2017,12,18, Monday
ネタバレ含みます。
ざっくばらんに言うなら
「荒削りではあるけど、面白さに徹した良作」。
エピソード4-6(特に4)をなぞる箇所の多かった前作に比べると、
新鮮さに満ちていて、SWを知ってる人も知らない人も楽しめる。
ただ、アラはいくつかある。
シリーズで積み上げてきたものを打ち壊してもいる。
前作の感想はこちら。
映画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」感想
◎あらすじを簡単に
銀河帝国の衣鉢を継いだ「ファースト・オーダー」は、
オーガナ将軍率いるレジスタンスを追い詰めていた。
宇宙空間での戦いでレジスタンスの指導部はほぼ死亡、
オーガナ将軍も意識不明。
レジスタンス艦隊はハイパードライブ(ワープ)を使うものの、
ファースト・オーダーの追跡をふりきれず、絶体絶命。
人々の希望となるルーク・スカイウォーカーは、
孤島で隠遁生活を送っていた。
後継となるジェダイの育成に失敗し、
失意の中、自らの死とともにジェダイの歴史を終わらせようとしていた。
フォースの才能を持つ娘・レイは、
ルークの元を訪れ、ジェダイの教えを受けようとする。
「最後のジェダイ」は立ち上がるのか。
◎感想
新シリーズの2作目は、
とにかく楽しませよう、という作り手の意気込みを感じる。
冒頭の宇宙空間のドッグファイトから濃いシーンの連続。
のっけからレイアが死んだ(かも)と思わせ、
何が起きても不思議じゃない展開の連続。
やりすぎかもしれないけど、
長いシリーズでマンネリ化した空気をぶち破るには、
これくらいの衝撃が必要。
ひきこもりのルーク。
前作で死んだけどまるでかえりみられないハン・ソロ。
レジスタンスは全滅寸前。なのに内輪もめ。
追いつめてるはずのファースト・オーダーすら、
内ゲバでガタガタ。
ヒーローもワルモノも、まとまってなく混乱だらけ。
そんな状態が152分続くので、終盤はさすがに
「ケンカもほどほどにしとけや……一旦休戦するって発想はねえのか……」
と、思いました。
でも、今の時代には、
こういう先の見えない映画がいいのかもしれません。
ここには、エピソード1-6のような善悪のカリスマはいない。
導いてくれる師匠も、絶対の教えもない。
何が悪くて、何が正しいのかも曖昧。
未来が見えない。
何を道しるべにして、どこへ歩き出せばいいのか、誰も教えてくれない。
導く立場の大人すら、疲れて戸惑っている。
そんな中で、頼れるのは自分。
何をするか、自分は何者なのか、自分で決めていい。
劇中である人が言った、「失敗もまた学び」だと。
ダメでも、うまくいかなくても、
それを糧にして進む。それが大事なんじゃないかと。
もちろん、そんな小難しいことを考えなくても、
予想もつかないエンターテイメントとして楽しめます。
ラスト、ジェダイにあこがれる少年のように、
子どもたちが「よくわかんないところもあるけど、この映画スゲー!」と感じるに充分。
「足りない部分もあるかもしれないけど、
オレたちのスター・ウォーズ愛を見てくれ!
そして語ろう! 一緒に楽しもう!」
という、スタッフの熱意は感じました。
◎キャスト雑感
◆ルーク・スカイウォーカー - マーク・ハミル
島にひきこもり、乳をむさぼり飲むおじさん。
「伝説の英雄」と持ち上げられ、頼られることに疲れたのだなーと、
切なくなりました。
でも、最後は立ち上がり、らしい姿を見せて退場。
過去作のジェダイの霊体化とはちょっと違う、
実体?での分身という技を披露。
分身だから爆撃も平気、ライトセーバーで斬られても平気。
ラスト、あぐらをかいて飛び上がる姿は、
麻原尊師を想像してしまい、笑えない。
日本人だと、どうしてもねえ。
◆レイア・オーガナ - キャリー・フィッシャー
宇宙空間に吹っ飛ばされながら
フォース?で船内に戻る荒技を披露。
笑っていいのかどうか迷った場面。
キャリー・フィッシャーさんの遺作となりました。
ご冥福をお祈りします。
次回作はレイアの葬儀からかな。
◆カイロ・レン - アダム・ドライバー
光と闇の狭間で揺れるレン君、今回も迷いまくります。
活躍する場面と小物っぽい場面が混ざり、
いじられキャラと化してきた。
スノークを殺したことで、
敵味方の重要人物どっちも殺してしまうことに。
こんなコウモリみたいな事をして、
戦争の後、彼に居場所はあるのだろうか。
同情してしまうところはあります。
父親(ソロ)も母親(レイア)も偉大な人物。
自身も才能があり、期待されて育つ。
でも師匠(ルーク)からは修行中に殺されかける。
双方誤解はあるが、この時点で彼の価値観は崩れてしまった。
父は風来坊、母は政治にのめりこみ、
帰るべき場所もない。
よりどころの暗黒面の指導者からは、
「期待したほどじゃない」とけなされる。
ファースト・オーダーの面々からは舐められるか、腫れ物にさわる扱い。
強いフォースを持つレイにシンパシーを感じ、
「俺のことわかってくれるんじゃね?
