河原和音「青空エール」53話感想(別冊マーガレット2013年9月号)
青空エール53話の感想です。
別冊マーガレット2013年9月号掲載。



今月号の表紙は楽器の積み下ろしをやってる吹奏楽部。
赤ブレザーが格好いいぜ。
関係ないけど、数年前から自分の母校も演奏時のブレザーを緑から赤にしてる。
気合が入る色なのかしら。

これまでのお話はカテゴリからどうぞ。

全国大会前日。
白翔高校吹奏楽部は、国際学園という大学内のホールを借りて最後の練習。
メンバー外のつばさにできるのは、祈るのみ。

その夜。
山田との短い電話を終えたつばさの前に、ぶらついている水島が。
何気なく問いかけます。

「全国に出てる学校のこと どれぐらい知ってる?
洛と県立習栄って部員200人超えてるの知ってる?」

つばさはノーリアクションですが、水島は続けます。

2校はTpパートだけで30人。一般の常連校は100人超えるのが普通。
一方、白翔は72人。
Tpパートはたった9人。

そして、「今年のほうがTpパートは吹けてないと思う」。

「人数いないから仕方ないけど でもそれであきらめるのってしゃくだよね」
言いたいことだけ言うと、水島は部屋に戻りました。

メンバー外のつばさに、なぜこんなことを話したのか……。

水島の心理を察するに、

1.金賞は厳しい
2.でも簡単にあきらめたくない、誰かに話して気合を入れたい
3.コンクールメンバーに話して盛り下がっても嫌だから、つばさ相手に話した

という感じでしょうか。

翌日、普門館。

つばさや瀬名以外の一年生2人が客席から見守る中、
白翔の演奏開始。

がんばって まるちゃん
先輩 がんばって
水島くん 瀬名 香織先輩 がんばって


って、このコマの水島、瀬名、香織先輩の吹いてるトランペットが長えー!
例えるならトロンボーンみたいににゅーーーーーーて管がのびてる!

調べてみると「ファンファーレトランペット」と呼ばれる特殊なものらしい。
比較用に並べると、左:一般的なトランペット、右:ファンファーレトランペット。
 

ファンファーレトランペットは、たぶん「シバの女王ベルキス」のファンファーレ部分で使うんでしょう。
途中で普通のと持ち替えたりするのか、一曲ずっとそれで通すのかは、私にはよくわかりません。
とにかくひとつ勉強になった。

演奏が終わればすぐ撤収。
楽器は会場に横付けしたトラックに積み込みこます。

ところが、思ったより時間がかかり、気づけば結果発表の時間に。
そこへペットOGの皆さん(春日、森、山根)が登場。
積み込みをOGにまかせて、つばさや水島は会場へ戻ります。

結果は……

「11番 札幌白翔高校 銅賞」

ちなみに水島が名前を出した県立習栄はゴールド金賞。

銅賞といっても全国大会の銅賞だから、
地区大会どまりの高校から見れば充分すごいんですが……もちろん誰も嬉しくないわけで。

杉村先生が、審査員からの講評を読み上げます。

・課題曲は丁寧にまとめられていたが平面的
・全体的に音がぶら下がり気味
・トランペットのユニゾンがうまくいっていない
・金管も木管もよく鳴らせているが、フォルテとピアノの音色に差がない

ちょっと解説(あくまでも私見)。

◎審査員
演奏を評価する人たち。
彼らの評価で金銀銅が決まります。
メンバーは複数人。プロや高名な指導者から選ばれます。

◎平面的とは?
奥行きがないとも表現します。
音が遠くまで響いてない、ということです。
なかなか私も理解してないのですが、ただ音を出すのと、ホールや聴衆全体に響かせるのとでは
音が全然違ってくるのです。

どんなジャンルでも、うまいバンドや楽団は体の芯まで音が刺さったり
痺れるほどの圧力がありますね。それが奥行きではないかと。

もっとも白翔は全国まで出ているわけですから、平面的といっても
高いレベルでの話でしょう。

◎ぶら下がるとは
音程が理想よりも低くなること。
ぶら下がる原因は、疲労や緊張で普段どおりの演奏ができていないため。

◎ユニゾンとは
パート内の全員が同じメロディをやる部分のこと。

◎フォルテとピアノの音色に差がない
フォルテ=強い、ピアノ=弱いというのは基本。
ただ強弱をつければいいのではなくて、そこに強弱記号を書いた作曲者の意図をくみ、
音色まで演奏者なりに表現する必要があります。

