細川貂々「その後のツレがうつになりまして。」
細川貂々さんの、夫(通称ツレ)のうつ病をテーマにしたコミックエッセイ。
通称、「ツレうつ」シリーズ第2弾。

細川貂々さん・望月昭さんご夫妻の関連作品の感想は、
カテゴリからご覧ください。

◎内容
2007年11月発行。現在は文庫版あり。
その後のツレがうつになりまして。 その後のツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

貂々さんの後書きによると、元々続編を書くつもりはなかったそうです。
第1弾と「イグアナの嫁」(※)で、ツレのうつについては書ききったから、というのが理由。

※ペットのイグアナと、夫婦の歩みについて書いた本。後に別シリーズになる

しかし、ツレさんが自分なりに立ち直って社会復帰していく様子を見て、
まとめなければいけない、と考え直したとか。

・「ツレうつ」を執筆しようと思ったきっかけ
・出版後の予想外の反響
・うつ病の寛解後、ツレさんがどのように変わったのか
などが書いてあります。

以下、印象に残ったくだり。

ツレさんは「断ることができない性格」
しんどくても、新たな仕事を頼まれるとつい引き受ける。積み重なると、負担になる

うつ病で会社を辞めるか、辞めないか
書かれてる通り、いきなり辞めずに休職、というのがよくある対処法。
ただ、これは絶対ではないと思う。復帰しても再発しそうなら、辞めるのも選択肢の1つ。
それに、休職制度があっても使わせてくれない会社(上司、社内の雰囲気)もありますし。

あ・と・で
ツレさんが自分なりに考えたモットー。
・あ……あせらない
・と……(自分を)特別扱いしない。ダメ人間だ、などと考えない
・で……できることはやる、できないことは諦める
「後で」、判断をとりあえず保留する、という意味もあるとか。

こんなとき、どうする?
Part4はうつの症状が発生した時の、貂々さん夫妻なりの対処法が書いてます。
参考になるところは取り入れましょう。

特に「かかりつけの医者や薬を疑う」は、まずい対処のひとつ。
「薬は毒でもある」という考えの人が、安易にこういう事を言ってしまいがちです。
でも、比べてみてください。
・本でかじった程度の知識で、薬を毒と決めつける一般人
・論文を読み書きし、多くの患者を診察し、経験を積んだ医者
どちらが信頼できるか。

うつ病はなまけ病?
ツレさんは「自分はただ怠けているだけなのでは?」と考えることもあるとか。
確かに、そうかもしれない。
それだけ、うつ病はつかみどころのない病気です。

ただ、怠けるのは悪いことではない。
モーレツに働け、空き時間で自己啓発しろ、仕事は与えられるんじゃなく作るもんだ、
というのについていける人ばかりではないです。
怠けを受け入れ、適当に怠けながら食える生き方を探った方がいいのではないか。
私はそう思います。

「けしからん」などという、昭和の化石みたいな人のいう事は無視したらいい。
世代によって、人によって、楽な生き方は違うのだから。
| 漫画・本::細川貂々/望月昭 | 22:01 | comments (0) | trackback (0) |
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