「鹿実」といえば、1996年センバツでも優勝した、鹿児島というより九州を代表する強豪校。そのチームを35年間率いた元監督の久保克之氏(現在は総監督)に焦点を当てた本である。
本書は2部構成。
第1部が久保に接した人々のインタビューで、フリーライターの政純一郎氏担当。登場するのは、定岡正二(74年夏のエース)、竹之内和志(元鹿実監督)、宮下正一(現鹿実監督)、枦山智博(樟南高監督)、小鷹英雄(元鹿児島商高監督)など。
第2部が久保氏による自伝と指導者論。現役時代や鹿児島、九州大会の戦いぶりは、なかなか調べにくいだけに読んでいて面白い。
一つ難点を挙げるとすれば、内容が時系列に沿っていないこと。例えば74年夏の東海大相模戦に色んなページで触れていたりするので、多少頭の中で整理しながら読まないといけない。
巻末に「写真で見る鹿実野球部の歴史」(約20ページ)、「久保克之略歴と果実野球部の歴史」あり。
『当たり前』の積み重ねが、本物になる 凡事徹底-前橋育英が甲子園を制した理由(荒井直樹/構成・田中夕子/カンゼン)
甲子園最高勝率 PL学園・中村流超エリート育成論(中村順司/ベースボール・マガジン社)
野球と私(前田祐吉/青蛙房)
感涙の闘将 大学球界をけん引する指揮官の挑戦(河原井正雄/ベースボール・マガジン社)
白球に乾杯(瀧正男/中央公論新社)
バントからフルスイングへ 高校球児たちと目指した栄光の甲子園(磯部修三/ひくまの出版)
鹿実野球と久保克之(久保克之・政純一郎/南方新社)
岡山県立岡山城東高校 城東野球の軌跡(山崎慶一/山陽新聞社)
エンジョイ・ベースボール 慶応義塾高校野球部の挑戦(上田誠/NHK出版)
球心いまだ掴めず 駒大太田野球500勝の真実(太田誠/日刊スポーツ出版社)
ベースボールの力(牧野直隆/毎日新聞社)
甲子園に賭ける(鈴木春祥/新潟日報事業社)
白球は奇跡を喚んだ 松坂大輔と青春群像(渡辺元智/報知新聞社)
青い空 白い雲 甲子園高校野球放送42年(植草貞夫/講談社)
やればできるぞ甲子園(神前俊彦/徳間書店)
立ち上がれ ふり向くな -“横浜野球”に捧げた熱情の半生記(渡辺元/報知新聞社)