河原和音「青空エール」72話感想(別冊マーガレット2015年5月号)
河原和音「青空エール」72th Yell(別冊マーガレット2015年5月号)


別冊マーガレット 2015年5月号(Amazon)


吹奏楽コンクール北海道大会(全道大会)、開始。
高校野球で言う南北海道大会にあたります。

どっちも競争ではありますが、吹奏楽と野球はちと違う。
野球は勝負なので、作戦や腹の探り合いといった駆け引きがある。

吹奏楽は他校はあまり関係なく、ひたすら自分との戦い。
プレッシャーに勝って練習通りの力が発揮できるかどうか。
今回はその心理面のお話もあります。

これまでのお話はカテゴリからどうぞ。

◎今月号のお話の前に
今月号はカラー表紙です!
これも単行本だとモノクロになっちまうと思うと、勿体ない。

伝統の赤ブレザー着たつばさとまるちゃんが、
コンクール用楽譜をもって笑っているところ。

つばさ・まるちゃん・水島・谷・栗井・葛西さんがカラーペンで思い思いの言葉を書いてるのですが、
これじゃ演奏で読めないんじゃないか、と思った貴女。
大丈夫だと思います。つばさは暗記してるから……。


◎今月号のお話
北海道大会高校A編成の部、当日。
18校中、全国への切符を与えられるのは2校のみ。

ちなみにA編成というのは、大規模編成の部門のこと。
都道府県によって微妙に違うらしいのですが、
コンクールは大編成のA部門と小編成のB部門があります。

B部門は小規模校や、強豪校のいわゆる二軍向け。
A部門出場には最低30人必要なのですが、そこまで部員が集まらない学校も沢山あります。
(35人だったか……うろおぼえ)
そういった学校にも公式戦の場を用意するのがB部門。
地方大会までで全国大会は存在しませんが、立派な発表の場です。

脱線ここまで。

舞台はコンサートホールkitara。
つばさたちは慣れた場所ですが、コンクールになるとまた違う。

つばさの2個上の先輩は強かったが、他校もレベルが高く全国行きならず。
1年前は全国へ行けましたが、つばさはメンバーから外れ、成績も銅賞。
そしてつばさ達の代は、弱いと言われながらもひたすら練習してきました。

以上、1ページでつばさの回想終了。テンポいいね。

一方、つばさの両親もkitaraに来ていました。
ここで水島の母も初登場。お互い挨拶。

水島、顔は完全に母親似です。
あと、歯に衣着せぬ物言いも母親譲りっぽい。
「白翔も今年はメンバーに余裕がないなかで全国目指してるみたいですけど……」って
お母さんが言うのです。
親子揃ってストレートな表現が好きね。

そして、野球部も応援にやってきていました。
白翔の赤ブレザーを見つけた山田、「がんばれよ!!」とつばさにエール。

メンバー入りしない下級生からも、激励されたりお守りをもらったり。
お守りを渡してるのは、2年でメンバー外れた佐竹さんかな……多分。

【つばさのそうび】
E ヤマハのゼノII
E あかのブレザー
E かきこまれたがくふ
E やまだのおまもり
E さたけのおまもり

本番前、軽くチューニング。

まるちゃんから「全国行こうね 私 水島ともっと吹きたい」。
一途やねえ……。

メンバー入りした下級生は、やはり緊張が隠せません。
つばさは瀬名のエリを直したり、山根さんにリップクリームを貸したりします。
さすがに2度目だと余裕ありますね。

瀬名も去年全国大会で吹いたはずなんだがな。
まあ、何度やっても本番は緊張しますからね。

そして、いよいよ控室からステージへ移動という、その時。
1年から唯一メンバー入りした子が泣き出します。

「どうしたの?」
「すいません わかりません……」
まあ、プレッシャーですわな。
私も、1度だけ唇が震えてまともに音合わせできなかった経験があります。
あとは、2年を押しのけてメンバー入りした申し訳なさもあるのかな。

2,3ヵ月前に(読者的には約1年前……2014年4月号15巻参照)、
「先輩はやさしいけど 楽器は大したことないよね」
とか言ってませんでしたっけ? このマツゲちゃん(名前がわからねえ)。

つばさ、シンプルに「泣かない!!」
「泣くのは全部終わってからにして!!」と叱咤します。
成長したなあ……2年前は泣く側だったのに。

マツゲが落ち着きを取り戻し、メンバーは舞台入り。
そして皆さん、いよいよ今日のその時がやってまいります……(by 松平定知アナ)

「8番 札幌地区代表 北海道白翔高等学校
課題曲 II番
自由曲『吹奏楽のための神話~天の岩屋戸の物語による~』
指揮 杉村容子」

最初の一音ですべてが決まると思って

音を出し続けるのはそう難しくありませんが、
演奏開始の音を滑らかに出すのは非常に難しい。
特に、コンクールともなると痛いほど静まりかえってますからね。
このプレッシャーをぬぐうために、日々練習しているといっても過言ではない(なんちて)。

