河原和音「青空エール」66話感想(別冊マーガレット2014年11月号)
河原和音「青空エール」66話感想(別冊マーガレット2014年11月号)



2か月ぶりの感想です。
※先月の10月号はお休みでした

◎宣伝
単行本16巻発売中。



野球部の夏の大会がメインです。

これまでのお話は、カテゴリをご覧ください。

◎今月のお話、の前に
カラーの表紙がすごくイイ

夏の甲子園で応援しているつばさなんですが、
・帽子(ツバの裏に「全国制覇」)
・シャツ
・タオルをかぶせたペット(日光から守るため)
・日差し(暑そう)

完璧な装備だ。
きっと足元には凍らせたスポーツドリンクがあるはず。
これを今すぐ朝日新聞の高校野球応援ポスターに使ってもいいんじゃね? ってくらいの出来。

これが単行本だと、モノクロでなぜか小さめのカットになるのが残念。
もうそのまんま単行本の表紙に使ってもいいんじゃないかな?


◎今月のお話
甲子園出場決定後、野球部には取材がやってくる。
大半は山田のようだが、城戸も取材される模様。
ま、軟投派とはいえエースだし、多少はね?

一方、吹奏楽部は吹奏楽コンクール札幌地区予選に挑んでいた。
白翔なら勝って当然の地区予選。
杉村先生は1位突破(※)を目標に掲げる。

※コンクールは、数人の審査員による得点の大小で順位が決まる

今一度、スケジュールの流れを整理しましょう。

【2014年】
吹奏楽コンクール 札幌地区予選 8/4
夏の甲子園 8/9~8/25(台風で2日延びました)
吹奏楽コンクール 北海道予選 9/4
吹奏楽コンクール 全日本予選 10/26

ちなみに、劇中では甲子園の開始を「8月6日」としている。
年々、開始日が早まっている傾向にありますね。

無事メンバーに入ったつばさは、
色々チェックポイントを思い出しながら演奏に臨みますが……。
イマイチだったようで、水島からお説教タイム。

1年生からは「頑張ってください」と言われてました。
関係改善できているようで、何より。
あと葛西さん久々に顔が出てきた。前髪切れよ
今後、もう一つ出番がありそうに思うのだが。

審査の結果、

札幌白翔
札幌日正
栄南大学付属

の3校が札幌地区代表に。

が、白翔は2位。1位は栄南。
まだまだ精進が必要なようです。

その夜、つばさと山田はメールタイム。
この二人、今はやりのLINE使わないのな。

山田「彼女がスタンドで応援してくれる!! うれしい!」
さらっと悶絶もののメール書きやがる。
つばさ、私室で赤面。

何かにつけて山田は表現がストレートというか、シンプルですね。
キスは未遂だけどな

翌日。
顧問の杉村先生は、副顧問の真木先生と相談タイム。

「甲子園に行くとなると どうがんばっても4日は練習できないよね」
「うち 今そんな余裕あるかな」

そう、甲子園は、吹奏楽部にとって頭の痛い問題でもあるのです。

甲子園に行けば、それだけコンクールの時間は削られる。
応援では大きな音を出さないといけませんが、
それが続くとコンクールのための技巧がおそろかになってしまいます。

移動するための人手も馬鹿になりません。
白翔のような北海道の高校だと、なおさら。

部員数が多い学校だと、コンクール専門の部隊と応援・地元の音楽イベント専門の部隊に分けることもあるそうですが……(例えば千葉の市立柏)。
今の白翔にはそこまで人数の余裕がありません。

