2016,08,28, Sunday
KADOKAWAの月刊誌エンタミクスに、河原和音先生の特集記事が載ってます。
デビュー25周年を迎えた先生へのロングインタビュー5ページと、
映画「青空エール」の特集2ページ。
エンタミクス 2016年10月号
かなり古い作品にも触れられているので、
通の方は読みごたえがあると思います。
軽くまとめてみます。
詳しく知りたい方は、雑誌をどうぞ。
⇒エンタミクス 2016年10月号 No.96 | エンタミクス
◎インタビュー要旨
◆デビュー前
小さい頃から漫画が好きだった
小6のときに2作ほど書いた
別マの投稿時代は、「いけるんじゃないか」という妙な自信があった
1作目を投稿してみたら期待賞で、びっしり添削されていた
でも「指摘された部分を直せばデビューできるんだ」とポジティブにがんばったら、
2作目(彼の一番好きなひと。)で本当にデビューできた
エンタミクス本誌だと「彼のいちばん好きな人」……惜しい! 微妙に違う!
ん、なに、証拠?
あるよ。
◆初期
最初の担当さんはダメ出しが多い人で、いつも保険で2,3個の話を持っていった
3つ目の作品(可愛さあまって)で初めてラブコメを描いた
「愛してくれない」という作品でモノローグに“これだ”という感覚があった
一時期、読み切りばかり漁っていた
いくえみ綾さんの読み切りがすごく好きだった
ほかに忘れられないのは、
多田かおる先生の「ピンクの雪が降ったら……」と
斉藤倫先生の「一億年後の夏の話をしよう」
いくえみ綾先生の読み切りは、たしかに印象に残るものが多いです。
ぱっと思い出すのは「あなたにききたい」「おすすめボーイフレンド」でしょうか。
◆「先生!」-1
「先生!」の連載前に「修学旅行」という読み切りの打ち合わせで
「3大ウケネタの1つ」と言われ、
「残りの2つは?」「適当に言った」と返された
自分なりに考えてみたところ、
“先生”と“血のつながっていない兄弟”かなと
デビュー当時、別マは先生ものが旬だった
それまでにもいくつか連載をやったが、うまくいかなかった
長い話を3,4つに分けていたけど、そのやり方がダメだということに気づいた
そこで、入れられるものは1話に詰め込んで、
2話から先のことは考えないでやってみることにした
キャラも役割を決めすぎず、ふわっとした状態で出してみた
伊藤先生は、私の考える大人
身近の人をモデルにしつつ、車とか大人の記号的なものを詰め込む楽しさがあった
タバコにゲームにプロ野球もそうかな。
「先のことは考えない」でいえば、
○○と××は最初くっつく予定だった、と文庫版にあったような。
◆「先生!」-2
響は、今読むと衝動的というか勢いがある
漫画が若いというか、青いというか。若いからこそ描けた
後半、2人がうまくいかない時期が長く続くが、
今はカップルを長く離しておけなくなってしまった
あの頃の自分は、悲しい感情を長く描ける体力があったということだと思う
「先生!」って、後半に限らず全体的に悲しいし暗いんですよ。
しかしその暗さがいいんですよね……。
ただ、これを連載で読むのはきつくないか、と思ったことはある。
暗いといえば、長編の読み切りで「プラチナ・スノウ」という作品があり、
これがまたどんよりといいますか、しっとりした話で、
そこが何とも言えずたまりません。
◆「高校デビュー」
「先生!」がずっとシリアスだったので、反動で違うテイストを描きたくなった
