2015,05,30, Saturday
2011年2月、NHK発行。
NHK「生活ほっとモーニング」で、2009年12月1日~12月3日にわたって放送された
「“命”みんなで守る」の内容をもとに作成された。
自殺未遂者の体験記や、自殺者を防ぐ人々の取り組みをまとめている。
自殺者三万人を救え!-“命”みんなで守る社会戦略
◎構成
第一章 望月昭・細川貂々
第二章 澤登和夫
第三章 斎藤大輔
第四章 藤澤克己
第五章 NHK「“命”みんなで守る」制作班(吉田卓哉、斎藤大輔、鵜飼俊介、平田知弘、青山浩平)
第六章 清水康之
第七章 佐々木久長
第一章は、「ツレがうつになりまして。」シリーズで知られる「ツレ」こと望月昭さんが、
自らの体験をもとに「死んでしまいたかった時期」について語っている。
「ツレうつ」作者の細川貂々さんは、挿絵と表紙を担当。
細川貂々さん・望月昭さんご夫妻の関連作品の感想は、
カテゴリからご覧ください。
他の章についても、簡単に感想を。
◎第一章 死んでしまいたかった僕と支えた相棒
文・望月昭 絵・細川貂々
望月昭さんの、うつ病時代の体験記。
三年間という時間をかけ、望月さんはうつから立ち直りました。
薬、認知療法などありますが、一番効くのは時間ということです。
きれいに、きちんと、さっぱり治るようなことはなかったけれど、
だらだらと、ぐずぐずと、カッコ悪く、僕は回復しました。(12p)
それと、望月昭さんは2つの余裕のなさについて語っています。
「自分自身の余裕のなさ」
一度ドロップアウトすると、這い上がるのが難しい。
正社員を辞めると、「もう駄目だ」と思ってしまう。
また、男性は外で身を粉にして稼ぎ、家庭をかえりみる余裕がない。
それがいまだに標準とされている。
「世の中の余裕のなさ」
助け合いやご近所づきあいがなくなり、
困った人がいても「自己責任だから、自分で何とかしてね」で片付けられる時代になった。
そうした余裕のなさが、困った人を追い詰めている。
どうすればいいのか。
家族でも友人でも医者でもいい、弱った自分を素直にさらけ出し、その人に頼ること。
望月さんの場合、その役割は貂々さんでした。
◎第二章 私は、なぜ飛び降りたのだろう
うつ専門カウンセラー・澤登和夫 絵・青木秀一
自殺未遂から生還し、カウンセラーに転身した方の話。
退職・離婚を苦に飛び降り自殺したが、足のケガだけで助かった澤登さん。
治療中、たまたま電車で席を譲ったお婆さんに「ありがとう」と何度も言われ、
そこから気持ちが楽になったそうです。
言葉は人を活かしもするし、殺しもします。
◎第三章 なぜ“死にたい”と思うのですか?
~NHKに寄せられた五〇〇〇通の声 NHKディレクター 斎藤大輔
5000通のうち、「自殺を理解できない、関心がない」というのが二割を占めているそうです。
自殺ができるくらいなら、なぜ一人で悩まず、人に相談しないか不思議です(30代女性)。
気持ちが弱いと思います、死ぬ気でやってみれば何とかなると思います(50代男性)。
窮地に立ち向かう勇気のない弱い人間が自殺するのではないでしょうか(60代男性)。(82,83p)
こういう人がいる限り、国がどんな政策をしようが自殺は減りませんよ。
自分の人生を基準にしてしか、ものを見ていない。
たまたまうまくいっているだけかもしれないのに、全て自分の力でやり遂げたと思い込んでいる。
そして、弱気になっている人間に「死ぬ気でやれ」などと言って励ました気になる。
「死ぬ気」なんて言葉は一度死んでから使え。
死んではいけないということは私もわかっています。でもその衝動とか気持ちを抑えられないから苦しいんです。
わがままかもしれませんが、とりあえず気持ちを聞いて一緒に悩んでほしいんです(20代女性)。(90p)
そう、「死にたい」という気持ちを聞くだけでいいんですよ。
聞くだけ。否定も肯定もいらない。
それなのに、自分の成功体験を押し付けたり、
頑張りが足りないなどと、心に土足で踏み込むようなことを言う。
気持ちに寄り添うことを知らない人間が、あまりにも多い。
はっきりいって、82,83pのような意見を書く人たちが、自殺者を増やしているとさえ思う。
◎第四章 “安心して悩むことのできる社会”を目指して
自殺に取り組む僧侶の会 代表 藤澤克己
往復書簡を通じて、自殺者を減らす取り組みをしているお坊さんたちの会の話です。
