投手・桑田真澄の青春
（石川好/シンコーミュージック・エンタテイメント）

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amazon 楽天 発売：2007/04

現在、解説者をつとめる桑田真澄。その若かりし頃の取材記事をまとめたノンフィクション。全国制覇した高校３年生の夏から、２勝１敗に終わったプロ１年目まで、花開く前の桑田の声が読める。
1987年に毎日新聞社より刊行された「青春の探求ｰオカルトの投手・桑田真澄」、96年に社会思想社より刊行された同名の書籍を、桑田のMLB挑戦を機に復刻したもの。

著者の石川氏と桑田はかなり親密だったらしく、「未成年・桑田」の素顔がうかがえる一冊。
「ライバルは僕自身。自分に誓ったことをどれだけ実行していけるか」
と野球に対しては確立した考えを持っていたが、一方で「出るたびにめった打ちにされるかもしれない……」と石川氏に打ち明けるもろさもあった。

大選手というのは若くして完成されていると思いがちだが、これを読むとゆっくりと成長してピッチャー桑田が生まれたのだとわかる。
ちなみにその頃はグッデンやバレンズエラにあこがれており、MLBの夢は当時からあったらしい。

難点は、復刻版のわりに間違いがあること。高校３年夏、決勝の相手が「高知商」と表記したり（正しくは宇部商）、27点取った「日大山形」戦（正しくは東海大山形）と書くなど。高校野球ファンとしては直して欲しかった。
尚、ドラフト会議での疑惑については全く触れられていない。