手探りでラブコメを描き始めた
ヨウはもっと意地悪にしようと思ったが、担当から鬼のような修正が入った
私は主人公がピンチになっても自分でなんとかするんじゃないかと突き放すタイプだけど、
「女の子がピンチのときに助けに行かないのはどうかと思う」とか
機会があれば大学生編を描きたいな、とは思っている
でもキャラクターや絵が今の自分と離れてるから、呼び戻せるかなって
ヨウが意地悪だったら見た目の印象そのまんまなんで、
担当さんの修正が正解だったんでしょうね。
◆「俺物語!!」
読み切りの時点で、ズルい考えだが170ページぐらいないと単行本が出ないので、
それくらいは描くつもりだった
もっと長くなるのは想定外だった
(作画担当の)アルコさんには、絵もろくに描かずに“爆発してる”みたいな指定だけ渡していた
アドリブで大変面白くしていただいた
◆原作者の仕事
今後もやらせていただければ嬉しい
若い作家さんと組むと、作品がぐいぐい若くなる
年を経てわびさびが出てくるのもいいが、
一方で少女漫画の世界をまだやりたいなという気持ちもある
“わびさび”も読んでみたい気もします。
河原先生は何を描いても多分面白いと思うし。
◆素敵な彼氏
王道のラブコメに回帰してみた
先のことは何も考えないでやっているが、
原稿を描いていると次の話は自然と湧いてくるので、
そういうものかなと思ってやっている
◆「青空エール」-1
資料が必要な作品をがんばってみようと思い、
「高校デビュー」の終盤から取材に行っていた
部活ものなので、1年生でやるべきことは1年生で描ききれたらいいなと思って話を作っていった
ボリュームがわからず苦労した部分も多かった
主人公たちは素直さを意識して作った
これまでの作品は予定より早く付き合っちゃったので、
あんまりすぐにつき合わないようにしてみようかと思った
その結果、読者は10数巻に渡るじらしプレイを強いられることに。
◆「青空エール」-2
印象に残っているのは、2年生のつばさが
「1年生からがんばっていればコンクールメンバーになれたのに」と思うシーン
あそこは「描いてやった」という満足感があった
甲子園はアシスタントさんが頑張ってくれた
吹奏楽部の楽器やコンサートホールもアシスタントさんが頑張ったんだろうな、と
苦労がしのばれる(/Д`)
このほか、映画「青空エール」の特集として
主演の土屋太鳳さん、竹内涼真さんの対談記事があります。
そっちは割愛。
あんまり書くとKADOKAWAさんからKUREEMUが来るから(ねえよ)。
デビュー25周年を迎えた先生へのロングインタビュー5ページと、
映画「青空エール」の特集2ページ。
エンタミクス 2016年10月号
かなり古い作品にも触れられているので、
通の方は読みごたえがあると思います。
軽くまとめてみます。
詳しく知りたい方は、雑誌をどうぞ。
⇒エンタミクス 2016年10月号 No.96 | エンタミクス
◎インタビュー要旨
◆デビュー前
小さい頃から漫画が好きだった
小6のときに2作ほど書いた
別マの投稿時代は、「いけるんじゃないか」という妙な自信があった
1作目を投稿してみたら期待賞で、びっしり添削されていた
でも「指摘された部分を直せばデビューできるんだ」とポジティブにがんばったら、
2作目(彼の一番好きなひと。)で本当にデビューできた
エンタミクス本誌だと「彼のいちばん好きな人」……惜しい! 微妙に違う!
ん、なに、証拠?