あんまりきちんと読んでません。私、坊主嫌いなんで。
わけのわからん呪文や戒名で数十万巻き上げ、俗世では兼業で金儲け、
税金免除で高級車を乗り回す“聖職者”さん。
「いいこと」している気分になってるだけでしょ。
偏見? そうですね。
◎第五章 “地域力”でSTOP!自殺
NHK「“命”みんなで守る」制作班
地域ぐるみでの、自殺防止の取り組みを紹介。
静岡県富士市、東京都足立区、「秋田なまはげの会」が取り上げられています。
全然読んでません。
◎第六章 自殺のない「生き心地のいい社会」を目指して
NPO法人 自殺対策防止センター ライフリンク代表 清水康之
日本の自殺の実像、自殺支援の本質について解説。
2011年当時、日本では毎年3万人が自殺で亡くなっているそうです。
それ以降は3万人をきっているらしい。
参考資料:警察庁発表 自殺者数の統計
この数字はちょっと疑問。
東日本大震災、原発事故の影響による自殺はちゃんとカウントされてるのだろうか。
◎第七章 自殺者を激減させたフィンランドの国家戦略
~日本の自殺予防対策、これからの課題を考える
秋田大学大学院医学系研究科准教授 佐々木久長
国家レベルで自殺予防対策に取り組んだ、フィンランドの事例を紹介。
これも読んでません。
なぜって、第三章で「自殺が理解できない」「自殺は弱い人間がするもの」という声が二割もある限り、
どんな制度を整えようが無駄だと思うからです。
◎まとめ
今、苦しんでいる人は、第一章と第二章だけ読めばいいと思います。
同じ体験をした方の話が書いてあるので。
第三章の82,83pは心の健康のために飛ばすべきです。
余裕があるか、うつでない方だけ、家族にうつの方いる人だけ、
第三章以降を読めばいいと思います。
NHK「生活ほっとモーニング」で、2009年12月1日~12月3日にわたって放送された
「“命”みんなで守る」の内容をもとに作成された。
自殺未遂者の体験記や、自殺者を防ぐ人々の取り組みをまとめている。
自殺者三万人を救え!-“命”みんなで守る社会戦略
◎構成
第一章 望月昭・細川貂々
第二章 澤登和夫
第三章 斎藤大輔
第四章 藤澤克己
第五章 NHK「“命”みんなで守る」制作班(吉田卓哉、斎藤大輔、鵜飼俊介、平田知弘、青山浩平)
第六章 清水康之
第七章 佐々木久長
第一章は、「ツレがうつになりまして。」シリーズで知られる「ツレ」こと望月昭さんが、
自らの体験をもとに「死んでしまいたかった時期」について語っている。
「ツレうつ」作者の細川貂々さんは、挿絵と表紙を担当。
細川貂々さん・望月昭さんご夫妻の関連作品の感想は、
カテゴリからご覧ください。
他の章についても、簡単に感想を。
◎第一章 死んでしまいたかった僕と支えた相棒
文・望月昭 絵・細川貂々
望月昭さんの、うつ病時代の体験記。
三年間という時間をかけ、望月さんはうつから立ち直りました。
薬、認知療法などありますが、一番効くのは時間ということです。
きれいに、きちんと、さっぱり治るようなことはなかったけれど、
だらだらと、ぐずぐずと、カッコ悪く、僕は回復しました。(12p)
それと、望月昭さんは2つの余裕のなさについて語っています。
「自分自身の余裕のなさ」
一度ドロップアウトすると、這い上がるのが難しい。
正社員を辞めると、「もう駄目だ」と思ってしまう。
また、男性は外で身を粉にして稼ぎ、家庭をかえりみる余裕がない。
それがいまだに標準とされている。
「世の中の余裕のなさ」
助け合いやご近所づきあいがなくなり、
困った人がいても「自己責任だから、自分で何とかしてね」で片付けられる時代になった。
そうした余裕のなさが、困った人を追い詰めている。
どうすればいいのか。
家族でも友人でも医者でもいい、弱った自分を素直にさらけ出し、その人に頼ること。
望月さんの場合、その役割は貂々さんでした。
◎第二章 私は、なぜ飛び降りたのだろう
うつ専門カウンセラー・澤登和夫 絵・青木秀一
自殺未遂から生還し、カウンセラーに転身した方の話。
退職・離婚を苦に飛び降り自殺したが、足のケガだけで助かった澤登さん。
治療中、たまたま電車で席を譲ったお婆さんに「ありがとう」と何度も言われ、
そこから気持ちが楽になったそうです。
言葉は人を活かしもするし、殺しもします。
◎第三章 なぜ“死にたい”と思うのですか?
