プログラマが主に少女漫画を語る

表紙＆巻頭カラーは「お姉ちゃんの翠くん」。


別冊マーガレット2022年8月号

今回も長いうえに、最後に集A社へのボヤキがあります。
よろしければどうぞ。

これ以前の感想は
⇒漫画・本 別冊マーガレット

◎作品感想
◆[お姉ちゃんの翠くん]
目黒あむ
カラオケボックスというのは若い人にはナンパスポットなのだろうか。
たまたま翠くんが通りがかって良かったね。

「俺 男も全然いけちゃうし」
まあ、ニーズはありそうね。
前作でも、もろBL好きのキャラを出しており、
目黒先生はそっちの方が描きたいんじゃないかという気もする。

◆ふろく
矢沢あい展開催記念
オリジナルクリアファイル
紙版のみ

◆別マ連載作家に聞いてみた！
最推し 矢沢あい作品

コメントされている先生(敬称略)
・オザキアキラ
・目黒あむ
・幸田もも子
・椎名軽穂
・木内ラムネ
・アリハラナオ
・河原和音
・八田鮎子
・水野美波
・結木悠

◆[かわいくてごめんね？]
柳井わかな
読みきり

きれいになりたいヒロインと、
幼なじみの顔面の良すぎるライバルの男子の話。

柳井先生は本当に美容をテーマに盛り込むのが好きなんですね。
ラストは読みきりなんで2人がくっつくと思ってたら、
ヒネリがきいてて良かった。

28ページ目の「フィクサー」というのはよく使う「黒幕」という意味ではなく、
「化粧の前後に吹きかけて化粧崩れを防ぐ」もの、らしいです。
具体的にはサッパリわからん。

◆[君がトクベツ]
幸田もも子
今回は、「センセイ君主」とコラボです。
脈絡なく。

弘光先生「なんだよその展開… ネタ尽きたんじゃないの作者」
読者の誰もが思う事を作中でツッコませるテクニック。

◆[君に幸あれ]
原作：大橋和也（なにわ男子）　作画：幸田もも子
コラボ漫画です。

内容そのものはお祭り企画なので置いといて、
幸田先生、ほんと「いらすとや」好きですね。
先生のノリだからなせる技。

◆[月のお気に召すまま]
木内ラムネ
1本目。
理科準備室で月と八雲が片づけしてるところに歩先輩が。
メイクというのはものすごく取りにくいものらしく、
さすがに月もそこまでは知らなかったらしい。

2本目。
放課後、歩先輩の好きなシチュエーションでキスしようとする月ですが。
「いやー夕日がきれいですね。マジ夕日 夕日オブ夕日」
ふだん頭が回るのに、こういう時だけボキャ貧。
この話の月はめちゃくちゃポンコツだったけど、
最後で逆転満塁ホームランをかっとばした。

◆[恋のようなものじゃなく]
南塔子
千耀を忘れられない未仁。
で、流絃はそんな未仁に本気になるのでしょう。

ラスト2ページ、
あえて千耀の背中だけ描いてロングショットにするのがうまいと思う。

◆[サクラ、サク。]
咲坂伊緒
井竜「何笑ってんだよ ほんとイライラする」
つまり、咲が好きなんだろ？

今回が文化祭準備なんで、
当日は何かありそうですね。

◆[きよく、やましく、もどかしく。]
アリハラナオ
文化祭ゲストに、藤井の兄がやってくる。

コメディでたまにあるパターンを踏襲している。

具体的には
・ヒーローの兄がハイスペックでステータスの高い職業
・やけに高飛車、偉そう
他人へのリスペクトが一切ないのに、よく海外で成功できたな。

他の作品だと「ハルキヨ」の清志郎の兄もそう。

ラスタカラーというのは赤黄緑の組み合わせだそうで、
確かにレゲエですね。


A'sTool レゲエ 帽子 ニット帽 タム帽子 タム ニット ラスタ

◆[りぼんの縁結び]
明生チナミ
今回の犠牲者(誤解を招く表現)は、担任の先生です。

ヒロインの口数が極端に少なかったけど、
今回は割と普通にしゃべっている。

縄文メイクアップアーティストとは、
随分ニッチな職業。

◆[太陽よりも眩しい星]
河原和音
文化祭準備編。

神城のいとこ・昴は前半出てきただけで、
後半はいつもの1年生6人組、
特に井沢が目立ってる。

井沢の気持ちは、高校当時目立たなかった男子としてよくわかるんだけど、
引き受けた事はきちんとやらないとダメだよ。

後夜祭の曲のくだりで出てくる「打上花火」。
全然知らないけど米津さんの曲らしいです。
ああホワイトベリーね、と思ったけどそれは「夏祭り」。
2000年の曲だから、今の高校生が知ってるわけない。