演奏中、つばさは「そろった!!」と手ごたえを感じていました。
あ、サックスの中に先月出てたサドっぽいリーダーの女子がいますね。
ひそかに反響あったか。

あっという間に12分間の本番は終了。
観客席から「ブラボー!!」の声。
うまい演奏の後には、自然と誰かが叫ぶんですよね。
オケや吹奏楽のお約束みたいなもんです。

客席には、春日先輩と森先輩らしき2人が。
やっぱりパツキン。
香織先輩は来てなさそうだな……。

野球部の連中は帰り始めますが、山田だけは「オレ発表までみてくわ」と。
さらっと言ってますけど、これは結構大変。

結果発表は夜8時。
白翔は8番で早いほうだから、ひたすら延々と待たないといけない。
さらに課題曲は同じ曲を何度も聴くから、野球部の山田にはかなり退屈なはず。
男気ですわ。

つばさは出し切った表情。
後は、客席で結果を待ちます。

結果発表では、出場校順に金賞・銀賞・銅賞がアナウンスされます。
金賞は「ゴールド金賞」と言うのが通例。
「きん」と「ぎん」が聞き間違えやすいため。
また、タイムオーバー等の理由で失格した場合、正規の賞ではなく努力賞が授与されます。

結果発表の途中、隣にいるまるちゃん、パーカス栗井と自然に手をつなぐつばさ。
祈るようにみんなで手をつないでいきます。
これ、隣に男子部員がいる子はどうすんだろ。

「全国大会出場団体は-
2番札幌地区代表 栄南大学附属高等学校
8番札幌地区代表 北海道白翔高等学校
以上の2校です」

歓声。手をつないだままみんなでバンザイ。
まずは第一関門突破です。

全国大会は10月。
杉村先生によるとレベルはまだまだだそうで、
これからさらに上を目指すそうです。

解散後の夜。
つばさ、山田に電話して「今から大介くんとこ行っていい?」
えらく積極的です。
本番終わったんで、発散したいんですかね(お下品)。

いつものコンビニ前で待ち合わせる2人。

山田は、「絶対 全国行けると思ったわ」
「……どうして?」
「小野の音が どれとかわからなかったけど 全体がひとつになってるっていうか 心がまとまってる演奏だと思った」
音楽は素人なのに、いい勘しています。

「演奏でひとつになる」ことが目標だったつばさ、ここで泣きだす。
「泣くのはぇーって 金賞とるんだろー」
「うん……」
「送るわ 明日も練習なんだろ?」
「うん……」

なんだ、結局ナニもしないのか(当たり前)。

あ、でも最後にさりげなーく山田からキスしました。
この場面はどうこう書くことないので、読んでください(投げやり)。

あとのイベントは全国大会だけです。以下次号。


◎感想
前回、Tp1年がメンバー入りして2年が1人落ちるのが、
伏線になると書きました。

単純に嫉妬とかやっかみの展開にはしませんでしたね。
それやったら去年と一緒ですから。
河原先生、いつもながら安定したストーリーテラーです。

さて、キスしちゃった2人。
こうなると、全国大会の後はもっとすごい事をしないといけなくなるぞ(別にそんな決まりはない)。
果たして別マで書いていい内容になるんでしょうかッ!?(だからしねーって)。

ところで、ホールのアナウンスで「北海道白翔高等学校」と校名が紹介されてましたが、
17巻だと「札幌市立白翔高等学校」って言われてるんだよなあ。
ほとんどの人はどうでもいいかもしれないけどさあ……できたら統一して欲しいな。

ちなみに、白翔のモデルである高校の正式名称は「北海道札幌白石高等学校」です。
札幌市立じゃなく、道立です。


◎今月の河原先生
修造カレンダー買いました。

↓コレかな?
(日めくり)まいにち、修造!/Amazon


◎俺物語30話 2行感想
パティシエ一之瀬が、思い込み強いけど普通に努力するヤツだとわかる回。
この漫画、単純に悪い人はいませんね。


◎今月号のおまけ
ポストカードがついてます。
「青空エール」は、私服のつばさと山田のツーショット。
でも、劇中ではこんなデートする場面は一切ない……休日も練習漬けだから。
つくづくストイックな漫画だと思う。


◎ペン子の漫画家さんに会いたい!
漫画家を目指す方向けのコーナーで、今月は河原先生がインタビューされてます。
3月号、4月号に続き、今月号がラストの3回目。
お話やキャラづくりについて語ってますので、興味ある方はどうぞ。

さる24年前、先生は投稿する側でしたが、それから読み切り・連載ほぼ途切れず
今やベテランでインタビューされる側。
すごいの一言です。

文・イラスト担当は豊島ミホさん。
数年くらい前に若い作家さんで聞いたような名前だけど、同一人物なのだろうか。


◎宣伝
単行本17巻発売中。
感想というか、雑感はこちら


青空エール(17)/Amazon


あと、3/18に初期読みきり集「恋愛女子短編集 500マイル」発売予定。
感想書きました。⇒こちら


500マイル(集英社文庫)/Amazon
| 漫画・本::河原和音「青空エール」 | 22:18 | comments (4) | trackback (0) |
コメント
ときぞうさん、いつもありがとうございます。
卒倒しましたか……なんせ「はじめてのチュウ」ですからね。

