マーガレットNo5(2018年2月20日号)感想
表紙は「ふつうの恋子ちゃん」です。
もちろんテーマはバレンタイン。


マーガレット 2018年 2/20 号


キスした表情はあえて見せない、
隠すことでより想像力を高める手法。憎いね。

今回の感想、末尾にぐちぐち書いてます。
作品に対してじゃなく、出版社に対して。
ぼやきが多くて申し訳ない。

これまでの感想は
漫画・本 マーガレット

◎感想
◆愛が死ぬのはきみのせい/桃森ミヨシx鉄骨サロ
「菜の花の彼」コンビが返ってきました。
今回は……一言でいえば、SF。

ヒロイン愛生(あおい)とヒーロー一墨(いすみ)は隣近所の幼なじみ。
小学生のころ、山の秘密基地で愛生から告白。
でも、なぜかその直後の記憶が抜け落ちたまま、現在に至る。

高校生となった現在は、メルアドもLINEも知らない疎遠な仲。
一墨は女子にモテまくり、愛生など意識してない(ように見える)。
憂さ晴らしに腕相撲する日々。
なぜか、愛生は右腕だけ異様に腕力があった。

愛生はふんぎりをつけようと、
放課後、山の秘密基地の跡地へ向かう。

彼女に飛来する、謎の光る球体。
かばった一墨は(後をつけてた)、
漫画みたいにまっぷたつになる(漫画だけど)。

元通りくっついた? 一墨は、
別人のようになれなれしくなっており……。

あらすじ以上。

安直ですが、『光』は宇宙人的存在で、
ヒーローは乗っ取られた、ってことになるのかな。
ヒロインの右腕にも、何か宿っていると。

寄生獣(岩明均)
ハニバニ!(いくえみ綾)
パラパル(石田拓実)

といった作品を思い出す展開ですね。

SFの難しいところは、
世界観や独自のルールの作りこみが必要で、
その分、恋愛やトキメキ描写に割くページが少なくなる点にある、と思う。

もちろん、そんなことは先生方も百も承知でしょう。
どんな展開にするか、楽しみです。

◆ふつうの恋子ちゃん/ななじ眺
今回もリア充爆発しろなお話です。

今までも、恋子と剣、2人だけの世界は
読んでる方が恥ずかしいパワーがありましたが、
過去最高の恥ずかしさです。

今回はお互いの誕生日プレゼントのシャツを買う、という話です。
このつつましさ、高校生のリアル感ありますね。
でも、お互いを想いあう2人に、物の値段なぞ関係ないわけ。

少女漫画だと、カップルが成立したら
お邪魔虫かライバルが出てきそうなものですが、
この漫画、そういう展開にしない。

高校生カップルがイチャイチャしてるだけ。
でも読ませるし、面白い。
何より幸せそう。
日常の幸せをかみしめる、そういう漫画です。
派手さや波乱など、いらない。

もうひとつ、剣くんが良識ある人間、というのもポイント。
恋子が急にバイトに行くことになっても
「バイト行きなよ」と言えるところ、非常に人間ができています。
もちろん、その分の埋め合わせはする(ハグ的な意味で)。

完璧ですね。
18になったら即・結婚してください。

◆アナログドロップ/あいだ夏波
オンナの友情成立は、
「殴り合ったらダチ」のオトコとは一味違って面白い。

◆メイちゃんの執事DX/宮城理子
執事は銃弾もかわせる。
もうドラゴンボールに出てきても違和感ないな、この人たち。

◆ベルサイユのばら ロザリー編/池田理代子
完結です。

若いのに人生の選択が自分でできるフランソワ君は、すごいと思う。

◆椿町ロンリープラネット AKATSUKI100%クリアファイル
今回のおまけ。
実のところ、絵は年始の付録のカレンダーの使い回し……いやなんでもない。

カラーをそうそう量産できるわけもなし。
少なくとも、マーガ以外の漫画関連の付録より、ずっといいと思う。

◆ナキカレ/星井うみ
女の涙はいくらでも出てくるけど、男の涙は珍しい。
目の付け所がいいですね。

◆ショートケーキケーキ/森下suu
理久と鈴、水原家の過去を白岡が語る。

主役キャラの出番がほぼない上に、
少女漫画らしからぬ、めちゃめちゃ重い話。
よく、こんなエピソードを描いたものだと思います。

・理久と鈴は、血のつながっていない兄弟
・鈴の両親は晩婚で、長年の不妊治療の末に鈴を授かった
・鈴の母は水原家(地主か由緒正しい家)の一人娘、父は入り婿
・理久の母は、鈴の母が開いていた教室(工芸?)の生徒
・高校生で(おそらく)望まぬ妊娠をし、
 理久を教室に置き去りにし、いなくなった
・鈴の両親は理久を引き取り、養子にする
・その後、鈴の両親は他界(と思われ)
・水原家は、理久、鈴、鈴の祖父、白岡(母が水原家の家政婦)という構成

