経済用語に「パレートの法則」というものがあります。
別名80:20の法則とも呼ばれます。
例えば、あるお店の売り上げ8割を生み出しているのは、全ての商品のうち2割。仕事の成果の8割は、仕事をしている時間の2割で生み出している......このような使い方をされます。
ただし、80:20の数値は絶対ではなく「全体のうちの一部」を表現している割合にすぎません。
また重要なのは2割なので残りは軽視してよい、というような論法ではないので誤解のなきよう。
さて、このパレートの法則が野球にもあてはまるか検証してみましょう。
今回は「打点」について調べてみます。
「全体の打点のうち8割を生み出しているのは全打者のうち2割である」......さて、あてはまるでしょうか。
サンプルは昨年と今年の夏の優勝校です。まず数字を見てみましょう。
2008年夏 大阪桐蔭
萩原 15
奥村 9
福島由、森川 6
浅村、佐野、福島康、有山 4
清水 3
中谷 2
合計57打点
2007年夏 佐賀北
副島 7
大串 6
市丸、江頭、馬場、井手 3
辻、田中 2
新川 1
合計30打点
<em>検証編</em>
☆2008年大阪桐蔭の場合
打点の8割......45.6
打点の多い選手から順に足していくと、萩原(15)+奥村(9)+福島由(6)+森川(6)+4打点のうち2人(8)=44
つまり6人の選手で8割の打点を生み出している。
しかしベンチ入り18人の2割は3.6人だから、6人はそれより明らかに多い。よってあてはまらない。
☆2007年 佐賀北の場合
打点の8割......24
副島(7)+大串(6)+3打点の4人(12)=25
つまり6人の選手で8割の打点を生み出している。こちらもあてはまらない。
80:20の法則は2チームとも当てはまりませんでした。
考えてみますと、優勝チームともなれば主力打者以外も打ちますから、打点8割が2割の選手に集中するケースはあまりないのかもしれません。
それに打点は本人以外の要素も関わってくる数値ですし(走者がいないと稼げない)、ちょっと検証には不向きな数値だったかな?
気を取り直して、70:30などで調べてみましょう。
大阪桐蔭
打点の7割 39.9≒萩原(15)+奥村(9)+福島由(6)+森川(6)+4打点のうち1人(4)
ベンチ入り18人の3割 5.4人 上の計算では打者5人
よって成り立つ。
佐賀北
打点の7割 21≒ 副島(7)+大串(6)+3打点のうち3人(9)
こちらも打点7割を打者5人で生み出している。
よって成り立つ。
70:30だと当てはまると考えてもよいですね。
他のチームの打点のデータがわかれば、また検証してみたいです。
例えばプロだとどうなるか? 投手や守備の記録だとどうなるか?
色々試せそうですね。
Tweet |