親友のノブいわく、人の煩悩は百八あるらしい。野球のボールの縫い目もなぜか百八だ。
でも“僕”は百八の願いがあると思う。高校球児だったあの頃の願い。試合に出たい、活躍したい、甲子園に行きたい、遊びたい、女の子にモテたい、……。
社会人になった“僕”が振り返る、野球だけじゃない青春の日々。
二桁背番号の選手の視点から高校野球を描いた小説。文章は駆け足でこなれていない印象もあるが、それがかえって若さならではのエネルギーを思わせ気持ちいい。
高校生の青春小説ぽくもあるが、グラブへのこだわりや投手の癖を見抜く場面など、野球好きが楽しめる部分もある。これがデビュー作だそうで次回も期待したい。
なお、酒やタバコにコンパにセックスが普通に出てくるので、品行方正な高校球児を読みたい人にはおすすめしない。
映画版との違いはこちらにまとめました。
ベースライン(須藤靖貴/PHP出版)
オールマイティ(本城雅人/文藝春秋)
ぐいぐいジョーはもういない(樺薫/講談社)
嗤うエース(本城雅人/幻冬舎)
スカウト・デイズ(本城雅人/PHP研究所)
どまんなか3(須藤靖貴/講談社)
県立コガネムシ高校野球部(永田俊也/文藝春秋)
大正野球娘。4(神楽坂淳/徳間書店)
どまんなか2(須藤靖貴/講談社)
どまんなか1(須藤靖貴/講談社)
僕たちのプレイボール(鬼塚忠/幻冬舎)
監獄ベースボール 知られざる北の野球史(成田智志/亜璃西社)
ラストダンス(堂場瞬一/実業之日本社)
ナイン 9つの奇跡(川上健一/PHP研究所)
ノーバディノウズ(本城雅人/文藝春秋)
帝都たこ焼き娘。大正野球娘。3(神楽坂淳/徳間書店)
偽りのスラッガー(水原秀策/双葉社)
大正野球娘。 土と埃にまみれます(神楽坂淳/徳間書店)
ひゃくはち(早見和真/集英社)
タッチアップ(田澤拓也/エクスナレッジ)
大延長(堂場瞬一/実業之日本社)
大正野球娘。(神楽坂淳/徳間書店)
1985年の奇跡(五十嵐貴久/双葉社)
熱球(重松清/徳間書店)
浪商のヤマモトじゃ!(山本集・日名子暁/南風社)
ららのいた夏(川上健一/集英社)
翼はいつまでも(川上健一/集英社)
敵手 小説 横浜高校野球部(降籏学/講談社)
ベイスボイル・ブック(井村恭一/新潮社)
同級生(東野圭吾/講談社)
パーフェクト・ブルー(宮部みゆき/東京創元社)
ダグアウト・ストーリー(梅田香子/講談社)
魔球(東野圭吾/講談社)
八月の濡れたボール(軒上泊/双葉社)
勝利投手(梅田香子/河出書房新社)
走れ!タカハシ(村上龍/講談社)
熱球爆走す(木本正次/日本経済新聞社)