映画「るろうに剣心 最終章 The Final」ネタバレ感想
5/1、観てきました。
シンプルに面白かったです。

少年ジャンプの人気漫画の実写化、ついに完結。
原作と違うところは沢山ありますが、
独自の魅力を獲得して、ラストまで実写化しました。

キャストの皆さん、スタッフの皆さん、
お疲れ様でした。
ありがとう。

以下、ネタバレ感想です。

前作の感想
映画「るろうに剣心 京都大火編」ネタバレ含む感想

◎全体の感想
原作のコミックス18巻~28巻の「人誅編」をなぞりつつ、
テンポよく収めてました。

映画はこの後「The Beginning」が控えてますが、
「The Final」だけで話は完結してて、
単独で楽しめるつくりになってます。

つまり、雪代縁とのケリがつき、
剣心が過去を受け入れたうえで生きていく決意をするという、
前向きなラストで終わってます。

映画「京都編(志々雄真実編)」みたいに前後編になってないので、
続きが気になってモヤることがない。
スッキリした気分で映画館を出られます。

幕末の回想シーンの大半は「The Beginning」に回すことで、
時間を138分に収めています。


◎原作との比較
とにかく、良かったのは「テンポ」ですね。

原作「人誅編」の欠点として、
「展開がモッサリしてる」ところがあります。

雪代縁一味が署長と前川道場を襲撃

剣心が雪代巴との過去を語る

神谷道場にて、雪代縁一味との戦い・第1ラウンド

薫が死亡した(と思われた)ので、剣心やる気をなくして引きこもりモード
左之助があきれて神谷道場を離れる

弥彦たちの奮闘で剣心復活、左之助も復帰

孤島で雪代縁と最終決戦

改めて原作を読んでみると、
鯨波・乙和・八ツ目・四星といった脇役との戦いの尺が長い。
いちいち解説が入るので。

雪代巴の回想も、コミックス2巻・計14回にまたがってて、
回想としては長すぎる。

映画はこの辺の構成を見直し、
雪代巴のシーンは断片的なものにとどめてます。

それで充分だと思う。
昔話をことこまかに話すのも変ですし。

で、雪代縁一味との戦いも、
神谷薫の死がはさまれることなくノンストップで進行。

それでいて、原作の大事なシーン・セリフが盛り込まれて、
きちんと終わってます。

こう書くと原作が嫌いなの? と思われるかもしれません。
好きです。
でなきゃ、↓みたいな記事は書かない。

「るろうに剣心」(和月伸宏)の登場人物を年齢順に並べてみた


◎ストーリー雑感
明治12年、新橋駅。
斎藤一率いる警官隊が、
武器密輸商人・雪代縁を捕縛しようとするところからスタート

のっけから汽車内でのバトルアクション。
警官の皆さん、雪代縁にボコボコにされる。
これは序の口で、この映画は一般人やモブ警官がとにかくヒドイ目に遭う

大友啓史監督、「鬼滅の刃 無限列車編」に対抗して
汽車内でバトル……ではなく、偶然でしょう。
本来なら2020年7月公開なんだから。

この作品は明治が舞台なんで、
まず、それを意識づけるために「汽車」というだけだと思います。

昔の街並み・セットにめちゃくちゃ気合が入ってて、
それだけでも観る価値はある。

一旦は捕縛された雪代縁ですが、
清国とのコネがあるのか即・釈放。
こんな危険人物を野放しにする明治政府、
志々雄真実騒動から何も学んでいない……。

雪代縁一味、アイサツ代わりに「赤べこ」を砲撃。
鯨波兵庫さん、「うおおおお」とかうめき声しかあげてなくて、
原作よりバケモノぶりが増している。

実際、家を吹っ飛ばすくらいの砲台を
右手にとりつけて撃つなんて、
ものすごい気合入れないとムリだよね。

というか、衝撃を受けてよく無事でいられると思う。

そして、乙和瓢湖による浦村署長一家襲撃。
同時に乾天門による前川道場襲撃。

乾天門は、原作だと戌亥番神にあたるキャラです。
戌亥番神は映画第1作で出しちゃったので。
外印といい、なんで映画第1作で出しちゃったのかは永遠にナゾ。
そこは御庭番衆で良かったろ。