※厳密にいうと「夏祭り」はジッタリンジンの作品で、
　ホワイトベリーはカバーしただけ

前半の昴と光輝のやりとりを見て、
光輝→昴はなさそうだと思った。

光輝が昴を好きなら、
朔英そっちのけで話すでしょう

そして昴→光輝もなさそう。
特に根拠はないけど、
男として意識してる感じはしない。

昴のようなしっかり者の場合、
同世代や年下の男は「お子様」で恋愛対象にはなりえないんじゃないか、
恋するなら年上じゃないか、と思う。

とはいえ、河原先生ならとんでもない爆弾を投げ込んでくるのもありうるので、
油断はできませんが。

「優ちゃん」、また別のいとこが出てきた。
光輝の父親は少なくとも3人兄弟で、
それぞれ子どもがいると思われ。

┌○─優ちゃん
│
├○─昴
│
└○─光輝

昴の兄の可能性もあるが、
それなら光輝は、朔英にそう説明するでしょう。

ラストの場面で自転車で「井沢ァ！」ってくる香川さんが好きです。
井沢は頑張るって言うけど、頑張っても多分邪魔だから、
意見のとりまとめは香川さんに任せて
ただの盛り上げ役に徹した方がいいと思う。

井沢は『ブスに花束を。』の新橋みたく、
なかなか3枚目の味のあるキャラになってきたので、
今後も邪魔にならない程度に見せ場があるといいですね。

今回、神城に肩でアゴ押されてるけど、
あまり怒った様子もなく、
割といい奴なのかもしれん。

印象的だったのが、河川敷での神城のセリフ。
「俺だっていろいろあんだよ!!
人をなんも考えてないみたいに言うな!!」

井沢に言ってるんだけど、
ここ数ヶ月SNSで言われている
「悪い奴だ神城」
「もう鮎川でいいよ」
という読者の声への怒りだったりして。

言ってるのは大体私だ。
すまん。

◆[うちの弟どもがすみません]
オザキアキラ
源は素直じゃないだけで、糸がめちゃめちゃ気になっている。
ある意味最もオイシイ時期。

で、3男の柊がどうやら当て馬になりそう。
いい子なので、あまり可哀想な目に遭って欲しくない気もいたします。

オザキ先生は、初登場時はそんなカッコよくないけど、
後から人気出て当て馬に昇格する男、というパターンが過去作にもある。

例)ハルxキヨの志村、「有栖川さん」のスガヤン

◆[覆面系ボーイフレンド]
倉瀬しの
球技大会と盗撮犯。

基本的に、伊藤はりなの前でしか眼鏡をはずさない。
多分そういうのがいいんですね。
トビラ絵のアオリにも「素顔を知ってるのは私だけ」とあるし。

◆[柊先輩とおふたりさま]
水野美波
パパ公認の同棲編スタート。
しかし、先輩に許されたのは「手をつなぐ」まで。

制約のある中でのイチャイチャは、
なるほどそう描くのかー、と。

「恋愛はUFOキャッチャー」＝ゲットしたら満足、の意
言いえて妙。

◆[今、恋をしています。]
八田鮎子
野田くん視点の話。
彼女をおちょくるところが活き活きしていて、
八田先生はこういう男子がうまいんだなと思う。

カップルが夕日を囲むようにハートマークを作る。
フリー素材の写真もあるくらいだから、流行りなんでしょう。
夕陽のカップル ハートを作る 写真素材 [ 6252233 ] - フォトライブラリー photolibrary

