プログラマが主に少女漫画を語る

観てきました。
「The Final」と対になる、始まりの物語。

「幕末の人斬り抜刀斎は、
いかにして不殺(ころさず)の流浪人になったか」が語られる。

観て思ったのは、大友啓史監督は極力アレンジを控え、
原作漫画及びアニメの「追憶編」に忠実に作っていること。

特に「追憶編」は独自の高い人気がある。
監督さんは、非常に気を使って作られているな、と感じました。

同シリーズの感想
⇒映画「るろうに剣心 最終章 The Final」ネタバレ感想
⇒映画「るろうに剣心 京都大火編」ネタバレ含む感想

◎概要・原作との比較
原作漫画の雪代巴と剣心のストーリー、
そしてアニメの「追憶編」をベースにする。

映画オリジナルのシーンは、
冒頭の対馬藩邸で剣心が斬りまくるシーンと、
池田屋事件で沖田総司と剣心が切り結ぶシーン。

といっても剣心は池田屋にはたどりついておらず、
逃走した長州藩士を追う沖田と剣心が対峙する、という流れ。

ほかは、小萩屋に新選組が乗り込むシーン。
闇之武・辰巳との戦いで、
剣心が一時的に視覚を失っている
(だから、巴もろとも辰巳を斬ってしまった)。

極力、余計なものを足さず、
そのまま実写化しようという意図を感じる。

ということで原作漫画と「追憶編」を知ってると
あまり新鮮味はないのですが、
それでいいのだと思う。

実写映画から入ったファンが楽しめればいいのだから。


◎全体の感想
美術がいつもながら凝ってて、
家屋の傷み具合とかすごいと思いますね。

剣心と巴が仮住まいしてた一軒家、
あれは一から作ったのか、
白川郷かどこかの建物をつかったのか。
何にしてもよくできていた。

夜の戦闘が暗く見づらかったですが、
ここは仕方ないです。
血しぶきの量が多いので。

剣心が逆刃刀じゃなく真剣を使ってるし、
新選組の皆さんもじゃんじゃん斬ってるし。


◎キャスト雑感
◆緋村剣心/佐藤健
前も書いたけど、10年間お疲れ様でした。

冒頭、対馬藩士を一方的に虐殺するシーンは
まさに「人斬り」。
両手が縛られてるのに殺しまくるっておかしいんだけど、
抜刀斎だからいいのです。

刀を口で抜くシーン、ワンピースのゾロみたいだな。

◆雪代巴/有村架純
美しさは今さら書くまでもないです。
「巴を再現できる役者はいない」って言われてまして、
プレッシャーで大変だったと思う。

◆桂小五郎/高橋一生
個人的な助演賞は高橋さんですね。

アンニュイ、陰がある、
ストイックそうで妙に色気があり、
なんか企んでそう。

そんな人をやらせたらうってつけの方です。

◆沖田総司/村上虹郎
新選組の中で、唯一剣心との殺陣がある。
ハデに喀血します。
沖田総司といえば喀血ですから。

◆近藤勇/藤本隆宏
男くさくて大変けっこうな近藤でした。
目もギラギラしてね。

新選組も涼しげなイケメン役者さんが演ずることが多くなったけど、
ゴツくてムサい人もいないとね。
戦闘集団なんだから。

◆高杉晋作/安藤政信
あんまり出番なかった。

◆辰巳/北村一輝
「闇之武」の棟梁。
激シブのおじさまでした。

ヤボなツッコミだけど、
剣心との戦いでしゃべってなければサッサととどめ刺せたよね。

◆斎藤一/江口洋介
池田屋事件のシーンでしっかり牙突使ってました。

◆角田/一ノ瀬ワタル
中条/平埜生成
村上/奥野瑛太
八ツ目無名異/成田瑛基
「闇之武」の皆さん。

これは映画というより原作漫画へのツッコミなのですが、
闇之武はやることがまわりくどすぎると思う。

あれだけの爆薬があるなら、
剣心と巴の仮住まいの周りに配置して
ぶっ飛ばしても目的は達成できた気もする。

弓矢や大砲なんかも使ってさ。
それじゃ台無しなのはわかってます。

◆清里明良/窪田正孝
吐血がハデな人第2号。

◆飯塚/大西信満
志々雄真実に始末されるシーンは省略。


◎余談
スタッフロールに「緊縛担当」というのが出てきて笑ってしまいました。
たぶん、新選組が維新志士を逆さ吊りで拷問してるシーンの指導ですね。

色んなプロフェッショナルの方がいるんだなぁと。

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