今週の砂の栄冠 第124話「白い天使」
（週刊ヤングマガジン2013年1月28日／9号）
樫野、この試合初めての三者凡退で守備を終えます。
４回裏、攻撃に移るナインに対し、ガーソは
「点差気にせず自分のプレーをしろ」
とありきたりすぎる檄。
ダメダメな指揮官に対し、チームメートは
「ナナのピッチング無駄にすんな！」
と健気に盛り上げます。
＊
七嶋は、仲間たちの言葉にしみじみ感じ入っていました。
「みんな俺をかばってくれる 必死に守って頑張って俺を助けようとしてくれている」
「正直……今までの俺はみんなのことをアテにしてなかった 俺が抑えて一発打てば勝てると思っていた」
いや、正しい分析だと思うよ。
確かに脇役が活躍した場面もありますが（大阪杏蔭戦でグマの背走キャッチとか）、
樫野は七嶋が絡まなければ得点できない、七嶋以外に計算できるピッチャーもいない。
秋からセンバツ準々決勝まで全試合完投＆ほぼ全試合で決勝打。
これをワンマンチームと言わずして何と言うのか。
＊
「神様の判決理由はそこにあったんだ 監督をバカだと見下し仲間を軽く見ていたことへの戒め……」
「だとしたら……神を恨むんじゃない 悔いを改め…… 白い天使の心で野球に取り組むと甲子園の神様に誓いを立てよう」
ここで、半ページ使ってのお目々キラキラの少女漫画七嶋登場。107話以来。
神とか悔い改めるとか、七嶋は教会に通ってたことでもあるのでしょうか。
＊
さて、攻撃は２番カマタリがセカンドゴロで１死。
続くダッチこと田中はきれいなセンター前ヒットで出塁。甲子園初ヒット。
もうガンネン（黄川田、正左翼手）いらないんじゃないかな。
今頃ダッチに向かって呪いの般若心経でも読んでそうだ。
ガーソ、ダッチの起用は珍しくナイス采配かもしれん。
＊
続いてグンも一、二塁間を破るライト前ヒット。
まさかの連打で１死一、二塁。
グンは妄想もノリノリ。
「甲子園10本目！ これって……慶応どころか オレもプロ？」
ドラフト会議後、マスコミの前でピースするところまで想像しています。
ねえよ。10本のうちほとんどシングルばっかりじゃねえか。
まあ、高校通算０本塁打だったガッツ小笠原みたいな例もあるけど。
＊
大チャンス到来ですが、ガーソは例によって動きなし。
「存在感薄う」
とカトキチ。
「そういうこと言うな 失礼だろ」
ホワイト七嶋です。中日時代の中村ノリも驚きの白さ。
悔い改めるとは、この事だったようで。
＊
「こういう場面簡単に決断下せるもんじゃない 甲子園での采配はホントに難しいんだよな」
ガーソをいきなり弁護し始めます。
いや、そう思うならアドバイスでもしてやれよ。
「おまえどうしちゃったの？」
カトキチが心配そう。骨折したときよりも。
＊
苫大駒小牧の香野監督は、バッテリーに「慎重になれ」と指示。
過去３試合、七嶋が絡まない得点シーンがなかったので、判断材料がないのです。
となれば基本の低め。
＊
５番のズッキ、初球に手を出しピッチャーゴロ。
1-6-3。最悪のダブルプレーに終わります。
これでズッキは甲子園13打数ノーヒット。
＊
４回裏があっけなく終了。
ここでガーソ、ようやく我に返ります。
七嶋、グラブを持って「やっぱりあいつはガーソだ」
そう、そしてお前も黒い七嶋だ。
＊
「やめた……あんなヤツ カントクなんて二度と呼ばない！ やっぱり俺は白い天使なんかじゃない」
少女漫画風の仮面を、ルパン３世の特殊メイクのごとくびりびりと破ると、そこにいたのは……
＊
「ガーソ！ あいつは最低最悪！ バカとバカと呼んで何が悪い！」
ブラック七嶋復活！ オセロのごとく白黒が入れ替わるが、試合展開とは全然関係ないぞ。 以下次号。
＊
| １ | ２ | ３ | ４ | ５ | ６ | ７ | ８ | ９ | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 苫大駒小牧 | ８ | ０ | ０ | ０ | ８ | |||||
| 樫野 | ０ | ０ | ０ | ０ | ０ |
＊
スポーツ漫画で「先が読めない展開」というのはよくあるんですが、
主人公が白くなるか黒くなるか読めないのは「砂の栄冠」くらいでしょう。
普通の野球漫画で売れないとなったら、腹をくくってギャグをぶち込む。
この思い切りの良さがいいですね。
どんどん人に勧めるときの説明に困る漫画になってるけどな！
今週の三田先生
巻末コメント 『バラー丼』いいです！
→「いきものがかり」のアルバムのことでしょうか。
参考：いきものがかり OFFICIAL WEB SITE
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