河原和音の短編感想まとめ
河原和音さんの短編をあらかた読んだので、感想を書いてみます。
(厳密に言うと、1巻で完結している連載作品も含む)

初期の作品を見て思ったのは、「今(青空エール)と絵が全然違う」ってこと。
当たり前ですね。
あと、ページ右隅にたまにある書き込みが「若いな」と思う。

個人的には、「先生!」の頃のタッチと、
キャラが時々2頭身になって目玉焼きみたいな目になるシーンが好きです。

単行本の刊行順に並べてます。
掲載誌の「別マ」は別冊マーガレット、「デラマ」はデラックスマーガレットの略。

<幸せのかんづめ>


幸せのかんづめ……デラマ1993年1月号
 商店街のくじ引きで「幸せのかんづめ」が当たった少女は、その後サンタ風のおっさんにつきまとわれ始める。
 ファンタジックな要素がある作品はこれぐらい。

男の子にはわかるまい……デラマ1992年9月号
 体重が、気になる男よりも多いことを気にする女の子の話。

ミリオン・ワーズ……デラマ1992年7月号
 1年下の男子とつき合ってる女子の話。
 主人公の中性っぽいところが「先生!」の島田に似ている。

可愛さあまって……デラマ1992年5月号
 好きな男に、思ってることの反対しか言えない子の話。

いつも私がここにいる。……ザ マーガレット1992年2月号
 珍しい男視点。結構バイオレンスなシーンがある。

<天晴>


天晴(てんせい)……デラマ1993年5月号
 柔道の坊主頭少年が出てくる。青空エールの山田に先駆けること15年!
 タイトルは、劇中の漢字テストか何かで天晴(あっぱれ)を読み間違えたシーンが由来。

ONE AND ONLY……別マ1993年7月号、8月号
 バイト先のファミレスが舞台の作品。
 レストランでウェイターやってた自分には色々痛い思い出が甦るシーンがありました。
 そういやこの話と同じで、調理やってる男はあまり愛想がないんですよね。

愛してくれない……別マ1993年2月号
 「初めて別マにお仕事頂いて描いた作品」との事。あまり印象なし。

<君が好きだから!!>


君が好きだから!!……別マ1994年1月号〜4月号
 初の連載作品。
 「好きな人ができても言わない」という約束をした親友同士の女子二人だったが、一方がその約束を破ってしまい……。

 すみません、なんか……女の子の笑った顔がどうにも違和感があって、あまり入り込めませんでした。
 特に笑ったところが「ゆで卵に切れ目を入れたよう」で、どうにも不自然で。
 友情にヒビが入るところや、仲直りするくだりは丁寧で面白いんですが。

<無敵のLOVE POWER>


無敵のLOVE POWER……別マ1994年8月号
無敵のLOVE POWER2……別マ1994年10月号
 彼氏作りに燃える少女の話。2は恋人同士になった後。
 相手はサッカー少年。体育系の比率が高いのは、河原先生がソフト出身だからか、それとも絵になるからか。

17年目で奇跡を待って……別マ1994年6月号
 ラストが印象的。
 駅で待ち合わせをするんですが、男子は北口、女子は南口に行ってしまい、お互いずっと待つことになるんですね。
 携帯がない時代だからこそ描けるシーンなんです(ま、携帯があっても番号交換してなきゃ成り立つけど)。

<泣きたくなったら教えてね>


泣きたくなったら教えてね……デラマ1995年5月号
 男慣れのため、見た目が男らしくない少年とつき合う話。
 地顔が笑い顔の中山君は「明日には晴れる?」にも出てくる。

明日は晴れる?……別マ1994年12月号〜1995年2月号
 球技大会(卓球)を通じた男女の交流を描く中編。
 メインキャラが5人もいるのですが、ちゃんと印象づけられるのがすごい。
 サブキャラをいかにも「サブです」って描写せず、バックボーンがあるのが河原作品のいいところ。

<修学旅行>


修学旅行……別マ1995年11月号
 修学旅行で恋が芽生える話。
 バスのシーン、男は途中で目が覚めたけど、「そのまま」にしたって事ですね。
 それにしても、6泊7日は長過ぎやしないか。服がすごい量になりそう。