◆[アイマイミーマイン]
結木悠
文化祭終了。
夜の学校に忍び込んで花火をする2人。
余韻の回という感じです。

◆[リコちゃんとささみ]
有永イネ
Siriと化すササミ。
ペットボトルのラベルはがしは、
命令してる間に自分でやれますね。

◆[黒猫くんを飼い慣らしたい]
紗織
今回は明確にストーリーが次号に続いてました。
ということは、反響があったのでしょう。

良かったです。
別マのショートはいつ切られるか分かんないので。

◆[川底どんちゃん騒ぎ]
柏木シュワ
働きすぎで労働を禁じられる親方。
社会派のストーリーと見せかけて、
ただただドンちゃんが「笑ってはいけないシリーズ」のごとくケツをしばかれるだけ。

◆別マ的平成ギャルのトレンド大調査
カラー特集。
「平成」のリバイバルブームが来てるらしいです。
まだ4年前なのに。

MDプレーヤー、私は全然触ってない。
その後iPodの時代があり、今はサブスク。
栄枯盛衰。

◆[ラブ解き 別マ探偵団](読者投稿コーナー)
助手がミネ太さんからナゴ美さんに交代。
編集部から異動かしら。

◆別マ作家のプライベートをネホハホ！
桜山結先生。
専業の漫画家になる以前は、
出版社の営業をしていたという変わり種。

推し作品は、阿賀沢紅茶先生の「正反対な君と僕」。
これは、まさに今ホットな人気作品です。

正反対な君と僕 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)


◎別冊ふろく [別マBABY vol.20]
表紙：桜山結先生

◆[マネ男子、ノーマークです！]
桜山結
新連載

ヒロインが女子マネはたまにあるけど、
ヒーローが男子マネというのは珍しい。

ヒロインが適度に欲望があり、
適度にマジメで、緩急が効いています。
脇役のサッカー部員も描き分けてあるのが良い。

◆[女神さまの言うとおり]
加賀里みほ
新連載

ドルオタを隠してる少女の話。
中学からすでに彼氏がいるという、
別マでは比較的珍しい設定。

ラストシーンでその彼氏がどうなったかあいまいなのが惜しい。
1話でヒロイン・彼氏・本来のヒーローの3者を描くのは難しいですね。

◆[ネオンサイン]
六日なのか
「その金額(2万円)で卓着くわけないじゃん」
「(シャンパン)タワーは500万」
別マでここまで生々しい金額が描かれるのは珍しいです。

「売掛」＝ツケ払いのこと。
これも別マではまず出てこない単語。

次号でヒロインが借金しそうでヒヤヒヤする。

◆[ただいまお取込み中です]
清水奏良
おじさん先生が典型的な嫌な先生だったので、
そこはヒネリが欲しかったですね。

◆[リコちゃんとささみ]
有永イネ
今回から本誌とBABY(別冊ふろく)両方に掲載だけど、
さてどれだけ反響があるのかな。

◆[チート能力は恋に使えますか？]
月奈子
最終回

廊下で黒谷先生がハグするシーン、
漫画としてはいいんだけど、
確実に生徒なり他の先生なりが見てそうです。

後で怒られそう。
いや、怒られるだけじゃ済まなさそう。

◆[ひみつの子犬くん] 七海ナミ
読みきり

東京からの転校生に、つい世話を焼いてしまう大阪弁のヒロイン。
男女の組み合わせは面白い。
ヒーローの秘密がわかってからすぐラストなので、
もう少し手前にもってきて、
余韻に1～2ページあると良かったかなと思います。

