形式」ってこと以外なーんも決まってなくて
いつものことよ
(完全版1巻)

4回読み切りやってみて つくづく長い連載は向いてないんだな~と実感しました
だって飽きるんですもの… すぐ解決したくなるんですもの…
(完全版1巻)

大体にして 私はあまり深くモノを考えない
予告を出して カラー原稿を出してからでさえも まだ話が決まってなかったりするので
(完全版4巻)

設定とふんいきさえあれば なんとかなるものです(完全版4巻)

私はですね、プロの漫画家さんというのは、
担当さんと綿密に打ち合わせてプロットを作って、
それをもとに漫画を描くものだと勝手に思ってましたが……。
漫画家さんの数だけ漫画の描き方があるんですね。

裏話のことばかりになりましたが、本編も面白いですよ。
どう面白いかなんてことはくどくど書くものでもないので、割愛します。
| 漫画・本::いくえみ綾 | 14:51 | comments (0) | trackback (0) |
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