一緒に修行して、あわよくば彼女になってくれるんじゃね?」
と思うもケンカ別れ。
才能を持て余す、
情緒不安定なアラサーはどこへ行く……。
ちなみに上半身ハダカのシーンがあるが、
鍛えるともだらしないとも言えない中途半端なもので、
これまた哀愁を誘う。
◆レイ - デイジー・リドリー
フォースの強さでルークをビビらせる。
あまり修行もせずライトセーバー使いこなし、
岩を浮かせるあたり「結局世の中才能がすべて?」という気もしてしまう。
両親は無名の人々で、特にスカイウォーカーやシスの血筋ではないらしい。
◆フィン - ジョン・ボイエガ
ちょっと間抜けな新時代のヒーロー。
ローズにどやされたりしつつ、終盤は本物のヒーローらしい場面も見せる。
ただ、恋愛要素はいらない。
ローズとレイの三角関係?
そこにポーとレンも加わる?
それだけは絶対やめてください……
SWにそういうの求めてないです。
◆ポー・ダメロン - オスカー・アイザック
序盤10分でエースパイロットとして大活躍。
無鉄砲ゆえに指導部とぶつかるも、
彼もまた成長を見せる。
◆スノーク最高指導者 - アンディ・サーキス
レイを殺すよう、レンに迫るシーン。
もうね、死亡フラグがビンビンでした。
ダチョウ倶楽部の「押すなよ! 絶対押すなよ!」みたいなもんです。
胴体から真っ二つになったスノーク、
次回作で正体に触れられることはない気がする……。
シディアス(皇帝)に見捨てられた弟子とか、
そんなのいくらでも説明つくし。
◆ハックス将軍 - ドーナル・グリーソン
「御しやすい小物だから将軍にしてる」と
スノークに言われちゃった、ファースト・オーダーの小物2号。
スノークが死んだ後、レンに
「私の軍隊を許可なく動かすつもりか」
↓
フォースで首絞め
↓
「あなたが新しい最高指導者です」
その後もレンに意見して吹っ飛ばされたり、
もはやギャグ要員。
軍人はフォースのリアクション派手でナンボ、なのかもしれない。
◆キャプテン・ファズマ - グェンドリン・クリスティー
前作と同じく出番は一瞬。
あっけない退場も同じ。
見た目は格好いいのに、
「ユカイなふぁーすと・おーだー」の1人になってる。
◆ローズ・ティコ - ケリー・マリー・トラン
アジア系女優。
レジスタンスの整備担当。
フィンと秘密任務で敵軍艦隊に潜入。
最後は唐突にラブ出すより、
「アンタが失敗するのが見てられなかった」とか、強気のセリフが良かった。
◆ホルド中将 - ローラ・ダーン
レイアに代わってレジスタンス艦隊の指揮をとる。
最初は無策で、
フィクションでよくあるダメ指導者かと思いました。
作戦はちゃんとあったんだけど、
それなら秘密にせず、全員に話したら良かったんじゃないか、と思う。
単身旗艦に残り、ワープで敵艦に特攻する離れ業を見せ、華々しく散る。
あのシーンの静寂は良かったです、
◆DJ - ベニチオ・デル・トロ
ヤク中だが暗号破りの達人。
おそらく、もっと出番があったけど尺の都合で削られた人。
ならず者っぽさはカルリジアン男爵を思わせる。
◆BB-8
かわいい。しかも頑丈。
メカニックは万能な上に、ドロイドとは思えない的確な判断力。
もうコイツ量産したらいいんじゃないかな。
ざっくばらんに言うなら
「荒削りではあるけど、面白さに徹した良作」。
エピソード4-6(特に4)をなぞる箇所の多かった前作に比べると、
新鮮さに満ちていて、SWを知ってる人も知らない人も楽しめる。
ただ、アラはいくつかある。
シリーズで積み上げてきたものを打ち壊してもいる。
前作の感想はこちら。
映画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」感想
◎あらすじを簡単に
銀河帝国の衣鉢を継いだ「ファースト・オーダー」は、
オーガナ将軍率いるレジスタンスを追い詰めていた。
宇宙空間での戦いでレジスタンスの指導部はほぼ死亡、
オーガナ将軍も意識不明。
レジスタンス艦隊はハイパードライブ(ワープ)を使うものの、
ファースト・オーダーの追跡をふりきれず、絶体絶命。