◆[カリナの恩返し] 双海芽生
読みきり

ヤンキー女子が、あこがれの生徒会長に近づくために紙を黒くして副会長になる話。
見開きでケリ入れるシーンがパワフルで良かった。
スカートの下は短パンだったのか。

◆[おさななじみの美人のおとこのこ] 柴日和
読みきり

タイトル通り、女装男子の話。
勢いで読む作品であり細かい事は言いっこなしなんだけど、
「ヅラは校則で許可されているのか」というのは気になる。

それとも、あのロン毛は地毛なのだろうか。

◆[ほっかほかのがまん] 保奈実
読みきり
他人の「がまん」が肉まんの形で見える、という少年の話。

正直、オチのヒラメ筋より、冒頭の先生の願望の方が気になる。
明らかに犯罪の香りがいたします。


◎別マまんがスクール掲載作品
Webサイトで公開中。
別マまんがスクール結果発表 | まんが投稿 | 別冊マーガレット 公式サイト

◆[本当に君はかわいいね] あずき砂夜花
第650回 別マまんがスクール デビュー賞

まじめ女子＆チャラ男。
ツンぎみのヒロインがラストでデレる。
ふり幅がいいですね。

◆[ひとめぼれ！] 小林美優
第650回 別マまんがスクール BEST期待賞

2ページ目でヒロインがひとめぼれして、
一気に突っ走る作品。
絵は粗削りですが、
セリフとスピード感、時折挟まれるギャグタッチの緩急はとてもいい。


◎次号
新連載＆巻頭カラー
[山田家の女]
湯木のじん

表紙＆カラー
[見たい・みたい]
椎名軽穂

読みきり＆カラー
[月がきれいにみえるから]
ともすえ葵

センターカラー
[サクラ、サク。]
[柊先輩とおふたりさま]

第9回新人まんがグランプリデビュー賞受賞作
[あいの音色]
藤江ひかり

最終回
[覆面系ボーイフレンド]
[アイマイミーマイン]

■別冊ふろく［別マBABY］vol.21
新連載
[国民の弟は兄のいいなり]
ゆのはらゆの

読みきり
・柚野マミ
・ウエダマリ(第9回別マ新人まんがGPデビュー賞受賞作)
・保奈実

余談。
ともすえ先生や保奈実先生は不定期に読みきり描かれてますが、
今までの読みきりがコミックスにまとまる気配がない。
電子ですら。

そこまでの反響がないからコミックスにもならないんだろうけど、
編集部は若手の先生の実績を作る気がないのか？
次の世代を育てる気があるのか？　と思わざるを得ない。

出血覚悟でコミックスを出す余裕もないのかと。
反響は出版社が作り出すんじゃないのかと。

そのうち、他社に移ってブレイクなんてことがないといいんですが。
これは私の妄想じゃなく、浜谷みお先生がそのケースです。

【参考】
古墳サークルで繰り広げられる三角関係!_『やまとは恋のまほろば』浜谷みおインタビュー _ ダ・ヴィンチWeb

金のティアラ大賞で銅賞を受賞できたんです。ただ、読み切り作品ばかりを描いていたら、自分のなかがすっからかんになってしまったんですよね。それで、マンガを描くことが嫌になってしまって、ペンを持つことから遠ざかってしまいました

※金のティアラ大賞：集英社が主催する女性向けマンガ賞。現在は廃止

もちろん、出版社は慈善事業じゃないんで、
売れる見込みのないものは出さないのはわかる。
しかし、勿体ない。

読者としても、読んで面白いと思った先生のコミックスを買えないんじゃ、
売り上げに貢献することができないし、
知り合いに布教もしづらいんですよ。


◎裏表紙
前号に続き、アイドルの大橋和也さん。

2022/7,8 大橋和也(なにわ男子)
2022/6 アニメ「アクダマドライブ」
2022/5 声優百年食堂
2022/3,4 舞台「アクダマドライブ」
2022/1,2 声優百年食堂
2021/12 声優百年食堂
2021/11 花の都に虎(とら)われて＆シークレット・ハウス～恋の相手はトップスター！？～(いずれも中国ドラマ)
2021/10 KAWS TOKYO FIRST(ニューヨークのアーティストの展覧会)
2021/6-9 舞台「幽☆遊☆白書」DVD
2021/5 コミック「miroirs」(ミロワール)(白井カイウ/出水ぽすか)
2021/4 ときめきは、すぐそばに。(セブンイレブンのオリジナルアニメ/キャラ原案：椎名軽穂)
2021/2,3 舞台「幽☆遊☆白書」DVD
2021/1 チェブラーシカ
2020/11,12 アクダマドライブ
2020/10 アニメ映画「ふりふら」
2020/9 実写映画「ふりふら」
2020/8 アクダマドライブ
2020/4-7 声優百年食堂
2020/3 映画「サヨナラまでの30分」
2020/2 声優百年
2019/11-2020/1 チェブラーシカショップ
2019/6-10 声優百年
2019/5 ちびまる子ちゃん
2019/4以前は数ヶ月チェブラーシカ

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