乙和瓢湖は駆けつけた剣心に倒され、
最後にタンカをきって自爆。
これの方がインパクトあっていいです。

原作では、乙和は弥彦と戦いますが、
正直あの場面ダレるので、いらない。

そして、雪代縁と剣心の再会。
剣心、仲間たちに妻・巴との日々と死を語る。

原作では10日後に神谷道場襲撃ですが、
映画はそんなにかけてない。

ここからの雪代縁一味は、もはやテロリスト。

斎藤一率いる警官隊を、ニセ情報をバラまいて
横浜のアジトにひきつける。
むろん罠で、ここでも雪代縁にザコ兵にボコボコにされる警官の皆さん。
ほんと、かわいそう。

鯨波は、東京を片っ端から砲撃。
一般市民の皆さんは完全にとばっちり。

そこに剣心が駆けつける
鯨波はガトリング砲で撃ちまくるが、
当たり前のように全弾回避する剣心。

ジャンプヒーローに銃弾は当たらない。
理不尽。


恒例のアクションシーンは健在。
最後までゲップが出るほど楽しませてくれます。

鯨波のガトリング砲を切り落として無力化し、剣心の勝利。
原作での弥彦の見せ場はまたまたなくなりましたが、
その方がダレないので(以下略)。

京都から駆け付けた四乃森蒼紫・巻町操は、
八ツ目無名異とバトル。

原作ではなが~~~い腕を駆使してた八ツ目ですが、
さすがにその実写化は無理なのか、
腕に固定した槍? を伸ばしたりしてました。たぶん。

たぶんというのは、
この辺のバトルは暗くてわかりにくかったのです。

八ツ目を押してた四乃森蒼紫ですが、
一般人を建物の崩壊からかばって負傷退場。
以降は出番なし。
まあ、カットされなくてよかったです。

雪代縁は、単身神谷道場を襲撃。
左之助や門下生の皆さんをボコボコにし、薫をさらう。
ほんと、一般人に優しくない映画。

左之助はボコボコにされるのが恒例なので、
しかたない(のか?)。
壁をブチ破る勢いでフっ飛ばされたり、
ほんと青木さんお疲れ様です。

雪代縁は果たし状を残して、神谷道場を去ります。

ちなみに、果たし状は
ここに来る前にボコボコにした刀狩りの張(沢下条張)の口に
突っ込んであった。

彼の入ったずだ袋を見た剣心、
果たして何を思ったか。
「誰だっけコイツ」という顔に思えてならない。

原作でインパクトのあった
「薫を殺したとみせかけて実はさらっただけ
死体も精巧なつくりもの」は、完全カット。
勢いがなくなりますからね。

そして、本物の雪代縁一味のアジトにて、
最終決戦。

ここでまさかのサプライズ出演したのが、
神木隆之介さん演ずる瀬田宗次郎。

呉黒星が雇ってた用心棒? 役なんですが、
即行で裏切って剣心と共闘します。
ボコボコにされるザコ兵士の皆さん。
ザコに優しくない映画。

宗次郎が剣心に背中を預けて戦うのは
胸熱シーンではありますが、
必要かどうかと言われると疑問。

138分と長い尺の作品です。
入れる必要はあったのだろうか。

乾天門は斎藤一が倒し、
八ツ目は巻町操が倒す。

そして、剣心と雪代縁の最終決戦。
原作通り、雪代縁は倭刀術と足技を組み合わせた派手なアクション。
これはもう、新田真剣佑さんが見事ですね。
ビジュアルから中身まで縁になりきってますね。

