青空エール47話感想(別冊マーガレット2013年2月号)
河原和音「青空エール」47話の感想です。


今回はですね、恋愛色が強いんですよ。
何回「好き」ってセリフがあったやら。
もう恥ずかしくてページめくるのきつかった……。

やっぱり部活漫画じゃなくて少女漫画なんだなと思いました。

野球部が敗退した翌日。
いよいよ吹奏楽部はコンクール一本。
札幌地区予選をひかえ、追い込みの練習が続きます。

つばさは山田にメールを送ろうとしたが、文面を考えられず何も送っていなかったらしい。

練習後、校庭にはつばさを待っていた感じの山田が。
「練習終わり? したっけ ちょっと今話さね?」

したっけ……北海道弁で「じゃあ」「そうすると」「そうしたら」などの意味。会話のつなぎに使うそうです。
参考:http://pucchi.net/hokkaido/language/shitakke.php
「青空エール」に限らず河原さんの作品は北海道が舞台と明言してある場合が多いですが、
その割に方言が出てくるのは非常に珍しい。
初期の短編で「〜でしょや(=でしょう。結びの語)」「〜べさ」なんてセリフがある程度です。
参考:http://www.furano.ne.jp/saladhouse/html/dictio2.html
閑話休題。

そんなわけで、二人はどこかの公園らしき場所へ。
サックスとパーカスの誰だっけ……は「告白っぽくない?」と色めきますが、
水島は「試合に負けて? オレならそんな気になれないけど」とばっさり。
そんな事言い出したら、全国の高校球児はほとんど告白できねえ。

山田は円山球場に行って試合を見ていました。
「ひきずんねーよーに オレらは負けたんだなって事 確かめてきた」
「次は新人戦! そんで春 そしてまた夏だ」
甲子園出場のチャンスも、残すところあと2回。

山田が前向きなので、つばさも笑えないところを笑います。

山田は「吹部はこれからなんだな こんどはオレが応援すっから 練習とかで行けねーと思うけどがんばれよ」
「うん 私メンバーになる 絶対 メンバーになるよ」
「おう」

「私が先に夢を叶えるから」
つばさが揺ぎ無い決意を固めます。今までにない真剣な表情。

しかし、メンバーになるには水島のお墨付きが必要。
「可能性はあるけど確定じゃない」という、微妙なところ。
「3rdとして不安がある 指まわしはついてこれてないと思う ラストは息が続いてない
だけど今井先輩にもピッチの不安がある」
両者に一長一短があり、どちらにするか水島も迷っているらしい。

<解説>
「指回しがついてこれないような、ちゃんと吹けない人でもメンバーになれるのか?」と
疑問に思った方もいると思いますが……なれます。
吹奏楽は合奏力、という言葉がありまして、
1人2人レベルの低い人がいても、全体として一つのハーモニーを作れていればいいのです。

チームの人数にもよりますが、吹奏楽はたいていのパートが複数人で構成されています。
つまり、自分と同じ演奏する人が必ず居ます(ソロや希少な楽器は別)。
だから演奏のまずい部分はカバーし合えます。
※オケも弦楽器は複数いるが、管楽器は基本各パート1人ずつ

つばさのような技術的に劣る人でも、うまい人の音と合わさってハーモニーになればOK。
そういう意味では、ピッチが安定しているというつばさの長所は重要です。
解説終わり。

一方、城戸は昇降口で脇田@腕まくりすぎと話していました。
「試合残念だったね でも 城戸 4番抑えててマジかっこよかったよ」
「マジで? ホレた?」
「ホレない」
見込みはなさそう……ですが前と同じように軽口叩けてよかったね。
人によったらぎくしゃくするからな。

城戸、何を思ったかつばさを校舎裏? へ連れ出します。
そこで脇田にふられた顛末を話すと、
「大介のことまだ好きなわけ?」と質問。
「フラれる前より好きかもしれない」
顔赤くしたけど言い切った。乙女や……こういうページ続くと読みづらいぜ……。

