2015,06,07, Sunday
2011年4月、オレンジページ発行。
マンガ・細川貂々。監修・牧野真理子(医学博士、牧野クリニック診療部長)。
うつにもいろいろあるんです。(オレンジページムック)
うつのタイプ別症状、うつと併発しやすい心の病気について解説。
「ツレがうつになりまして。」シリーズで知られる、細川貂々さんの漫画つき。
96ページと短いので読みやすい、「うつ」の入門書。
細川貂々さん・望月昭さんご夫妻の関連作品の感想は、
カテゴリからご覧ください。
◎初出
オレンジページ『元気がでるからだの本』2008年春号~冬号、
および『からだの本』vol.1~8に掲載した内容をもとに、加筆・再構成したもの。
◎構成
第1章 いろいろなタイプのうつ病
・うつ病
・産後うつ
・新型うつ病
・冬季うつ病
・気分変調性障害
・双極性障害
第2章 貂々&ツレのスペシャルインタビュー うつは生き方を見直すとき
第3章 うつと併発しやすい心の病気
・パニック障害
・適応障害
・摂食障害
・社会不安障害
・強迫性障害
・境界性人格障害
役立ち情報
・病院選び
・受診の仕方
・身近な人がかかったら
・勤め先への対応
・公共のサポート
・再発のチェック
・薬は治療の柱です
◎第1章
第1章は、様々なうつについてタイプ別に解説。
それぞれ典型的なサイン、発症のメカニズム、治療方法についてまとめてあります。
注意点1 この本は入門書
各症状は8ページしか割かれていません。
読みやすい反面、突っ込んだことは書いていません。
うつは、人によって症状が少しずつ異なる病気です。
回復期間も差があります。
適した治療法も、手探りで見つけていくものです。
うつを理解したいと思って読む方は、あくまでも入門書だと思って読んでください。
書いてある内容と症状が一致する・しないにこだわらない方がいいです。
注意点2 「新型うつ」
正式な医学用語ではありません。
お医者さんによっては、「ない」と言い切る方もいます。
⇒細川貂々&大野裕「ツレと貂々、うつの先生に会いに行く」
私のかかりつけ医の先生によると、「マスコミと不勉強な医者が広めた造語」だそうです。
「甘やかされて育った若い世代のなまけ病」という意味合いで使う方もいます。
育ちがどうだろうが、苦しんでいる人間に対して安易にレッテル貼りするもんではないと思う。
「新型うつ」という言葉は、気軽に使わない方がいいです。
タイトルに「新型うつ」とある本も、おすすめできません。
従来のうつとは異なるタイプ、という意味で「非定型うつ」という症状は存在します。
使うならこちらの方がいい。
「うつ」「非定型うつ」も厳格な診断基準(DSM-IV,DSM-V)があります。
「新型うつ」は、そのようなものはありません。
繰り返し書きますが、「新型うつ」という病気はありません。
◎第2章
「ツレうつ」シリーズでおなじみの、細川貂々さん・望月昭さんご夫妻のトーク。
「うつの人への接し方」の参考になります。
家族は見守ることしかできないから。
元気づけるのは難しいので、いつものように接するのがいいと思う。(55p)
◎第3章
うつと合わせて発症しやすい病気について解説。
実際、フリーライターの安部結貴さんは
パニック障害、うつ、双極性障害(いわゆる躁うつ)いずれも経験しています。
うつの方が、最初は「適応障害」と診断されることもあります(私がそうだった)。
「適応障害」をうつの症状のひとつに含める考えもあります。
◎まとめ
「新型うつ」を用語として用いている点以外は、おすすめの一冊。
ただ、医学的な話はさておき、身近に苦しむ人がいたら、見守る姿勢でいてほしい。
「うつ」や色々な障害の方は、常に自分と闘っています。
働けない、普通にできない、そんな自分を責めてもいます。
全身から目に見えない出血をしているようなものです。
彼らに「もっと闘え」とは、できれば言わないでほしい。
それを言うぐらいなら、何も言わない方がいい。
ただ、ハタから見ると面倒な人たちであるのは確か。
肉親でも受け止めるのが難しい。
適度な距離を置いて見守るのがいいけど、距離感もまた人によって違う。
恋人や配偶者が「うつ」で、付き合いきれず見捨てたとしても、
それは仕方がないと思う。
