2003年、阪神18年ぶりの優勝で「阪神本」は山のように出ました。その中でもこの本は異色。背番号100番台の打撃投手やブルペン捕手、コーチなど、裏方の人々にスポットを当てた作品なのです。
裏方、といってもかつてはほとんどがプロ。一流の素質があった男たちは、どうして一流になれなかったのか。そして、縁の下の力持ちとはどんな人生なのか。十人十色の答えがあります。
個人的には第十章のサンテレビ局員の栗田さん、湯浅さんへのインタビューがおすすめ。「胴上げだけは絶対喋らんとこうと思ってましたね」という湯浅さんのコメントから、キー局とはひと味違う野球への思いを感じとれました。
03年当時、神戸に住んでいて何度もサンテレビの阪神戦を見たことを思い出しましたね。
ちなみに、川藤幸三さんと小笠原正一さんの特別対談だけは、1985年頃のお話です。
☆構成()はライター
第一章 西口裕治/ブルペン捕手(矢崎良一)
第二章 多田昌弘/打撃投手(岩田卓士)
第三章 梅本正之/虎風荘寮長(池田浩明)
第四章 和田豊/野手総合コーチ(伊村雅央、中田潤)
第五章 前田健/トレーニングコーチ(中田潤)
第六章 渡辺長助/スコアラー(池田浩明)
第七章 島野育夫/ヘッドコーチ(玉森正人)
第八章 水谷実雄/打撃コーチ(伊村雅央)
第九章 佐藤義則/投手コーチ(池田浩明)
第十章 栗田昭夫、湯浅明彦/サンテレビ局員(池田浩明)
特別対談 川藤幸三、小笠原正一(池田浩明)
最終章 安達智次郎/打撃投手(中田潤)
長嶋茂雄 最後の日。1974.10.14(鷲田康/文藝春秋)
人生賭けて 〜苦しみの後には必ず成長があった〜(金本知憲/小学館)
中継ぎ投手 荒れたマウンドのエースたち(澤宮優/河出書房新社)
決めて断つ(黒田博樹/KKベストセラーズ)
采配(落合博満/ダイヤモンド社)
野球にときめいて 王貞治、半生を語る(王貞治/中央公論社)
プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である(片岡宏雄/双葉社)
伝える わたしが見てきた野球80年(杉下茂/中日新聞社)
愛甲猛のプロ野球ガチンコ観戦ノート(愛甲猛/オークラ出版)
野球を学問する(桑田真澄、平田竹男/新潮社)
スカウト プロ野球の輪郭をふちどってきた男たち(安倍昌彦/日刊スポーツ出版社)
球界の野良犬(愛甲猛/宝島社)
PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?(橋本清/ぴあ)
絆 冬は必ず春となる(岩隈久志/潮出版社)
133キロ怪速球(山本昌/ベースボール・マガジン社)
投手・桑田真澄の青春(石川好/シンコーミュージック・エンタテイメント)
私の履歴書 プロ野球伝説の名将(鶴岡一人・川上哲治・西本幸雄・稲尾和久/日本経済新聞出版社)
アンダースロー論(渡辺俊介/光文社)
魂のフルスイング(小笠原道大/KKロングセラーズ)
甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯(門田隆将/講談社)
スト決行 プロ野球が消えた2日間(朝日新聞スポーツ部/朝日新聞社)
野球肩・野球ひじを治す本(川島堅/マキノ出版)
背番号三桁「僕達も胴上げに参加していいんですか?」(矢崎良一ほか/竹書房)
もうひとつのフィールド・オブ・ドリームス 伝説のエース 小川健太郎物語(中村素至/新風舎)
左腕の誇り 江夏豊自伝(江夏豊/構成・波多野勝/草思社)
忘れられた名投手-北井正雄と野球のぼせモンたち-(高井正秀/文芸社)
サイレントK 沈黙のマウンド(石井裕也/日本文芸社)
松坂大輔「証明」(降籏学・日刊ゲンダイ写真部/PHP研究所)
友情 オレと仲間のジャイアンツ・グラフィティ(水野雄仁/ザ・マサダ)
巨怪伝-正力松太郎と影武者たちの一世紀(佐野眞一/文藝春秋)