城戸、
「オレ小野さんのことね 実は フラれてんのにまだ好きっぽいから『バカだな』『しつこいな』と思ってたんだけど」
なにげに失礼ですね。
でも、男はどうでもいい女子にはこんなもん。

「今は思ってない 小野さんの気持ちわかるよ」
「やっぱり陽万里ちゃんが好きってこと?」
「……うん」

「大介にもフッたんだから望みもたせるよーなことすんな とか思ってたけど
やさしくされてもつめたくされても好きだもんな やさしい方がいーわ」
「……うん」

「私たち 片想いだね」
傷をなめあうのとは違う、こういう空気をなんというんでしょうね。
要するに、青春だな(by鈴木先生ドラマ版)。

「小野さんは片想いでもなくね」
俺もそう思いまーす。
しかし、つばさはあくまで片想いと主張。
「希望 持たせないでー 次 フラれたらつらいから」

山田は、部室にて監督さんからキャプテン就任を打診されていました。
「考えさせてください」と答えたものの、碓井先輩(髪が伸びてるあたりが芸細)によると決定事項らしい。
「後 まかせられんのはおまえしかいない」だそうで。

そりゃ、これだけしっかりしてて他人のことまで考えれる人間は、
どんな指導者だって役職につけます。ヒラなんて勿体ない。

山田、迷いをつばさにだけ打ち明けます(やっぱり意識してる)。
「1年のときはオレのせいで負けたろ 今年はケガで全然活躍できてねーじゃん
仕方ねーんだろーけど吹っ切れねえ」
「関係ないよ ケガしてても試合出れなくても 私 大介くんにはげまされたよ」
背中を押しますが、山田の迷いは消えません。

つばさはコンクール曲に苦戦中。
居残り練習で食い下がります。
香織先輩たち3年から見ても、レベルは向上している模様。

以下、少女漫画特有の、ほぼ1ページぶち抜いたつばさのモノローグ。

 大介くん 私コンクールメンバーになるからね

 メンバーになって告(い)いたい
 夢をかなえて大介くんのおかげだよって言いたい

 つらくても ケガしても 前に進もうとする大介くんの姿が
 私をいつも力づけてくれてるよって
 だからキャプテンになって がんばってって
 迷うことなんかないって 告(い)いたい

書いててつらくなってきた……じゃあ書き写すなよって話だが。

そして、地区大会のメンバー発表。
水島、つばさはエントリー。メガネ今井先輩は外れました。
他のメンバーは明らかではないですが、香織先輩、桜沢先輩、みち先輩、瀬名、というところ?

今井先輩は怒りに燃えてると思いきや、
「仕方ないよ あいつすごかったもん 最近」
「絶対 全道では取り返す…!」
と意外にも素直に負けを認めていました。

まるちゃんは「おめでとう!!」と祝福しつつも、
「正直 私ね なれたらいーなって思ってたけど なれるとは思ってなかった」
と打ち明けます。
高校生からの吹奏楽部、しかも自信のない性格では無理もないところ。

しかし……一人だけメンバー入りを信じて疑わなかった人がいました。

野球部のグラウンドへ向かうつばさ。
地区予選メンバーに選ばれたことを報告し、
「私 大介くんが好き」
唐突に2度目の告白。
「返事いらないから! ケガとか関係なく 大介くんはいいキャプテンになれると思う!」

山田も顔を赤くしましたが、
「小野!! また明日な!」とさわやかに切り返します。
満面の笑みを見せて、グラウンドを後にするつばさ。

 2回目の告白は うつむかないで 目を見て告(い)えた

このへん、本当はもっと色々と独白やセリフが書いてあるんですが、
いちいち書いていると俺が恥ずかしくてHPが0になりそうなので割愛します。
いよいよ地区予選ってところで、以下次号。