マンガ・細川貂々。監修・牧野真理子(医学博士、牧野クリニック診療部長)。
うつにもいろいろあるんです。(オレンジページムック)
うつのタイプ別症状、うつと併発しやすい心の病気について解説。
「ツレがうつになりまして。」シリーズで知られる、細川貂々さんの漫画つき。
96ページと短いので読みやすい、「うつ」の入門書。
細川貂々さん・望月昭さんご夫妻の関連作品の感想は、
カテゴリからご覧ください。
◎初出
オレンジページ『元気がでるからだの本』2008年春号~冬号、
および『からだの本』vol.1~8に掲載した内容をもとに、加筆・再構成したもの。
◎構成
第1章 いろいろなタイプのうつ病
・うつ病
・産後うつ
・新型うつ病
・冬季うつ病
・気分変調性障害
・双極性障害
第2章 貂々&ツレのスペシャルインタビュー うつは生き方を見直すとき
第3章 うつと併発しやすい心の病気
・パニック障害
・適応障害
・摂食障害
・社会不安障害
・強迫性障害
・境界性人格障害
役立ち情報
・病院選び
・受診の仕方
・身近な人がかかったら
・勤め先への対応
・公共のサポート
・再発のチェック
・薬は治療の柱です
◎第1章
第1章は、様々なうつについてタイプ別に解説。
それぞれ典型的なサイン、発症のメカニズム、治療方法についてまとめてあります。
注意点1 この本は入門書
各症状は8ページしか割かれていません。
読みやすい反面、突っ込んだことは書いていません。
うつは、人によって症状が少しずつ異なる病気です。
回復期間も差があります。
適した治療法も、手探りで見つけていくものです。
うつを理解したいと思って読む方は、あくまでも入門書だと思って読んでください。
書いてある内容と症状が一致する・しないにこだわらない方がいいです。
注意点2 「新型うつ」
正式な医学用語ではありません。
お医者さんによっては、「ない」と言い切る方もいます。
⇒細川貂々&大野裕「ツレと貂々、うつの先生に会いに行く」
私のかかりつけ医の先生によると、「マスコミと不勉強な医者が広めた造語」だそうです。
「甘やかされて育った若い世代のなまけ病」という意味合いで使う方もいます。
育ちがどうだろうが、苦しんでいる人間に対して安易にレッテル貼りするもんではないと思う。
「新型うつ」という言葉は、気軽に使わない方がいいです。
タイトルに「新型うつ」とある本も、おすすめできません。
従来のうつとは異なるタイプ、という意味で「非定型うつ」という症状は存在します。
使うならこちらの方がいい。
「うつ」「非定型うつ」も厳格な診断基準(DSM-IV,DSM-V)があります。
「新型うつ」は、そのようなものはありません。
繰り返し書きますが、「新型うつ」という病気はありません。
◎第2章
「ツレうつ」シリーズでおなじみの、細川貂々さん・望月昭さんご夫妻のトーク。
「うつの人への接し方」の参考になります。
家族は見守ることしかできないから。
元気づけるのは難しいので、いつものように接するのがいいと思う。(55p)
◎第3章
うつと合わせて発症しやすい病気について解説。
実際、フリーライターの安部結貴さんは
パニック障害、うつ、双極性障害(いわゆる躁うつ)いずれも経験しています。
うつの方が、最初は「適応障害」と診断されることもあります(私がそうだった)。
「適応障害」をうつの症状のひとつに含める考えもあります。
◎まとめ
「新型うつ」を用語として用いている点以外は、おすすめの一冊。
ただ、医学的な話はさておき、身近に苦しむ人がいたら、見守る姿勢でいてほしい。
「うつ」や色々な障害の方は、常に自分と闘っています。
働けない、普通にできない、そんな自分を責めてもいます。
全身から目に見えない出血をしているようなものです。
彼らに「もっと闘え」とは、できれば言わないでほしい。
それを言うぐらいなら、何も言わない方がいい。
ただ、ハタから見ると面倒な人たちであるのは確か。
肉親でも受け止めるのが難しい。
適度な距離を置いて見守るのがいいけど、距離感もまた人によって違う。
恋人や配偶者が「うつ」で、付き合いきれず見捨てたとしても、
それは仕方がないと思う。
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