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◆高校野球おすすめ書籍◆

人生賭けて 〜苦しみの後には必ず成長があった〜[プロ野球]
(金本知憲 小学館)

鉄人・金本が、現役最後の三年間を語った本。
2010年オープン戦前の練習にて、若手と接触して右肩を痛めた金本選手。医者は手術が最善と判断したが、金本は年齢を理由にリハビリのみでの復活を決断。そこから長く苦しい戦いが始まる。

晩年の金本といえば「投げられないレフト」「連続出場記録にしがみついて晩節を汚す」というイメージがある。
とにかくネットのバッシングはひどかった。
本書にもヤジに耐えかね、2010年の時点で引退を考えたと語っている。

しかし、金本選手自身に連続フルイニング記録へのこだわりは一切なかったという。
「チームのためにならないなら」出ないつもりだった。
だが、大記録ゆえにベンチは止められず、ついに自ら申し出ることでストップ。
その後、連続試合出場の枷も外れたものの、肩も打撃も回復しない。

そして2012年、往時の力が戻らず、チームのCS出場の望みも絶たれた秋、引退を決断。

本書の印象はとにかく「苦しみ」に尽きる。
野球について「苦しい思い出しかない。でも仕事だから全力を出してきた」と語る金本選手だが、最後の三年はとりわけ苦しかったのだろう。
この本から「あきらめない素晴らしさを学んだ」などと軽々しい感想は書けない。
ただただ、プロの精神力に脱帽するばかりである。

なお、広島カープ時代と広陵高校時代もわずかだが触れられている。
高校野球ファン的には、広陵時代の恩師である中井哲之(現監督)の証言は見逃せない。



[表紙画像]
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