~NHKに寄せられた五〇〇〇通の声 NHKディレクター 斎藤大輔
5000通のうち、「自殺を理解できない、関心がない」というのが二割を占めているそうです。
自殺ができるくらいなら、なぜ一人で悩まず、人に相談しないか不思議です(30代女性)。
気持ちが弱いと思います、死ぬ気でやってみれば何とかなると思います(50代男性)。
窮地に立ち向かう勇気のない弱い人間が自殺するのではないでしょうか(60代男性)。(82,83p)
こういう人がいる限り、国がどんな政策をしようが自殺は減りませんよ。
自分の人生を基準にしてしか、ものを見ていない。
たまたまうまくいっているだけかもしれないのに、全て自分の力でやり遂げたと思い込んでいる。
そして、弱気になっている人間に「死ぬ気でやれ」などと言って励ました気になる。
「死ぬ気」なんて言葉は一度死んでから使え。
死んではいけないということは私もわかっています。でもその衝動とか気持ちを抑えられないから苦しいんです。
わがままかもしれませんが、とりあえず気持ちを聞いて一緒に悩んでほしいんです(20代女性)。(90p)
そう、「死にたい」という気持ちを聞くだけでいいんですよ。
聞くだけ。否定も肯定もいらない。
それなのに、自分の成功体験を押し付けたり、
頑張りが足りないなどと、心に土足で踏み込むようなことを言う。
気持ちに寄り添うことを知らない人間が、あまりにも多い。
はっきりいって、82,83pのような意見を書く人たちが、自殺者を増やしているとさえ思う。
◎第四章 “安心して悩むことのできる社会”を目指して
自殺に取り組む僧侶の会 代表 藤澤克己
往復書簡を通じて、自殺者を減らす取り組みをしているお坊さんたちの会の話です。
あんまりきちんと読んでません。私、坊主嫌いなんで。
わけのわからん呪文や戒名で数十万巻き上げ、俗世では兼業で金儲け、
税金免除で高級車を乗り回す“聖職者”さん。
「いいこと」している気分になってるだけでしょ。
偏見? そうですね。
◎第五章 “地域力”でSTOP!自殺
NHK「“命”みんなで守る」制作班
地域ぐるみでの、自殺防止の取り組みを紹介。
静岡県富士市、東京都足立区、「秋田なまはげの会」が取り上げられています。
全然読んでません。
◎第六章 自殺のない「生き心地のいい社会」を目指して
NPO法人 自殺対策防止センター ライフリンク代表 清水康之
日本の自殺の実像、自殺支援の本質について解説。
2011年当時、日本では毎年3万人が自殺で亡くなっているそうです。
それ以降は3万人をきっているらしい。
参考資料:警察庁発表 自殺者数の統計
この数字はちょっと疑問。
東日本大震災、原発事故の影響による自殺はちゃんとカウントされてるのだろうか。
◎第七章 自殺者を激減させたフィンランドの国家戦略
~日本の自殺予防対策、これからの課題を考える
秋田大学大学院医学系研究科准教授 佐々木久長
国家レベルで自殺予防対策に取り組んだ、フィンランドの事例を紹介。
これも読んでません。
なぜって、第三章で「自殺が理解できない」「自殺は弱い人間がするもの」という声が二割もある限り、
どんな制度を整えようが無駄だと思うからです。
◎まとめ
今、苦しんでいる人は、第一章と第二章だけ読めばいいと思います。
同じ体験をした方の話が書いてあるので。
第三章の82,83pは心の健康のために飛ばすべきです。
余裕があるか、うつでない方だけ、家族にうつの方いる人だけ、
第三章以降を読めばいいと思います。
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