人々の希望となるルーク・スカイウォーカーは、
孤島で隠遁生活を送っていた。
後継となるジェダイの育成に失敗し、
失意の中、自らの死とともにジェダイの歴史を終わらせようとしていた。
フォースの才能を持つ娘・レイは、
ルークの元を訪れ、ジェダイの教えを受けようとする。
「最後のジェダイ」は立ち上がるのか。
◎感想
新シリーズの2作目は、
とにかく楽しませよう、という作り手の意気込みを感じる。
冒頭の宇宙空間のドッグファイトから濃いシーンの連続。
のっけからレイアが死んだ(かも)と思わせ、
何が起きても不思議じゃない展開の連続。
やりすぎかもしれないけど、
長いシリーズでマンネリ化した空気をぶち破るには、
これくらいの衝撃が必要。
ひきこもりのルーク。
前作で死んだけどまるでかえりみられないハン・ソロ。
レジスタンスは全滅寸前。なのに内輪もめ。
追いつめてるはずのファースト・オーダーすら、
内ゲバでガタガタ。
ヒーローもワルモノも、まとまってなく混乱だらけ。
そんな状態が152分続くので、終盤はさすがに
「ケンカもほどほどにしとけや……一旦休戦するって発想はねえのか……」
と、思いました。
でも、今の時代には、
こういう先の見えない映画がいいのかもしれません。
ここには、エピソード1-6のような善悪のカリスマはいない。
導いてくれる師匠も、絶対の教えもない。
何が悪くて、何が正しいのかも曖昧。
未来が見えない。
何を道しるべにして、どこへ歩き出せばいいのか、誰も教えてくれない。
導く立場の大人すら、疲れて戸惑っている。
そんな中で、頼れるのは自分。
何をするか、自分は何者なのか、自分で決めていい。
劇中である人が言った、「失敗もまた学び」だと。
ダメでも、うまくいかなくても、
それを糧にして進む。それが大事なんじゃないかと。
もちろん、そんな小難しいことを考えなくても、
予想もつかないエンターテイメントとして楽しめます。
ラスト、ジェダイにあこがれる少年のように、
子どもたちが「よくわかんないところもあるけど、この映画スゲー!」と感じるに充分。
「足りない部分もあるかもしれないけど、
オレたちのスター・ウォーズ愛を見てくれ!
そして語ろう! 一緒に楽しもう!」
という、スタッフの熱意は感じました。
◎キャスト雑感
◆ルーク・スカイウォーカー - マーク・ハミル
島にひきこもり、乳をむさぼり飲むおじさん。
「伝説の英雄」と持ち上げられ、頼られることに疲れたのだなーと、
切なくなりました。
でも、最後は立ち上がり、らしい姿を見せて退場。
過去作のジェダイの霊体化とはちょっと違う、
実体?での分身という技を披露。
分身だから爆撃も平気、ライトセーバーで斬られても平気。
ラスト、あぐらをかいて飛び上がる姿は、
麻原尊師を想像してしまい、笑えない。
日本人だと、どうしてもねえ。
◆レイア・オーガナ - キャリー・フィッシャー
宇宙空間に吹っ飛ばされながら
フォース?で船内に戻る荒技を披露。
笑っていいのかどうか迷った場面。
キャリー・フィッシャーさんの遺作となりました。
ご冥福をお祈りします。
次回作はレイアの葬儀からかな。
◆カイロ・レン - アダム・ドライバー
光と闇の狭間で揺れるレン君、今回も迷いまくります。
活躍する場面と小物っぽい場面が混ざり、
いじられキャラと化してきた。
スノークを殺したことで、
敵味方の重要人物どっちも殺してしまうことに。
こんなコウモリみたいな事をして、
戦争の後、彼に居場所はあるのだろうか。
同情してしまうところはあります。
父親(ソロ)も母親(レイア)も偉大な人物。
自身も才能があり、期待されて育つ。
でも師匠(ルーク)からは修行中に殺されかける。
双方誤解はあるが、この時点で彼の価値観は崩れてしまった。
父は風来坊、母は政治にのめりこみ、
帰るべき場所もない。
よりどころの暗黒面の指導者からは、
「期待したほどじゃない」とけなされる。
ファースト・オーダーの面々からは舐められるか、腫れ物にさわる扱い。
強いフォースを持つレイにシンパシーを感じ、
「俺のことわかってくれるんじゃね?