演劇でも怒鳴ったりひそひそ話す場面がありますが、
役者さんは単にでかい声・小さい声を出しているわけではないですね。
それと同じです。

夜。
つばさは山田にメール。
長々と書いたのを消去し、「残念 来年がんばる」とだけ送ります。

すぐさま山田から電話が。
いつも思うけど、こいつのつばさ危機察知能力はすげえな。タキシード仮面並みだよ。

「小野 泣いてんの?」
「泣いてない メンバーでもない私が泣いてたらおかしいもん」
「泣けばいいじゃん 泣きたいんじゃないの?」

そこで、つばさは涙をこらえきれなくなる。
「全国がどんなところかもしらなくて 私が来ても何もできないよ すっごく甘かったよ」

例えるなら、甲子園を目指す高校球児がPL学園や大阪桐蔭を知らないようなもんで。
仕方ないとはいえ、あまりにもつばさは無知だったのです。

レベルの違い 力の差
がんばったところで どうにかなると 思えなくなった


翌日。
某テーマパークをまるちゃんとまわるつばさですが、浮かない顔。
まるちゃんも水島に告白という気分ではないらしい。

パークは他の出場校の部員も回っており、つばさは洛高の部員と記念撮影。
水島は華心女子に声をかけられます。
水島は「かわいい」らしい。つばさも最初女子と勘違いしてたしね。

つばさはブルーモード続行中。

やっぱり私は甲子園の応援だけめざして
全国目指すのやめたほうがいいんじゃないかな


重症です。

気分が悪くなり、一人ベンチで休むつばさ。
そこへ水島がやってくる。
「遊園地で遊ぶ気分じゃないよね」

そして、唐突に1年生3人(瀬名、山根、佐竹)を呼び出す。

「全国の結果どう思った? オレはレベルが違うと思った」

「銀賞くらいはとれると思ってた でも甘かった」

「県立習栄の超絶技巧 華心女子の爆音 あと1年がんばってもうちにはできない」

「だけどそれができなくても金とってる学校はある
オレはこのメンバーで金目指すのは無謀じゃないと思ってる」

パートリーダーとしての決意を語る水島。

「奇跡は起こらないってわかった オレたちが強くなるしかない
昨日の審査発表を見たのはオレたちだけだ あそこで感じた気持ちを来年につながないと意味がない!」

審査の結果発表を見るのと、後から「銅賞」って聞くのは同じことに思えるかもしれませんが、
決定的に違う点があります。

他の学校が「金賞」と発表されて大喜びする中、「銅賞」で終わる屈辱。
これは発表の場にいないとわかりません。

しかし水島、他人をその気にさせるのがうまくなりました。
リーダーなりたての頃はやる気のない人はいなくていい、みたいな感じだったのに。

水島はつばさのケアも忘れません。

「オレがパートリーダーになってから 小野さんのことは初心者だと思ってなかった
だからもう高校で始めたとか そういうことは言わないで
小野さんは いままでみたいにあきらめないでついてきて」

「もう オレたち2人は来年が最後なんだ

いい。
すごくいい。


上級生が最後の大会を終え、主人公が最上級生になって最後の挑戦が始まる。
高校の部活特有の悲壮感というか、意気込みがよく感じられるいいシーンだ。

でも、水島の顔がちょっと雑だ……丸に顔ちょいちょいって描いたみてえ。
もともと作画で読んでるわけじゃないけど……いちおうイケメン(カワイイ?)枠なんだからさあ……。

つばさは、水島リーダーについていく決意を新たにします。

その夜、高校に戻った吹奏楽部。
解散したところで、練習帰りらしき山田がやってきます。

「考えたんだけど やっぱり『なんにもできない』なんてことはねえよ!!」
「うん」

山田が締めて、つばさが元気よくこたえて終了。以下次号。

<感想というかウンチク?>
今月は水島がいい。
現実が厳しいとわかった上で、それでもチャレンジする。
部活漫画はこうでなくては。

さて、今月は全国大会出場校がいくつか出てきました。
元ネタを探ってみましょう。
県立習栄⇒習志野(千葉)、埼玉栄(埼玉)
華心女子⇒精華女子(福岡)
洛⇒淀川工(大阪)、洛南(京都)

