三田紀房「砂の栄冠」134話感想（週刊ヤングマガジン連載）

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今週の砂の栄冠　第134話「限界」

（週刊ヤングマガジン2013年4月8日／19号）

単行本12巻は4月5日発売。
スイッチピッチャーを目指すお子さんをお持ちの方は是非。

11巻の感想はこちらにまとめました。

＊

８回裏に１点差まで追い上げた樫野。
エンドランも到着して逆転のお膳立ては充分だったが、七嶋はもう限界。
２死までこぎつけたものの、そこから満塁にしてしまう。
そして、１番武岡の打球はスタンドへ……。

＊

からくもフェンス直撃で済んだが、ランナーは全て還って３点。
これで７対11。
球場の誰もが、勝負がついたことを悟ってしまった。
ベンチ、マネージャー、応援団、マギーと佐藤さん、ライター茅刈、甲子園常連組の皆さん、樫野ナイン。
そして七嶋自身も……。

＊

あとは三田野球漫画お得意の、コマの枠なし描写。
クロカン３巻の桐野戦、甲子園へ行こう３巻の湘学舎戦で見られますね。
擬音も台詞もない、無声映画のようなページがひたすら続きます。

２番、三遊間を破るヒット。二塁ランナー生還。７対12。
３番、フォアボール。一、二塁。
４番、センター越え二塁打。二者還って７対14。

それでもなお投げる七嶋。
５番をフェンスギリギリの外野フライに打ちとり、ようやくスリーアウト。
球場全体から沸き上がる拍手。
しかし、それはすでに敗者の健闘を称える拍手なのでした。

＊

１回ノーアウトからここまでリリーフし、自責点ゼロの見事すぎるピッチング。
しかし、試合は決着がついたも同然。
七嶋も「終わったあ……」とベンチでうなだれるしかありませんでした。
以下次号。

＊

	１	２	３	４	５	６	７	８	９	計
苫大駒小牧	８	０	０	０	０	０	０	０	６	14
樫野	０	０	０	０	２	２	２	１		７

＊

「１回表に２点、９回表に６点もとられてるのになんで自責点ゼロなんだゴルァ！」という方のために、ちょっと解説。

＜１回表の２点＞
ハピコこと伊藤の残したランナーを還した２点である。よって七嶋の失点でもないし、自責点でもない。

＜９回表の６点＞
２死をとった後、七嶋のエラーで走者を出した以降に大量失点している。
通常であればすでにスリーアウトなので、自責点にはならない。
投手のエラーで出した走者を還しても自責点にならないのはおかしい気もしますが、ルールですから仕方ない。

さて、センバツ後の展開ですが……。

（１）七嶋、「黒」を捨てて「白」野球に転換
あれだけ無罪だの裁判だの言ってたからには、心境の変化があるでしょう。
具体的にどうするかはわからん。

（２）七嶋に投げさせすぎたことで、OB会よりガーソ排斥の声があがる
センバツ準優勝した済美のエースの登板過多が話題になってるので。
まあ、センバツでエースが投げきるのは珍しくないんだけど。むしろフツー。
脱線するけど、同じく２年エースを５試合ほとんど投げさせた浦和学院の監督さんが非難されないのはなんで？

（３）エンドランの持ってきた大金が、荒川or荒川ママにばれる
荒川ママがエンドランに接触するのはほぼ確実。
狡猾そうなママのこと、これを七嶋を取り込む口実にするはず。

（４）骨強化のために、ごはんにカルシウムふりかけ導入
特になし。

（５）マギーがマスクをむしりとると、中からノック(ry
そろそろ伏線回収してください。