ハンカチ王子こと斎藤佑樹投手が早大入りする2007年に出版された本。表紙、カラー写真と佑ちゃんが続くのでまるでファンブックのような印象を与えるが、本文では全く出てこない。少し誤解しやすい構成である。
テーマはタイトルに「神宮」とあるように大学野球。東京六大学を中心に、大学野球で輝いた監督、選手たちを取材している。
一押しは第二章の東大。「赤門旋風」でリーグ戦を湧かせた1981年の舞台裏を描く。そして第五章の駒大・太田前監督。人間力やカリスマといった言葉でくくれないキャラクターは非常に面白かった。
☆構成
巻頭・巻末 早稲田大/斉藤佑樹(政川慎治)
第一章 慶応大/相場勤、加藤幹典、宮田泰成(鈴木洋司)
第二章 東京大/平野裕一、大山雄司、下島勉(山岡淳一郎)
第三章 明治大/川口啓太、藤田真弘、白石守、佐々木大輔(佐々木亨)
第四章 駒沢大/太田誠(中村計)
第五章 関西大/山口高志(谷上史朗)
第六章 東北福祉大/伊藤義博、大竹栄、岡本幹成、山路哲生(渡辺勘郎)
第七章 慶応大/志村亮(矢崎良一)
監督と大学野球 若者が育つということ(安倍昌彦/日刊スポーツ出版社)
斎藤佑樹と歩んだ1406日(応武篤良/ベースボール・マガジン社)
神宮の奇跡(門田隆将/講談社)
東京六大学野球史(荒井太郎/ソニー・マガジンズ)
最後の早慶戦 学徒出陣 還らざる球友に捧げる(笠原和夫・松尾俊治/ベースボール・マガジン社)
新たなる聖地 甲子園から神宮へ(企画・矢崎良一/竹書房)