>大介のくれたお守りって・・あれ・・ナニ?
勝手な想像ですが、あれはバンドだと思います。
マジックテープでくっつけたりはがしたりが簡単なやつ。

高校まで野球やってた友人は、
新品のグラブの「型」をつける時に、こういうバンドを使ってたらしいです。
グラブにボールを入れて、バンドで縛って丸まった状態で固定する。
こうすると型がつきやすいそうで。
それのお古かな、と。

吹奏楽はグッズ盛んなんですよ。
パンフレット、各校の演奏DVDも売ってます。
DVDはその場で予約注文できてしまう。超便利。

吹奏楽連盟のお金儲けというより、保護者や学生のニーズが高いんだと思います。
つばさ・水島の親御さんもDVD注文したと思いますよ。
何せ、最後になるかもしれないから。

>来月号は休載!
おっと見逃してました。ありがとうございます。
危うく6月号を注文するところでした。

さて、再来月の山田、次の夜のリードはどんなサインを出すのか?
(注目はそこじゃない)

ではまた、よろしくどうぞ。
| 惣一郎 | EMAIL | URL | 15/04/20 12:01 | fM7wg6Io |
白 目 剥 い て 卒 倒 。

惣一郎さんこんばんは。ときぞうです。発売日に一読。
このレビューを読んで、心を落ち着かせてからもう一度読み直して来ました。

立ち読みで(買いなさい)。

つばさの腱鞘炎は軽く済んでいるのかな?おばさんはちょっと心配していたので。ぎりぎりになって全道のメンバーから外れたら・・と夜寝付けなくなるぐらいに。

お守りくれた後輩の必死な真剣なまなざし。よかったなー。この悔しさを来年果たして欲しいですね。連載は終わっているけれども(笑)。

あとー、当時から疑問なんスけどー、大介のくれたお守りって・・あれ・・ナニ?ひょろっとした紐みたいなアレ。
私もかなり野球好きな方ですが、全く何かわからない。
惣一郎さんわかりますか?

吹奏楽の大会って、グッズとか売るんですね!運動部の高体連とは違いますね。そして先月「何気に放任主義」と認定(違)したつばさの両親いましたね。水島は父親の遺伝子ゼロかよ。

親ズ「全国に行かせてあげたいですよね」
私「本当にねぇ。あ、つばささんと水島君のご家族の方ですよねぇ」
親ズ「・・・はぁ」
私「いつもお世話になっておりますぅ。私もねぇ、もう自分のことみたいに緊張してねぇ。あ、今日は野球部が応援にくるみたいですよー(気持ちの悪いニヤニヤ笑い)。それじゃ、また後ほどー」
親ズ「・・・誰?」

妄想劇場 終

しかし、大介くんもいつの間に「夜のリード」を猛勉強したのかしら。まぁあんなカワイイ顔で「来てくれて嬉しかった」なんてまつげフッサフサで言われたら、そらー男なら辛抱たまらんよねぇ。夜のミットにストライク!

42歳、下品です。

kitaraに城戸くんいなかったけど、ワッキーとデートかな?(お情けデート?)
さぁ、2人は学校で赤面せずに会えるのか?来月号は休載!待て7月号!

ではまた来g・・6月にやってきます。
| ときぞう@道央 | EMAIL | URL | 15/04/19 20:23 | N8BsR3x. |
無花果さん、お忙しい中コメントありがとうございます。
今月もみんな輝いてましたねー。
学生時代、適当に練習してた私にはまぶしすぎますわ。

単行本は5月頃だと思いますね。
だいたい4か月おきで、最新刊の17巻が1月だったので。
キス自体はあっさり目だったので、「あ、したんだ」って感じでした。
ベロチューまでいったらどん引きですけど(そんな初キスしねえよ)。

では、またどうぞ。
| 惣一郎 | EMAIL | URL | 15/04/17 10:39 | fM7wg6Io |
こんにちばんは、いつもの見た感想です。
やっぱり青春はいいですね。バリバリ青春していますが、大介君とつばさのような人はそんなたくさんいませんよ。今しか出来ない事に対して一生懸命頑張っている姿に、目から汗が…(>_<)
最後…惣一郎さん大変な事になってますよ!!私の予想では、コンクールが終わってからだと思っていたのに…。どんな感じなのかは、単行本を買ってからのお楽しみにします笑
単行本はいつ発売になるんでしょうか?去年だったら4月末だったような気が…。(←違うかもしれません)
来月も楽しみにしています。今月ドタバタしているので、ここまで(^_^;)
| 無花果 | EMAIL | URL | 15/04/16 22:07 | DdN0Pa9I |
コメントする
コメント受付を停止します。海外からスパム投稿が多いため。
この記事のトラックバックURL
http://kodawari.sakura.ne.jp/blogn/tb.php/762
トラックバック


  
CALENDAR
S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
<<   03 - 2024   >>
LOGIN
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
PASS:
CATEGORIES
ARCHIVES
COMMENTS
TRACBACK
PROFILE
OTHERS
POWERED BY
POWERED BY
ぶろぐん