あるよ。
◆初期
最初の担当さんはダメ出しが多い人で、いつも保険で2,3個の話を持っていった
3つ目の作品(可愛さあまって)で初めてラブコメを描いた
「愛してくれない」という作品でモノローグに“これだ”という感覚があった
一時期、読み切りばかり漁っていた
いくえみ綾さんの読み切りがすごく好きだった
ほかに忘れられないのは、
多田かおる先生の「ピンクの雪が降ったら……」と
斉藤倫先生の「一億年後の夏の話をしよう」
いくえみ綾先生の読み切りは、たしかに印象に残るものが多いです。
ぱっと思い出すのは「あなたにききたい」「おすすめボーイフレンド」でしょうか。
◆「先生!」-1
「先生!」の連載前に「修学旅行」という読み切りの打ち合わせで
「3大ウケネタの1つ」と言われ、
「残りの2つは?」「適当に言った」と返された
自分なりに考えてみたところ、
“先生”と“血のつながっていない兄弟”かなと
デビュー当時、別マは先生ものが旬だった
それまでにもいくつか連載をやったが、うまくいかなかった
長い話を3,4つに分けていたけど、そのやり方がダメだということに気づいた
そこで、入れられるものは1話に詰め込んで、
2話から先のことは考えないでやってみることにした
キャラも役割を決めすぎず、ふわっとした状態で出してみた
伊藤先生は、私の考える大人
身近の人をモデルにしつつ、車とか大人の記号的なものを詰め込む楽しさがあった
タバコにゲームにプロ野球もそうかな。
「先のことは考えない」でいえば、
○○と××は最初くっつく予定だった、と文庫版にあったような。
◆「先生!」-2
響は、今読むと衝動的というか勢いがある
漫画が若いというか、青いというか。若いからこそ描けた
後半、2人がうまくいかない時期が長く続くが、
今はカップルを長く離しておけなくなってしまった
あの頃の自分は、悲しい感情を長く描ける体力があったということだと思う
「先生!」って、後半に限らず全体的に悲しいし暗いんですよ。
しかしその暗さがいいんですよね……。
ただ、これを連載で読むのはきつくないか、と思ったことはある。
暗いといえば、長編の読み切りで「プラチナ・スノウ」という作品があり、
これがまたどんよりといいますか、しっとりした話で、
そこが何とも言えずたまりません。
◆「高校デビュー」
「先生!」がずっとシリアスだったので、反動で違うテイストを描きたくなった
手探りでラブコメを描き始めた
ヨウはもっと意地悪にしようと思ったが、担当から鬼のような修正が入った
私は主人公がピンチになっても自分でなんとかするんじゃないかと突き放すタイプだけど、
「女の子がピンチのときに助けに行かないのはどうかと思う」とか
機会があれば大学生編を描きたいな、とは思っている
でもキャラクターや絵が今の自分と離れてるから、呼び戻せるかなって
ヨウが意地悪だったら見た目の印象そのまんまなんで、
担当さんの修正が正解だったんでしょうね。
◆「俺物語!!」
読み切りの時点で、ズルい考えだが170ページぐらいないと単行本が出ないので、
それくらいは描くつもりだった
もっと長くなるのは想定外だった
(作画担当の)アルコさんには、絵もろくに描かずに“爆発してる”みたいな指定だけ渡していた
アドリブで大変面白くしていただいた
◆原作者の仕事
今後もやらせていただければ嬉しい
若い作家さんと組むと、作品がぐいぐい若くなる
年を経てわびさびが出てくるのもいいが、
一方で少女漫画の世界をまだやりたいなという気持ちもある
“わびさび”も読んでみたい気もします。
河原先生は何を描いても多分面白いと思うし。
◆素敵な彼氏
王道のラブコメに回帰してみた
先のことは何も考えないでやっているが、
原稿を描いていると次の話は自然と湧いてくるので、
そういうものかなと思ってやっている
◆「青空エール」-1
資料が必要な作品をがんばってみようと思い、
「高校デビュー」の終盤から取材に行っていた
部活ものなので、1年生でやるべきことは1年生で描ききれたらいいなと思って話を作っていった
ボリュームがわからず苦労した部分も多かった
主人公たちは素直さを意識して作った
これまでの作品は予定より早く付き合っちゃったので、
あんまりすぐにつき合わないようにしてみようかと思った
その結果、読者は10数巻に渡るじらしプレイを強いられることに。
◆「青空エール」-2
印象に残っているのは、2年生のつばさが
「1年生からがんばっていればコンクールメンバーになれたのに」と思うシーン
あそこは「描いてやった」という満足感があった
甲子園はアシスタントさんが頑張ってくれた
吹奏楽部の楽器やコンサートホールもアシスタントさんが頑張ったんだろうな、と
苦労がしのばれる(/Д`)
このほか、映画「青空エール」の特集として
主演の土屋太鳳さん、竹内涼真さんの対談記事があります。
そっちは割愛。
あんまり書くとKADOKAWAさんからKUREEMUが来るから(ねえよ)。
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