河原和音「彼の一番好きなひと。」(別冊マーガレット1991年4月号)
かねてから一度読んでみたいと思っていた
河原和音先生のデビュー作「彼の一番好きなひと。」ですが、
別冊マーガレット本誌が手に入ったので読んでみました。

掲載されたのは1991年4月、今から24年前。
古さを考えると、今後単行本や文庫に収録されることはないと思われる作品。
でも先生のプロフィールには必ずこの作品名が書いてあるので、読者としては気になるところ……。

以下、内容を書きます。

◎概要
第274回NEW別マまんがスクール 佳作受賞作。16ページ。
応募2回目で、前回は期待賞。

金賞、銀賞、佳作、努力賞、期待賞、A・B・Cクラスの順に評価が高い。
第274回は金賞・銀賞該当作がないため、河原先生の作品が最優秀。

先生18歳の時の作品。
若い、と思ったが他の同期受賞者の方もだいたい10代。すげえや。

なお、タイトルは「彼の一番好きな人」「彼のいちばん好きな人」などと誤記されることが多いが、
正しくは「彼の一番好きなひと。」である。⇒証拠写真


◎あらすじ
主人公の羽紫音絵は川崎という男子がひそかに好きでした。
でも、華やかな女子・伊良部の修学旅行の写真を川崎が買うことを知り、
動揺して理科の実験でケガしたりしてしまいます。

保健室で治療を受けた後、川崎から「放課後話がある」と言われ、
期待する音絵。

2人が会っていたと人づてに聞いた伊良部さんは、
音絵を「女としての魅力がない」とストレートに馬鹿にします。
たまたまそれを聞いていた音絵と、つかみ合いの大ゲンカに。

放課後、落ち着きを取り戻した音絵は、
川崎から「伊良部を好きなのは斉藤だから」と言われます。
問いただそうとする音絵ですが、川崎は逃げるように下校。

追いかける音絵は、修学旅行の写真の掲示板の前で足を止めます。
自分の写真の下に、「羽紫音絵」、
もうひとつ「川崎!!」と大きく書かれていたのでした。


◎感想
まず思ったのが、主要人物に野球選手の名前つけるのは昔からなんだな、ということ。

伊良部は伊良部秀輝(91年当時千葉ロッテ……合掌)からだろうし、
川崎は川崎憲次郎(同じくヤクルト)の可能性が高い。
羽紫というのはわからないけど。

その後、高校デビューでは長嶋・小宮山と主役の苗字の元ネタがこれまたわかりやすい。

そして女子の口調がかなり乱暴です。
「持ちあるいてねーよ そんなもん」「あー?」「てめー」「信じらんねえ」「ざけてんなあ」と
スケバンみたいなしゃべり方のオンパレード。

伊良部さんの見た目は確かにスケバン風だからわかるけど
(バストアップばかりだが、ロングスカートに違いない)、
おかっぱ頭でちょっと陰気な音絵までこんな口調。
当時の女子高生って、これが普通だったの?……記憶がないので何とも。

ちなみに川崎はスポーツ刈りのイケメンです。

女子同士の取っ組み合いというのも、後の作品では中々ない……と思ったが、
「高校デビュー」で、晴菜が先輩女子から袋叩きにされる場面がある。

あとは時々ビンタするシーンもある。
「先生!」で島田が白川に、「青空エール」で春日先輩がつばさにやってます。
こうして挙げてみると、河原作品はたまにバイオレンス。

展開や描写はわかりづらく、理解までにちょっと時間がかかります。
誰のセリフかわからない吹き出しもあるし、バストアップが多く場面の切り替えもつかみづらい。
でも投稿2作目ということを考えると、当然というかむしろハイレベルかもしれない。

モノローグのキレや、表情の変化、ラストの見せ方はうまいです。
読み手の期待をいい意味で裏切り、インパクトを与えることができている。
講評で「プロの水準」とあるのもわかる気がする。

やっぱり勿体ないから何かの機会に収録した方が……いや無理か……。

修学旅行の各生徒の写真を掲示板に貼りつけて、
購入希望者がそこに名前を書く
ってシチュエーションが今だとピンときませんよね。
昔は、プロのカメラマンが旅行に同行して撮影を請け負ってたのですが、
今の高校生は各自の携帯で撮ってしまうだろうし。


◎欄外の河原先生コメント
生まれた時から北海道にいるくせに、スキーがまったくダメな私。
だれか上達のコツを教えてください。


◎余談
この号の他の掲載作品は、
・イタズラなKiss(多田かおる)
・君はぼくの太陽だ(聖千秋)
他、さいきなおこ、斉藤倫、佐野未央子、いくえみ綾、紡木たく、名取ちづる、など。

「イタズラなKiss」は、ドラマを見た記憶がおぼろげにある。

あと裏表紙見返しに「日ペンの美子ちゃん」
実物、初めて見ました。
| 漫画・本::その他の河原和音作品 | 19:35 | comments (0) | trackback (0) |
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