杉村先生の出した結論は……。

そんな話し合いをしているとは露知らず。
つばさは玄関で山田とすれ違うと、そっと手を振ります。

それを見ていたまるちゃん、
「甲子園行けたら付き合うんじゃなかったっけ?」
「うん……つきあってる たぶん」
「たぶんってなに? 実際何も変わんないし!!」

そんな責めんでも。
ベタベタしないのが、この漫画の貴重なところなんだよ(力説)。

午後、杉村先生からお話が。
「応援は コンクールメンバー以外の部員だけで行こうと思います
「北海道大会は9月2日 あと一月しかない 今は一日も惜しい」

ま、そうなるわな。

「仕方ないことです」
と先生は締めましたが、つばさにとっては仕方ないではない。

言葉が出ないつばさに対し、水島は
「メンバー外す? 外れれば応援行けるけど」

久々に切れ味の鋭いセリフだ。
序盤(つばさが1年の頃)は、こんなセリフばっかりだったような記憶が。

つばさ、珍しく怒ったような表情で何も言わず立ち去る。

まる「つばさがどうするかなんて決まってるじゃん どうしてわざわざ意地の悪い言い方するの?」
水島「中途半端じゃ困るから」

まあ、水島は正しいこと言ってるけどな。表現はともかく。
それより、この二人の絡みも久々です。一瞬で終わるけど。

つばさ、自主練しながら今までを振り返ります。
「応援したい」と吹奏楽部に入った彼女ですが……仲間とのコンクールに気持ちがシフトしているわけで。

夜。
つばさは川上公園へ山田を呼び出します。

山田「あのな ひとりで公園とかほんとあぶねーし なまらあせったー」

なまら!
貴重な北海道弁いただきましたー(意味不明)。

つばさは淡々と、コンクールのために応援をあきらめることを話します。

山田「おう! がんばれ!」
つばさ「……ごめんね」
山田「何言ってんだ! 当たり前だろ!」

いいヤツだなあ。改めて繰り返すまでもないけど。

この漫画はですね、「エール」ってタイトルにあるように
支え合いつつもお互いの夢を応援するところに面白さがあると思うんですね。

好きだから一緒にいる、とならない。デートどころか校内で会う場面も少ない。
お互い、相手のこと以上に大事なものがあるとわかっていて、それを邪魔しようとはしないわけです。

なかなかできる事じゃないと思う。
甘い展開はいくらでも描けるのに(その方が多分売れるだろうに)、
あえてこの路線を貫いている作者と編集部はほんとにすごいですわ。

とまあ、熱い語りは置いておいて。

山田、笑顔で「あれじゃね? 1回戦だからじゃね?」
「決勝まで勝ち進んでいけば さすがにメンバーも来るベ な!!」
そこまで自信あんのか……。

翌日。
野球部は、吹奏楽部が半分しか来ないと知ってがっくりした模様。

その場を山田が納めます。
「むこうもがんばってんだ わかるべ!」
「夜8時すぎてもやってたのなんか オレらと吹部くらいだろーが」
「今まで応援してくれたんだ オレらが勝って勢いつけよーぜ」

立派だ。そこらの大人と比べても立派すぎる。
応援は脇田のチア姿で充分だろ。贅沢言うな。

職員室でも、野球部監督と杉村・真木先生が話していました。
「吹奏楽部さんも大事なときですし 仕方ないですよ 気にせんでください」と、監督。

杉村先生、その「仕方ない」というフレーズに引っかかった模様。

「『仕方ない』って言葉 学生時代嫌いでね」
「ムリとか言われると 逆にやってやろうじゃん 私はできるって思うんだよ」
「でも大人になってよく使うようになったよね」

ここで1コマだけ、高校時代の杉村先生のカットが。
ボブカットでめちゃツンケンしてそう。
なんで真木先生のカットもないんですか(疑問)。まあ、あまり変わりないかもしれないが。

「もし全員で甲子園に行って 全国行けなかったらどうすんの……」
珍しく悩んでます。

「全国へ行けばいいんだよ」と、真木先生。
「練習できる日数は減るよ でも生徒たちの心の中には 理屈じゃない部分が沢山あるんだよ」
「応援することで プラスになる部分があるんじゃないかな」
確かに。真剣勝負の場を見るのも、いい体験になるかも。
この辺は正解のない問題ですね。