習志野、埼玉栄は野球部も強いですね。
野球部と吹奏楽部どちらも強豪というのは私学に多いです。
例えば2011年 第59回全日本吹奏楽コンクール高校の部の結果を見ると、甲子園でよくみかける校名がいくつかあるとわかります。

最後に、水島のセリフ
県立習栄の超絶技巧 華心女子の爆音 あと1年がんばってもうちにはできない
だけどそれができなくても金とってる学校はある

について。

特色は学校によって違うということです。
いい例えではないかもしれませんが、野球で投手がいいチームと打撃がいいチームがあるようなものです。
ハーモニー、技巧、表現力。
音楽の要素は色々あるので、どれか1つ持ち味を見つけて磨けばいいのです。
そのへんの描写をどうするか、来月号を待ちましょう。

<今月の河原先生>
non-noの岡本あずささん、佐藤ありささんとお話させてもらいました。
⇒10月号(8月20日発売)のnon-noに「マーガレット&別冊マーガレット50周年記念特集」があるので、
 そこに掲載されるのではないかと。はっきり書いてませんが。
 てことはnon-no読んでレビューすんの? 俺メンズnon-noすら読んだことないのに……。

<俺物語1行感想>
西城さんは巨乳。西城さんは巨乳。大事なことなので(ry

<宣伝>
青空エール13巻は8月末発売。先月号までの話が載ってます。
| 漫画・本::河原和音「青空エール」 | 23:11 | comments (2) | trackback (0) |
コメント
ときぞうさん、こんにちは。毎月ありがとうございます。

「単行本いつ買うの? 今で(略)」
と書きたいところですが、家計を預かるときぞうさんに無理強いはできませんね……

今回は、これぞ部活漫画、でした。HPは最後まで満タンでした。

音楽の大会という、漫画で表現するのが難しいところを読ませる構成はさすがベテランです。
こういう話があるから、ちょくちょくラブ展開を挟まれても耐えていける!

ヤボな突っ込みかもしれませんが、たしか水島は中学時代銅賞が普通だったかと。
仲間がやる気ないせいで。
序盤にちらっと書いてあったと思います。

何にせよ、水島には屈辱でしょうね。半ば覚悟していたとはいえ。
でもそれをパワーに変えていけるのは凄いです。大人でも中々できんことです。
メンタルの成長が素晴らしい。

淀川工業は、吹奏楽では名門中の名門ですね。
全国の常連で、野球なら一昔前のPL学園、今の大阪桐蔭クラスです。
指導者の丸谷さんという方も有名ですが、偉そうなところもなく、大変面白いおじさんです。


ではまた来月お会いしましょう。
| 惣一郎 | EMAIL | URL | 13/08/29 12:53 | Y945Kht2 |
惣一郎さんこんばんは。ときぞうです。いつもは家のPCからカキコミしますが、…何か逝ってるっぽいんですよね、我が家のPC。

あーもう本当にスマホって使いにくいー。(昭和40年代生まれ)

今月は、部活要素が濃かったですね。惣一郎さんのHPが下がることはなかったですよね。

さて、水島くんは、今までの吹部人生(って言っても10代)で「銅賞」なんて屈辱を味わった事なかったんでしょうね。

素人の私からしたら、「えー、全国で銅賞ならいいっしょー。」と思ってしまうんですが、そんなことではゴールド金賞どころか全国出場も覚束ないんだろうな…

ところで、淀川工業高校って名門だったんですね!私が中学生の頃、「熱闘甲子園」のエンディングは同校の演奏する「君よ八月に熱くなれ」という曲でした。懐かしいなー。

……実は、私は大介くんに甲子園行って欲しいんですよねー。じゃないと彼ならホントにつばさと付き合わなさそう。

大介「オレ教師になる!それで監督になって野球部を甲子園に連れていく!そうしたら付き合おう。」
つばさ「うん、待ってる。」
私「あんたらそん時幾つよ」

妄想劇場 終

完結したら、単行本を大人買い予\定(笑)。ではまた来月やって来ます。
| ときぞう@道央 | EMAIL | URL | 13/08/28 21:22 | wq2E0k76 |
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