サトウヨーコ「こんな会社、辞めてやる!! 転職6回、すべて失敗。」
2010年9月、主婦の友社発行。
著者は兵庫県出身。フリーのイラストレーター。

こんな会社、辞めてやる!! 転職6回、すべて失敗。 Kindle版

7つの会社を経て、東京で独立できるまでの道のりを
面白おかしく書いた痛快コミックエッセイ。

少しでも笑ってもらえたらと思って描きました。
とあるので、憂うつな気分をふっ飛ばしたい時に読むのが良いかと思います。

「転職に失敗しないためには」等、教訓めいたことは書いてません。
お気楽に読む本です。

◎著者の道のり
1978年生まれ
美術系専門学校卒業、就職氷河期まっただ中でかろうじて内定獲得

【1社目】
使えない新人で毎日のように怒られる
似たようなキャバクラの求人広告をひたすら作らされる
1年で退職

【2社目】
文字の校正を延々やる仕事
1日5時間半、居眠りOK、サボりOKというゆるい会社
ぬるま湯すぎるので退職

【3社目】
弁当買い出しや原稿届けに丸一日パシらされる
一日で辞める

【4社目】
デザインの下請け企業で、ようやく仕事ができるようになる
しかし、頼れる上司は入社1ヵ月で退職
残った社長はデザインのことが全くわからず、実態は金貸屋だと判明
会社を信じられなくなり、辞める

【5社目】
豪快だが優しく、尊敬できる先輩と出会う
自身最長の3年間勤務
だが労働環境は過酷で、マンネリ化を感じ、退職

【6社目】
自社ビルをもつ大企業の制作部に就職
多数派の営業部と対立しながら、ひたすら企画書を作る
最も制作を目の敵にする次長のいびりに耐え兼ね、
制作全員まとめて退職

【7社目】
上京し、チラシデザインの会社に入社
余暇を利用しイラストを書きため、独立する計画をたてる
が、意志の弱さから作品は書きためられず
作品づくりに専念するため、いちかばちか退職

【独立】
孤独と戦いつつ、作品を書きため売り込みに行く
が、しばらく手ごたえなし
ある日、これまでの会社の出来事や面白い人々をイラストにして、作品に加えてみることに
すると、初めて仕事の依頼が来る
それから少しずつ 本当に少しずつ 仕事が来るようになった……
この時30歳


◎まとめ
漫画のラストに集約されているように思います。

もっと早く若いうちに上京していれば……
と、後悔したこともあった……

しかし今では、あの頃があったから今の私があるのだと
あの頃出会った人たちに感謝している

とても遠回りをしてきたようで
必然の道だったのだと 今は思える
(123-124p)

人生、回り道のようでも、無駄じゃない、のかも。

「人生とは一冊のマンガだ」とは水木しげる先生の言葉です。
「ただのマンガだと思えば、気が楽になる」という意味らしいです。

会社でストレス溜まってる方は、気楽に読んでみてはいかがでしょうか。


◎余談
最後に「アマゾンとかで1円で売られてても
教えないでいただけたらうれしいです。」
とありますが、現在1円です。

5年前の本は、たいがい1円になりますけどね。
| 漫画・本 | 23:40 | comments (0) | trackback (0) |
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