と・こ・ろ・で

一連の2人の会話、夜中の止まった車の中で行われてます。
なんで恋人みたいな雰囲気を醸し出す必要があるんですかね……。

翌日のお昼。吹奏楽部のお弁当タイム。

つばさは、応援をあきらめたを選んだとまるちゃんや栗井さんに話します。

近くで聞いていた水島、
「まだ迷ってるんじゃないの?」
ワキのモブ男子が汗かいてる。
水島、一応弁当一緒に食べるくらいの友達はいたんだな(失礼)。

「迷ってない!!」とつばさは断言。

7時から前日に続いてミーティング。

杉村先生、
「えーやっぱり白翔のメンツもあるんで……
全国中継で吹部大したことないと思われるのも恥ずかしいというか……」

歯切れが悪いな三十路(関係ない)。

「改めて 甲子園は全員で行くことにしました」
喜べ小野!! うれしいでしょ」

偉そうなツンデレだなおい。

甲子園まであと6日。
念願の応援ができて良かったね、ということで以下次号。


◎感想
ということで、甲子園での応援カットは回避されました。
連載も長いからもしかすると省略かも、とも思いましたが、
きちんと描写してくれるようで良かったです。

感想は途中で書いちゃったから、改めて書くこともないな。

さて甲子園ですが、1回戦か2回戦で終わり、と予想します。

公立の学校が勝ち進むほど甲子園も甘くないし、
かといって1試合でいきなり終わりもそっけないし。

できれば2か月ぐらいかけて、甲子園の魅力を描いて欲しいものです。
具体的には、チアリーディングのローアングルとか汗とか(自粛)


◎今月の河原先生
ダンボールとか原稿用紙でやたら手を切ります。
秋だから?


◎俺物語25話 1行感想
「キスしまくってんの?」の後の大和の顔面が「ガラスの仮面」みたいだった。
| 漫画・本::河原和音「青空エール」 | 16:44 | comments (2) | trackback (0) |
コメント
ときぞうさん、いつもありがとうございます。

お手間をかけまして、すみません。m(_ _)m
来月までにスマホで書き込みできるか試してみます。一時的なものだといいんですが……。

>個人的には出発前夜あたりに大介からの呼び出し希望

そこで「山田大介は世界中の誰よりも小野つばさを愛しています」と名ゼリフが出るわけですね。
あ、それは違う漫画でした。

監督、出番が1ページしかないのに存在感ありましたね。
指導者としての腕前は?ですが、よき大人という印象です。

あまり「大人」が出張ることのない漫画ですけど(つばさの両親すら滅多に出ない)、
それだけに今月のような展開は印象に残りますね。
個人的に顧問と副顧問の絡みもっと出てきてもいいです。いや変な意味じゃなくて……。


それでは、また来月お会いしましょう。
| 惣一郎 | EMAIL | URL | 14/10/24 12:38 | Y945Kht2 |
惣一郎さんこんばんは。ときぞうです。スマホからの投稿ができなかったので(2回連続で失敗した)PCを起動させました(笑)。

甲子園に出場となるとやはり取材が多いですね。まずはD新かな。2面下の「人」欄。「10年ぶりに夏の甲子園出場を決めた札幌白翔高校野球部主将」みたいなタイトルで。
それを見た女子高生が「白翔のキャプテン・・イケメンかも」とか思えばいい。

彼女いるけどなー(半笑)。

私今回の殊勲者は監督だと思うのですよ。「仕方ない」って言葉があのツンデレ先生も考え直すきっかけになったのかなーと。車の中でデートよろしく真木先生と話していたけど、あの一言の有る無しは大きいかも。

私「だから、監督さんに感謝するのよーぅ。ほんっとにあの先生はツンデレなんだから(大げさに溜息)。あッ!誰が撮ってるかわからないんだから、ちゅーは物陰でね(気持ちの悪い微笑み)。さてと!おばさんこれから郵便局行って白翔に寄付金振り込んで来るから!」

つばさ「・・・(おばさんって・・白翔のOG・・なのかな・・?)・・・」

妄想劇場 終

来月号はもう甲子園にいるかな?求む、脇田チア。袖捲くりすぎ気味で。個人的には出発前夜あたりに大介からの呼び出し希望。ちゅーは未遂の方向で。

ではまた来月やってきます。
| ときぞう@道央 | EMAIL | URL | 14/10/23 21:15 | zc4eHWoE |
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