正直、タイトルを見て「2009年に今さら江川?」と思ったのを覚えている。私は世代で言うと松坂に近く、「松坂よりも江川が凄かった」は耳タコ状態。で、この本もそのたぐいかと思ったが、違った。
著者もまた江川をリアルタイムで知らない世代。つまり年寄りの昔話とは一味違うのである。
本書の特徴は、高校時代の江川を肌で知る多くの人間に取材していること。下に示したのはほんの一部でしかない。
もちろんいくら言葉を尽くしたところで、江川の凄みは再現できないかもしれない。けれども人間には想像力がある。迫り来る剛速球をイメージしながら読むことをおすすめします。
ちなみに巻末・巻頭の「江川の公式戦全記録」も資料として価値あり。
☆インタビューを受けている主な人物(肩書きは当時)
大橋康延(作新学院投手)
土屋正勝(銚子商投手)
迫田穆成(広島商監督)
達川光男(広島商捕手)
山本理(作新学院監督)
亀岡偉民(旧姓小倉、作新学院捕手)
渡辺元智(横浜高監督)
石淵国博(宮崎実業捕手)
監督と甲子園6 頑張れ公立高校!(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
海のかなたの甲子園 沖縄・本土復帰への祈りと52年目の全国制覇(市川実/双葉社)
監督と甲子園5 頂点に挑んだ男たち(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
蔦文也と池田高校 教え子たちが綴る“攻めだるま”野球の真実(畠山準、水野雄仁、江上光治/ベースボール・マガジン社)
真実の一球-怪物・江川卓はなぜ史上最高と呼ばれるのか-(松井優史/竹書房)
北の球人 元氣、本氣、一氣、佐藤茂富の高校野球(岡崎敏/日刊スポーツ出版社)
監督と甲子園4 輝く個性を放つ指導者たち(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
全員野球 中村良隆監督物語(山口真一/一草舎出版)
あきらめない限り、夢は続く 愛工大名電・柴田章吾の挑戦(田尻賢誉/講談社)
阿波の「攻めダルマ」蔦文也の生涯(富永俊治/アルマット)
嶋清一 戦火に散った伝説の左腕(山本暢俊/彩流社)
ハンカチ王子と老エース 奇跡を生んだ早実野球部100年物語(門田隆将/講談社)
監督と甲子園3 人を育てる。すべては未来のために(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
Teikyo〜帝京高校野球部と前田監督〜(中里洋二朗/協力・帝京高校)
監督と甲子園2(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
炭鉱町に咲いた原貢野球 三池工業高校・甲子園優勝までの軌跡(澤宮優/現代書館)
球聖飛田穂州伝(神門兼之/つげ書房新社)
監督と甲子園(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
魔術師 三原脩と西鉄ライオンズ 決定版(立石泰則/小学館)
攻めダルマ 蔦さん -池田高校・蔦文也監督遠望(大川公一/アーバンプロ出版センター・街と暮らし社)
蔦文也のIKEDA行進曲(北原遼三郎/洋泉社)
落ちこぼれの甲子園 横浜高校野球部の奇跡(軍司貞則/講談社)
甲子園への挑戦 高校野球監督列伝[1](徳丸壮也/星雲社/刊々堂出版社)