恋心……別マ1993年11月号
 背が小さいのに何かと目立つ男子。しかし実際は……。
 こういう「そのまんま」のタイトルは少ないので、逆に印象的ですね。

せっかく夏だし……別マ1995年8月号
 出る必要のない夏期講習、ある男子に告白したくて隣の席に座り続けるが……。
 つまらないだけの夏期講習も一世一代のイベントにしてしまう。
 ストーリー作りがうまいと思います。

<500マイル>

※電車を舞台にしたオムニバス作品。路線は京王井の頭線がモデル。

500マイル〜おひさま線〜……別マ1996年4月号
 行きの電車がいつも一緒の野球少年に恋する話。

500マイル〜さよなら線〜……別マ1996年5月号
 河原作品では非常に珍しい、大学生が主人公の話。
 別れ話を切り出す女性が主役ですが、最後はやはりハッピーエンドです。

500マイル〜しあわせ線〜……別マ1996年6月号
 車掌に恋する高校生の話。「先生!」といい、この頃河原先生の中で年上男子ブームでも来てたのでしょうか。
 
<プラチナ・スノウ>


プラチナ・スノウ……別マ1999年2月号
 スキーに来た男女4人の恋模様。100ページながら読ませる。
 「他にもいい男はいっぱいいるわけだし」「いない 直(なお)ちゃんは1人しかいない」ってセリフが好きです。
 あと「私 手紙書くから」「うん 返事書くよ」も好きです。メールじゃ、風情がない。

キロロ取材レポート……描きおろし
「プラチナ・スノウ」の舞台となったスキー場・キロロの取材レポート。

魔女にご用心……別マ2000年2月号
 男に好かれる魔性系(古い言い方)の友達に振り回される少女の話。実は主人公も……。
 ラスト2ページの「にやー」からの展開が面白い。

<愛のために>


愛のために……別マ2002年9月号
 合コンセッティングの達人で「紹介の女王」の異名をとるが、自分の恋愛はさっぱりの少女が主役。
 携帯をキャラとストーリー作りに活かした構成が秀逸。
 明るく、ドロドロもない、読んだ後爽快になる。河原先生の短編の中で一番お勧めしたい作品。

こんな私でよかったら……別マ2001年8月号
 ナンパからつき合うことになった男女の話。
 こっちも携帯メールが当たり前のように出てくる。別れそうになったら番号変更とか、あるある。
 携帯っていうのは、本当に生活を変えたんだなと思います(作品の感想じゃねえ)。

チョコレート・ステークス……別マ2002年2月号
 バレンタインにチョコが欲しい男視点。
 そんなことより一番の萌えポイントは八重歯、八重歯!!( ゚∀゚)o彡゜

<友だちの話>

※河原さんは原作担当。作画は山川あいじ。巻末に作品ができるまでが掲載。

友だちの話……別マ2009年5月号
友だちの話2nd……別マ2009年9月号
友だちの話Final……別マ2009年10月号増刊 別マSister
 美少女のもえが、男とつき合う条件は「親友の英子を私と同じくらい大事にすること」。
 「彼氏より友達を作る方が100倍難しい」って、女の友情はややこしいですね。
 いい原作と綺麗な作画がかみ合った良作です。

その彼、調べます……別マ2010年3月
 友達の彼氏の浮気調査をする話。
 主人公は戦国武将が好きなオタクなのだが、それを一切セリフに書かず、携帯の待ち受けが六文銭(真田家の家紋)ってところ等で表現するのが面白い。


ちなみに文庫は3冊でてまして、掲載作品は以下の通り。

●河原和音 長編読みきり傑作選

愛のために/こんな私でよかったら/プラチナ・スノウ/魔女にご用心

●君が好きだから!! 河原和音初期名作セレクション

君が好きだから!!/明日は晴れる?/修学旅行

●無敵のLOVE POWER

無敵のLOVE POWER/無敵のLOVE POWER 2/可愛さあまって/幸せのかんづめ/天晴/泣きたくなったら教えてね

<ズバリおすすめは?>
「愛のために」と「魔女にご用心」ですね。
どっちも収録されてる「河原和音 長編読みきり傑作選」が入手しやすいです。

初期は、どうしてもどこかで見たような表現とか言い回しが目につくんですが(「まぢで」なんてセリフ、今じゃ見かけない……)、
年代が新しくなるごとに味わいが出てきて、セリフ回しに引きつけられるようになります。

「青空エール」を連載中の今は短編を書く余裕もないでしょうが、また読んでみたいですね。
| 漫画・本::その他の河原和音作品 | 23:36 | comments (0) | trackback (0) |
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