一緒に修行して、あわよくば彼女になってくれるんじゃね?」
と思うもケンカ別れ。
才能を持て余す、
情緒不安定なアラサーはどこへ行く……。
ちなみに上半身ハダカのシーンがあるが、
鍛えるともだらしないとも言えない中途半端なもので、
これまた哀愁を誘う。
◆レイ - デイジー・リドリー
フォースの強さでルークをビビらせる。
あまり修行もせずライトセーバー使いこなし、
岩を浮かせるあたり「結局世の中才能がすべて?」という気もしてしまう。
両親は無名の人々で、特にスカイウォーカーやシスの血筋ではないらしい。
◆フィン - ジョン・ボイエガ
ちょっと間抜けな新時代のヒーロー。
ローズにどやされたりしつつ、終盤は本物のヒーローらしい場面も見せる。
ただ、恋愛要素はいらない。
ローズとレイの三角関係?
そこにポーとレンも加わる?
それだけは絶対やめてください……
SWにそういうの求めてないです。
◆ポー・ダメロン - オスカー・アイザック
序盤10分でエースパイロットとして大活躍。
無鉄砲ゆえに指導部とぶつかるも、
彼もまた成長を見せる。
◆スノーク最高指導者 - アンディ・サーキス
レイを殺すよう、レンに迫るシーン。
もうね、死亡フラグがビンビンでした。
ダチョウ倶楽部の「押すなよ! 絶対押すなよ!」みたいなもんです。
胴体から真っ二つになったスノーク、
次回作で正体に触れられることはない気がする……。
シディアス(皇帝)に見捨てられた弟子とか、
そんなのいくらでも説明つくし。
◆ハックス将軍 - ドーナル・グリーソン
「御しやすい小物だから将軍にしてる」と
スノークに言われちゃった、ファースト・オーダーの小物2号。
スノークが死んだ後、レンに
「私の軍隊を許可なく動かすつもりか」
↓
フォースで首絞め
↓
「あなたが新しい最高指導者です」
その後もレンに意見して吹っ飛ばされたり、
もはやギャグ要員。
軍人はフォースのリアクション派手でナンボ、なのかもしれない。
◆キャプテン・ファズマ - グェンドリン・クリスティー
前作と同じく出番は一瞬。
あっけない退場も同じ。
見た目は格好いいのに、
「ユカイなふぁーすと・おーだー」の1人になってる。
◆ローズ・ティコ - ケリー・マリー・トラン
アジア系女優。
レジスタンスの整備担当。
フィンと秘密任務で敵軍艦隊に潜入。
最後は唐突にラブ出すより、
「アンタが失敗するのが見てられなかった」とか、強気のセリフが良かった。
◆ホルド中将 - ローラ・ダーン
レイアに代わってレジスタンス艦隊の指揮をとる。
最初は無策で、
フィクションでよくあるダメ指導者かと思いました。
作戦はちゃんとあったんだけど、
それなら秘密にせず、全員に話したら良かったんじゃないか、と思う。
単身旗艦に残り、ワープで敵艦に特攻する離れ業を見せ、華々しく散る。
あのシーンの静寂は良かったです、
◆DJ - ベニチオ・デル・トロ
ヤク中だが暗号破りの達人。
おそらく、もっと出番があったけど尺の都合で削られた人。
ならず者っぽさはカルリジアン男爵を思わせる。
◆BB-8
かわいい。しかも頑丈。
メカニックは万能な上に、ドロイドとは思えない的確な判断力。
もうコイツ量産したらいいんじゃないかな。
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