生徒諸君!(庄司陽子)
結構前から、会社の上司(男)に薦められていた庄司陽子の「生徒諸君!」。
6月に文庫版を一気読みしました。

間違いなく面白い作品です。
男女、世代に関係なく読み継がれると思います。

自分は30代でこれを呼んだわけですが、たぶん10代で読んでいたらかなりの影響を受けたと思う。
「悪たれ団」を作るまではしませんけど。

最初は実は退屈でした。
パワフルな女子中学生ナッキーこと北城尚子が勉強、部活、イベント、恋と頑張る話。
でもこんな子が実際にいたら周りは疲れるだろうな、と思いながら読んでました。
お嬢様でしたって設定もちょっと。東京に豪邸て、親父どんだけ商才あんの、と思ってしまう。

しかし、5巻から変わった。ぐいぐい読ませるようになった。

病弱の双子の姉・マール(真理子)が亡くなって、精神的ショックから母親がナッキーをマールと思い込む場面。
そこから立ち直るまでのくだりは、少女漫画の枠を越えた、人間の心の弱さと強さを描いていると思う。
ここから後は最終巻まで一気に読んだ記憶があります。

6巻は初音が暴行されるし(近所のオバちゃんの反応が生々しい)、
8巻の遠峰さんと岩崎の恋愛は最初っから破滅しか見えないし(代わりではね)、
少女漫画でこんな重いのアリなのか……と。
だから最後まで読んだとも言えますね。
ただ惚れた腫れた、だけの漫画なら途中で脱落していたと思う。

愛が受け入れられないせつなさが、大人になった今だと染みますね。

連載時期は1977〜85年。
ちょうど自分(81年)が生まれて間もない頃。
今と昔じゃ学校は様変わりしましたが、ずっと変わらないものもある。
そういうのを確認させてくれる、いい漫画です。

しかし一つ文句を言わせて欲しい。
文庫版9巻! 表紙見返しで作者が「沖田が死んだ時は泣きました」て!
9巻のネタバレじゃないですか。私、初見だったんですけど。
いくらとっくの昔に終わった漫画とはいえ、ちょっと配慮して欲しかった。

<ツッコミどころ>
・飛島先輩。こんな中学生おらんて。大学生ぐらいに見えるわ。
・大阪の番長を一発でノすほどの沖田のパンチに岩崎が耐えたこと。手加減してたのか。
・高校編、鳥飼さんが2年連続女子バスケ部の主将をやっている(と思える)。
・遠峰さん。「髪を埋めて」って重すぎるわ。
・運転免許取得を長々と描く意味があったのだろうか。
| 漫画・本::庄司陽子 | 22:21 | comments (0) | trackback (0) |
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