熱球
（重松清/徳間書店）

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amazon 楽天 発売：2002/03

昔、田舎町は湧いていた。夏の甲子園の予選で、地元の弱小野球部が決勝まで勝ち上がったのだ。だが、ある事件で夢は破れ、エースは故郷を去った。
それから20年、中年になったエースは娘を連れて故郷へ戻ってきた。苦い記憶と懐かしさが入り交じる町で、かつての野球少年が見つけたものは…。

主役は高校球児ではなく、今や一球で肩を痛めるオヤジ。だが、そこは中年がお家芸の重松氏、一級品のストーリーテリングは文句なしの面白さ。
地方出身が「田舎」へ抱く思い、もう戻らない青春、変わってしまった同級生。いくつものテーマを絡めて傑作に仕上げている。
雨のグラウンド整備のシーンなど、野球へのディテールにこだわっているのも嬉しいところ。

文庫は徳間文庫と新潮文庫の2種類あり。