グミ・チョコレート・パイン
ある人にしきりと勧められていた「グミ・チョコレート・パイン」のグミ編(3部作なのです)を読む。
著者は大槻ケンヂ(本名、大槻賢二)。
プログレッシブやアングラに影響を受けバンド「筋肉少女帯」を結成。それだけでなく作家としても知られ、様々なサブカルチャーにも詳しいマルチなお人である。
「グミ~」は大槻賢三という高校生を主人公にしており、おそらくは大槻ケンヂの少年時代をベースにした小説と思われる。
けど、そんな予備知識はなくとも充分楽しめます。
【あらすじ】
大槻賢三はさえない男である。
勉強ダメスポーツダメのダメダメ高校生。学校でも家でも存在感がなく、女の子とまともに話もできず、エロ本相手に妄想をたくましくする毎日。カルトな小説やB級映画鑑賞というほとんど理解されない趣味をひたすら追求し、孤独な高校生活を送っている。
退屈な日常を打破したい、けど方法も見つからぬ日々。そんなある日、ノイズバンドに感銘を受けた親友に誘われ、賢三たちはバンドを結成しようともくろむが……。
高校時代を思い出させる小説である。
それも青春を謳歌する、高校野球のごときサワヤカさとは対極にあるものを想起させる。
好きな子に思いを伝えられない、あのもどかしさ。
教室の中でひたすら目立たない自分。
他の人間とは違うんだ、という根拠のないプライド。
けれど何もできない悔しさを、ティッシュの中に吐き出すしかない日々(ああ~情けない)。
マイナスイメージの青春。だからこそ感情移入しやすい。作り物めいた恋愛物語とは違う、コンプレックスにまみれた十代の姿が確かにそこにあるから。
オーケンの小説としてのテクニックも見事。
決して難しい言葉を使わず、ノリとテンポを重視した文体(声に出してみるとすごく話しやすい)。
時にアホらしいほど大げさな比喩。時に考えさせられる語り。
注釈を用いたり筆者自身のツッコミが入るなど、普通の小説なら反則技の連発。けど面白い。
ひとたび手にしたならば、笑い転げてノンストップでラストまで行ってしまうことうけあいの傑作。
のっけから出てくる自慰描写に辟易しないなら、女性にもおすすめしたい本である。
続編の「チョコ編」を読みたくってたまらない。早く借りてこよう。
amazonの紹介ページ
http://<wbr/>www.ama<wbr/>zon.co.<wbr/>jp/exec<wbr/>/obidos<wbr/>/ASIN/4<wbr/>0418470<wbr/>79/qid=<wbr/>1129802<wbr/>178/sr=<wbr/>8-2/ref<wbr/>=sr_8_x<wbr/>s_ap_i2<wbr/>_xgl14/<wbr/>249-902<wbr/>1217-98<wbr/>21120

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