剣心を追い詰めますが、一歩及ばず。
最後は、呉黒星の凶弾から薫をかばい、
「本当に助けたかったのは……」と慟哭して戦意喪失。

後日。

雪代縁は獄中で薫から送られた巴の日記帳を読み、
姉の真意を知って涙を流す。

剣心と薫は巴の墓参り。
剣心は、心の中の巴に
「ありがとう」「すまない」「そして、さようなら」
と、語りかけるのでした。


◎キャラ雑感
◆緋村剣心/佐藤健
佐藤健さん、10年間剣心お疲れ様でした。
彼がいなければ、実写シリーズここまで人気出たかどうか。

アクションシーンの素晴らしさは言うまでもない。
今回の私的みどころは鎖骨。

回想で巴との「事後」を暗示するシーンがあるんですが、
チラリと見える鎖骨がエッッッッッッッッロい。

私、ふだんは男のハダカなんか何とも思わないですが、
あれはダメ。あれはエロすぎる。
あの鎖骨ひとつとっても、佐藤健はただ者ではない。

◆神谷薫/武井咲
これまた10年間お疲れ様でしたで賞。
ほとんど変わってないんだから、役者さんってすごいよね。

◆雪代縁/新田真剣佑
重度のシスコンで賞。
脳内の姉さんに語りかけるシーンが何度もあるんですが、
ほんと気持ち悪かったです(ほめてる)。

薫を寝かせてた部屋に巴の肖像画があったけど、
あれも絵師に1000個ぐらい注文をつけて描かせたんだろうな、と思う。

◆相楽左之助/青木崇高
雪代縁の被害者第1号。
毎回ボコボコにされてお疲れ様でしたで賞。

◆四乃森蒼紫/伊勢谷友介
出演シーンカットされなくてよかったで賞。
でも、負傷退場してから出番が一切なかったのは、
多少カットがあったのかな、と邪推。

原作でも思ったけど、白コートより黒のが似合う。

◆巻町操/土屋太鳳
八ツ目との戦いで、
口に溜まった血をペッと吐くのがめちゃカッコよかったで賞。

◆前川宮内/中原丈雄
前作の田中泯さん演ずる御庭番衆の翁(柏崎念至)に続き、
ボコボコにされるおじーちゃん枠。

◆沢下条張/三浦涼介
雪代縁の被害者第2号。
警察に雇われた密偵みたいなポジションですけど、
あんな目立つ頭の密偵でいいのか。

で、結局彼は死んだのか、
気絶しただけなのか。

◆乙和瓢湖/栁俊太郎
両端がでっかい大鎌という武器を振り回すんですが、
そんなもので戦ってよく自分がケガしないもんだと思う。

◆鯨波兵庫/阿部進之介
なにしゃべってるか聞き取りづらい人、第1号。

◆八ツ目無名異/成田瑛基
なにしゃべってるか聞き取りづらい人、第2号。

◆呉黒星/音尾琢真
中国人っぽい喋り方うまいですね。

◆斎藤一/江口洋介
今回も安定の牙突でした。
もうちょっと部下をねぎらってください。
毎回重傷者だらけです。

◆瀬田宗次郎/神木隆之介
繰り返しになりますが、
無理矢理出す必要があったのかは、やはり疑問。

「伝説の最期編」で戦闘シーン以外に出番なかったので、
その補完かもしれませんね。

◆雪代巴/有村架純
彼女に関しては、「The Beginning」を観ないと語れません。

◆小野花梨
「鈴木先生」の川辺(カーベェ)役などで知られる、
子役時代から有名な方ですね。

クレジットされてますが、役名は不明。
どうも浦村署長の娘さん役らしい。


◎最後に
伊勢谷さんの大麻所持の一件があり、新型コロナもあり、
そんな中で公開にこぎつけられて良かったです。

スタッフロールで沢山の方がクレジットされてますが、
皆さんの苦労がお蔵入りにならなくて、本当に良かった。

「The Beginning」も観に行きます。
| 映画 | 23:40 | comments (2) | trackback (0) |
コメント
Cameronさん、ありがとうございます!
ながーーーい文章になってしまいました(;^_^A お付き合いいただき恐縮です。

ぜひ映画館で体験して欲しい作品です。
| 惣一郎 | EMAIL | URL | 21/05/02 13:47 | GifWEwd2 |
感想ありがとうございました。
力作!!!(ブログが!)
以前に書かれた登場人物を年齢順に並べたブログも力作!!!
ネタバレなんなけど、こちらを読んでからの方が観に行きたい気持ちが高まるという魅力ある文章力!
素晴らしいー!!!
| Cameron | EMAIL | URL | 21/05/02 00:32 | bgCb3utQ |
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