同い年の実子と養子。
そりゃ、仲良くするのは難しい。
くわえて、理久は実の両親について何も知らない。
道理で、子どもらしからぬ言動をするわけだ。

理久のバックボーンをここまで考えていたのもすごいし、
こんな重い話にまるまる一話使ったのもすごい。

「こんなドロドロいいからイチャイチャ描け」って意見もあるかもしれませんが、
私は、面白いと思います。
雑誌だからいろんな漫画があった方がいい。

それにしても、男には何とも言いづらい話でした。
妊娠・出産は、女性に一方的に重圧と負担とリスクがある。
それが現実なんだなと。

◆僕に花のメランコリー/小森みっこ
弓弦は学年成績20位以内。
ヒーローは基本何でもできます。まあ、漫画だし。

◆空色レモンと迷い猫/里中美華
渚、幼なじみと再会するべく土日で東京へ。
当然のようについていく大和。

尾道⇔東京を

行き 新幹線
帰り 夜行バス

2-3万はかかりそう。
渚は、お小遣いかお年玉はたいたのだろうか。

◆アナグラアメリ/佐藤ざくり
家族間の悩みを相談しなかった、
ささいなことをきっかけにケンカになる、あめりと帝斗。

帝斗、珍しく器が小さい……と思うが、
高校生の男なら無理もないところ。
そして、あめりは初めての恋愛なので、
自分から修復する強さがない。

佐藤先生のリアルさの交ぜ具合は、毎回うまいですね。

◆矢神くんは、今日もイジワル。/藍川さき
楓がちゃんと敬語を使えることが意外(失礼だな)。

◆神様のえこひいき/小村あゆみ
鈴さんと新キャラ・由起彦が出ずっぱり。

由起彦の恋愛慣れは相当なもんですが、
それを上回る鈴のしたたかさ。
これが恋の駆け引き。

そして由起彦は両刀。
まあ、小村先生だし。この程度はジャブみたいなもんですね。

◆セイフクの女王様/花松あやか
女子高生の足スリスリしてえー。

◆モトサヤ/ほしの瑞希
最終回。
単行本2巻で収まるところで完結。

ラストは、萌々里の部屋で愛を確かめ合って終了(意味深)。

時々挟まる小ネタと馬鹿馬鹿しさが好きでした。
また連載お願いします。

ちなみに2巻は瑛作の全裸です。肩から上の。

◆瞬間グラデーション/ひろちひろ
「ワンピース62巻返せ」ってセリフが、中高生あるあるで良い。

◆彼氏サマにはあらがえない/須賀千夏
彼女の足にボールペンで悪戯してはいけない。
舐めないだけマシか。

◆Jewelry -はねと小鳥の素晴らしき日々-/岩ちか
夏休み。
彼氏と仲のいい女友達。湧き上がるジェラシー。

若干、世奈と羽音が似ていて、
世奈が浅黒くないと見分けがつきづらい。

◆円谷さん家/あだち
コメディのバレンタインはバイオレンスである。

◆うしろにS子さん/森ゆきえ
幽霊について、突き詰めて考える回。
考えても怖いものは怖い。

◆マーガレット恋愛部/あだち
あだち先生は三十路らしい。
その年でプロレスやらマッチョのケツとか言ってるのは……
もう……それ以上は言うな。


◎その他
「きみはこわれた王子くん」はお休み。
「椿町ロンリープラネット」は作者都合により休載。

休載自体は、別に誰しもあることだから、いいと思う。
むしろ、やまもり先生は休んだ方がいいと思うくらい。
明らかに、マーガ表紙と巻頭カラーの頻度が高いので。

それより気になるのは、休載をなぜアナウンスしないのか、という点。
ロンプラはマーガの看板作品なわけですよ。
でも、雑誌を買わないと休載はわからない。
しかも最後のページ、目次の隅っこに書いてあるだけ。

隅から隅まで読んでガックリした方がいると思うと、やるせない。

マーガレットは公式ホームページがあり、
twitterアカウントもあるのに、そういうアナウンスはしない。
これは不親切じゃないですか。

アナウンスすれば、そりゃ売り上げは落ちます。伸びるわけない。
そういう企業の理屈はわかる。
でも、雑誌の売り上げなんて、もはや微々たるものでしょう。
であれば誠意を売るってのはどうですか……甘いかな。
| 漫画・本::マーガレット | 21:00 | comments (0) | trackback (0) |
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