ハンカチ王子と老エース　奇跡を生んだ早実野球部100年物語
（門田隆将/講談社）

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amazon 楽天 発売：2006/11

2006年、駒大苫小牧との死闘に勝利し、初優勝を果たした早実。第1回大会の出場から数えて88回、ようやくつかんだ夏の全国制覇だった。

歴代のチームが涙をのんだ甲子園。王貞治、荒木大輔でもできなかった偉業を果たしたのは、「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹投手。涼しげな顔をした青年は、実は「鬼」と自ら語るほど打者に容赦なかった。

彼を鬼と変えたきっかけ、それを著者は「運命」と語っている。早実100年の歴史、数々の苦闘を経て斎藤が現れるのは運命だったと。
その運命は、実に約70年前、一人の早実エースの敗戦から始まっていた。野球にかけた人々が織りなす、奇跡を生んだ早実野球部物語。

一つ強調しておきたいのは、この本はハンカチ王子のミーハー本ではないということ。もとは戦前早実OBの島津雅男氏の取材から始まっており、決して早実が優勝してから慌てて書かれたものではない。著名な歴代OBも登場し、中身は充分に濃い。
2006年夏を振り返りたい方、早実野球部を知りたい方、両方におすすめの一冊。

☆取材を受けている人物（一部）
島津雅男（1931年夏出場）
荒川博（1948年春出場）
荒木大輔、小山寛陽（1980年準優勝）
王貞治、田村利宏、堀江康亘（1957年春優勝）
大森貞雄（元早実部長）
和泉実（現早実監督）
斎藤佑樹、神田雄二、小柳竜巳、後藤貴司、白川英聖、桧垣皓次朗、船橋悠（2006年夏優勝メンバー）
田中将大、本間篤史、香田誉士史（2006年夏駒大苫小牧）
田中洋平、小倉全由（2006年夏日大三）