<感想>
最後のシーンは日が暮れてまして、てっきり香織先輩か多能が闇討ちでもするかと思いましたが、
出ませんでした。
マジでやったら大問題だけど。

再三「現実は甘くない」というところを描いている漫画だけに、
素直につばさがレギュラー死守、という気はしません。
それに部としても結果もどうなるか。全国に行けるのか。
漫画としては主人公が3年時に全国大会出場、というのが王道ですが、外してくる事は充分考えられます。

<今月の河原先生>
雪かきすると疲れるけど妙に頭スッキリするので運動ってだいじだなって……雪多い

<俺物語1行感想>
「勉強っていうのは人生を間違えないための智恵だから、おまえには必要ないんだろうな」
砂川が猛雄に言ったセリフですが、格好よすぎる。猛雄とは違う意味で、こいつも高1とは思えん。
あ、2行になった。
| 漫画・本::河原和音「青空エール」 | 23:51 | comments (4) | trackback (0) |
コメント
ときぞうさん、初めまして。
携帯からですとかなり読みにくかろうと思います。ありがとうございます。

まさしく「青空エール」は痒すぎる作品ですねえ。
特に今月号は背中や首根っこあたりがむずむずしました……。
主役の二人は付き合ってるも同じだと思います。
デートとか、恋人らしいことをしてないだけで。

修学旅行、秋の大会とかぶると野球部は行けないなんて話も聞きますね。
どうなるでしょう。

来月もお付き合いのほど、よろしくお願いします。

私の母校も野球部員は人気ありましたね~。
体育祭になると黄色い声援が結構あったように記憶してます。
| 惣一郎 | EMAIL | URL | 13/01/22 09:01 | Y945Kht2 |
初めまして。いつもは携帯から(しかもガラケー)読みにくさをこらえつつ読んでおります。

青空エールは、40歳を迎えた私にも痒すぎる(笑)作品ですよね。もう!大好きだ(爆)!
何度、立ち読みしているコンビニで「~~っ!てか、アンタら付き合ってんじゃんよーっ!」と悶絶しながら床を転げまわりたい衝動にかられたか・・・

河原先生の作品はいい意味でベタなので、私は二人が3年時にそれぞれ「夏の甲子園」「全国で最高金賞」になるんじゃないかとにらんでおります。

でも、そこに行くまでに色々ありますよねぇ。とりあえず、直近の心配事としては「果たして大介は(てか野球部は)修学旅行に無事参加できるのか?」です。

ではでは、来月も感想を期待しています。

追伸:私の20数年前の高校時代。3年間好きだった人は野球部の先輩でした(笑)
| ときぞう | EMAIL | URL | 13/01/21 20:36 | B8w4EWPU |
kazさん、コメントありがとうございます。
今回はキツかったですね、ページをめくるのが……。
FEで言うとマケドニア竜騎士団ぐらいきつかった(古いですね)。

吹奏楽というのは、高校野球に負けず劣らず歴史があって、部活文化というのもあるんですね。
自分が体験した独特の空気とか思い出しながら書いてます。

FE覚醒はクリアはしてますが、日記は途中でやめてしまいました。
死んでも復帰するヌルモードが搭載されたのは、社会人には有難かった。
あと音楽も力入ってたのがうれしいです。
| 惣一郎 | EMAIL | URL | 13/01/17 13:10 | Y945Kht2 |
今回もHP少なくなりながらも(笑)丁寧な感想ありがとうございます!
自分も恋と部活に頑張ってた頃を懐かしく思い出しました~。…どちらも微妙な頑張り具合でしたが…(笑)

あ、ちなみに「したっけ」はよく使いました(笑) 北海道人なので学生の頃は結構使いましたね~ 流石に社会人になると使いませんが…

吹奏楽にはあまり興味が無かったのですが、惣一郎さんのコメントで少し吹奏楽がわかりやすくなりました~

ところで今更ながらですが…ゲームの趣味が被ってます!(笑) FEシリーズとかペルソナシリーズとか! 未だに覚醒ちまちまプレイしてます(汗) 何週目になるのかしら… 
| kaz | EMAIL | URL | 13/01/15 12:13 | xM5M0jqc |
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